第417号 / 2004.01.08
‘ビ’を見れば‘お金’が降り注ぐ
JYPエンターテイメント, スター‘ビ’ マーケティング大ヒット …
デジタルコンテンツ・イメージまで販売 ‘新しい価値創造’ ビはメトロセクシュアルの典型.
2003年年末、ある放送社が主催した映画賞 授賞式場で、歌手‘ビ’は‘ヒョリ’とデュエットをしてタンゴを踊った.
ヒョリが‘清純ながらもセクシーな’姿を見せたとすれば、ビはいわば‘ウルトラ メガ メトロセクシュアル’とは何かを教えてくれた.
ビのダンスが終わった後、居並んだ名だたる俳優たちは拍手するのを忘れて、瞬間あぜんとし,
司会をしていたアン・ソンギとソン・ユナも、ビが演出した奇妙な雰囲気にしばらくたじろいだ.
ビが見せたメトロセクシュアルは、男女の伝統的性役割の境界が薄くなりながら現れた新しい人間型をいう.
‘東亜日報’は、ビをこのように描写した.
“ビは前例のない、独特のセクシーコードを見せてくれる. その正体は、マッチョ的な男性性とは違い、花ハンサムがあたえるセンチメンタリズムでもない.
核心は相反した2イメージが衝突しながら逆説的に交流するポストモダンの結合にある.
子供のような微笑は‘女性性’である反面、彼の筋肉質な体つきと激烈な身ぶりは‘男性性’だ.”
ビは、最近の芸能界で最高の付加価値を上げる男子歌手だ.
彼は不法複製が幅をきかしてストリーミングサービスが乱立する状況で、‘片手にも足りない’アルバムが売れる数少ない歌手の中のひとりだ.
しかし、ビをより一層引き立って見せているは、彼がサイバー世界をマーケティングの拠点として引き込んで、多様な方式で‘価値’を創出しているという事実だ.
名門大の卒業生で構成されたJYPというエンターテイメントの30代チーム長たちは、‘ビ’という商品で‘メガスピード’
時代を貫通する‘先端商売法’を実験している.
他の人々とは反対に行く
ビが1集を出した頃、韓国歌謡界は奇妙な名前のアイドルスターたちが占領していた.
国籍不明のアルファベットイニシャルが幅をきかす歌謡界で、韓国語で作られた‘カントリーな’名前は、当時では冒険心満杯な逆発想だった.
感覚だけは最高だと自負するJYPエンターテイメントの‘キン世代’(1980年代終盤から90年代初期学番)たちが聞いても危険だと感じたほど、ビという名前は商業的な面で挑戦だった.
しかし、このような逆発想は成功した.
自然現象を指す(註:「ビ」は韓国語で雨のこと)、平凡な純韓国語の名詞は、いつのまにか20〜30代女性たちが‘全身がしっとりとするように浴びたい’
対象を指す‘固有名詞’になったし,
なお一層固有名詞‘ビ’は、既に‘抱かれてみたくて、かんであげたい’メトロセクシュアルなあるイメージを指す普通名詞に変貌中だ.
頑な発想で‘コピー製品’の洪水中に、また似た‘我流’を出したなら、‘浴びたいビ(註:雨)’が誕生できたのだろうか.
‘他の人々と違う’は、無料で見て聞いて読むことがあふれているデジタル時代マーケティングのABCと違わない.
包装を変えて違うように売る
情報技術の発展は、確保したコンテンツを多様なルートを通して販売する‘ワンソースマルチユース’(One
source Multi use)を可能にした.
‘包装を変えて違うように売る’は、情報産業時代の必須不可欠な要素になっている.
ビは、オン・オフラインを行き来して、ワンソースマルチユースを通して制限された力量で最大の付加価値を創出する.
ビは、アルバムと共にデジタルコンテンツを販売した最初のエンターテイナーだ.
ビの2集を買うと、特典としてクーポンひとつを受けとれる.
デジタルコンテンツ使用権であるクーポンで、消費者はインターネットを通してただでミュージックビデオと写真を見て音楽を鑑賞できて, カラーリング 着信音
カラオケなど、モバイルコンテンツを利用できる.
ビは商品券でも売れる. ビの肖像権を契約したある会社が、ビの顔が印刷された商品券を刷って販売している.
ビは、ミュージックビデオも単純にレコードをより売るためには撮らなかった. 彼はミュージックビデオで特定ブランドの製品を着て踊る.
ミュージックビデオにPPL(間接広告)を導入したのだ.
ビとPPL契約を結んだ衣類業者は、ビの名前を入れた‘コラボレーション(collaboration)ブランド’ラインを設けて、適当にうまく収益を上げて、ビとウィンウィン(win-win)戦略を駆使している.
