2002年8月週刊東亜 344号

芸能人子女は今‘留学中’
芸能人子女は今‘留学中’
教育環境・英語実力に満足 ‘海外へ 海外へ’ … 芳しくないことの事前遮断目的も


最近になって、留学人口が急激に増えている.
入試中心の教育環境と、英語の比重がますます大きくなっている私達の社会の与件上、留学はそれほど現実的で魅力的な誘惑だ.
芸能人たちの中にも、子女を留学させた‘留学派’が少なくない.
来る8月、放送活動を暫定中断して、家族と共にカナダへ向かうコメディアン イ・ソンミ氏はその代表的な例だ.
イ氏は去る3月、長男 ウンギをカナダにまず送った.
4年前から考えてきた計画をいよいよ実行に移したのだ.

“ウンギが留学に行きたいとねだったのですよ. でも、その時は子供たちを連れて世界旅行でもしようと思っていました.私がイタリアやヨーロッパを旅行しながら見て感じたことが多くて、子供たちにもそのような機会を与えてみたかったのです. ところが、皮肉なことにウンギのことで計画が水泡と消えました. 彼の計画の代わりになることがないだろうかと探したのですが、留学を決心していましたよ. 子供たちも子供たちですが、私も英語学習の必要性を痛感していました. これまで、外国に出る度にそれと無く自尊心傷つけられることが多かったのです. まず、出入国管理所を通過する時から、話ができるかはらはらしました.
‘目が合ったら, とにかく無条件に笑ってみよう. いや, あまりオーバーだと変に考えるかもしれない’などとね.”

彼は留学のための事前調査を几帳面にした.
最も慎重に見回した部分は、目的地.
子供たちにとって快適で良い環境を作ってくれることが最優先条件なので、米国とニュージーランド, カナダを直接踏査した.

“カナダはソウルから九時間の距離なのに加え、どこに行っても青く茂った自然があります.
わたしはそれで気に入りました. 他の人々は英語のために行くのですが、実は、わたしは自然環境がより重要だと思います. 子供達が見て育つのは、結局、水, 空気, 山 のような自然ですよ.”



放送活動を暫定中断したイ・ソンミ


小学校4学年時から留学に行きたいとせがんだウンギは、現在、カナダ生活によく適応している.
これまで、勉強に特に興味を感じられなかったウンギは、最近ワールドカップ熱気に助けられて‘勉強のできるサッカー選手になりたい’と話すという.

“ウンギには、単に人にだけなればいいと言いました. 今回留学に送ったことも、勉強のためではなく、そのようなことのためなんです. でも、ものすごく用心深いですよ. ‘芸能人だからお金をたくさん持っていて、留学させた’‘他の人々はみな適応しながら暮らすのに、違うのではないか’と話す人もありましたよ. でも、私のためにもあきらめることができないのですよ.”

イ・ソンミの懇意な同僚コメディアン イ・ホンリョル氏も、4年前に妻と2人の息子を米国に留学させた.