製品にオーラを入れろ
ビは歌手, 俳優の二つの分野の両方で成功したいと話す.
コーヒー専門店スターバックスに入ると、妙なオーラが感じられる.
その秘密は音楽にある. スターバックスは、店内の背景音楽として‘ヒアミュージック’が製作した, スターバックスでだけ聞くことができるアルバムを流す.
ジャズ ポップ クラシックなど、各ジャンル別に厳選して編集された音楽は、店内の雰囲気の核心を占める.
これによって、訪れる人にとって、‘なにか違う’という感じを持つようにするのだ.
ビはこのような感性マーケティングに最もつりあった対象だ.
ラグジュアリーでありながら身近で, 完壁な男子でありながらも女性性が溶けているビのイメージが、まさに最高の商品だという話だ.
ビが出演したギョチョンチキンの放送広告が、1月に電波に乗る. チキンとビは一見溶け合わない組み合わせとして感じられる.
しかし、ギョチョンチキンの広告には、チキンや厨房長の帽子は登場しない.
その代わり、ビが‘ヤマカシ’というエクストリームスポーツを楽しむ姿の広告が進行される.
ギョチョンチキンは、ビが持つオーラを利用し、チキンでなく、ビのイメージを売るという感性マーケティングにたったのである.
ビを広告モデルとして利用しようという会社が列をなすことは、ビが自身だけのイメージを作りだすのに成功したためだ.
核心力量を増やして顧客に迫れ
ビは、歌と踊りという核心力量, それに次ぐ補助力量を揃えている. 好評を受けた‘演技力’は、まさにそれだ.
ビは歌手, 俳優二つの分野両方で成功したい.
ドラマ出演時には1〜2時間しか眠ることができないで歌と踊りと演技を練習したという.
核心力量一つだけで物が売れる時代は過ぎた. ‘マルチプレーヤー’は出来なくても、少なくとも‘ダブルプレーヤー’にはなるべきだ.
JYPエンターテイメント側は、ビのイメージを生かすことができる映画やドラマが現れれば、いつでも出演させる計画だと明かした.
ビは、CRM(顧客関係管理)にも長けている.
ファンと直接会う場を自ら用意する等、あらゆるマーケティングがCRM基盤の上でなされる.
消費者に近く迫ることは、マーケティングの基本だ. 顧客から遠ざかれば収益は落ちるようになっている.
ビのアルバムは、LG25やバイザウェイのようなコンビニエンスストアでも買える.
コンビニエンスストアと提携を結んで販売網を多様化することによって、広報効果を享受すると同時に、それだけ顧客により近く迫ることができることだ.
ビのアルバムの中に‘ビの1日マネジャーになる券’‘リネージュ無料利用権’などの商品が隠されてあることもCRMの一環だ.
最高と相手をすれば最高になる
ビが‘浮かび上がる’前、JYPエンターテイメントは、名だたる企業にビと関連した事業提案書を送った.
提案書を受けた企業は、‘最近はこういう会社までが提案書を送ってくる’と驚く反応を見せたという.
結局、ビは屈指の企業と取引を成して, 一等企業たちとの取引は、イメージを管理するのに少なくない助けになった.
ビが初めて広告に出演した業者は、通信業界1位であるSKテレコムだった.
ビは、SKテレコムと有・無線コンテンツ独占契約を結んだ.
着信音を供給する小さな会社と契約する代わりに、一発で一流業者と‘ビッグディール’をしたのである.
SKテレコムと一緒の船に乗ったビは、最近、番号移動性制度と関連したSKテレコム広告を撮った.
JYPエンターテイメントに投資したインターネットポータル‘ダウム’は、ビのもう一つの同伴者だ.
あとは、昨年有料サービスを始めた‘ダンスダンス’にビのダンスの動作を収めたダンスプレーヤーを披露して利益を得た.
ビは次には、曲で使われる歌詞の公募イベントとミュージックビデオのシナリオ公募イベントを繰り広げて広報効果を享受し,
あとは11万名が参加したこの行事をサイトプロモーション手段で適切に活用した.
国内最大ゲーム業者で、コスタック市場の大将株と呼ばれる‘エンシーソフト’もビの魅力にどっぷりはまっている.
ビがエンシーソフトのリネージュを楽しんでいるという話をしたり、ビのアルバムにリネージュ無料利用権が景品として入っていることは、ビとエンシーソフトの高度なマーケティング戦略だ.
ビが中国進出に成功すれば、ビを主人公にしたゲームを作ることも基礎的な段階で検討されているという.
ソン・フングン記者 carrot@donga.com 発行日
: 2004 年 01月 08日 (417 号)
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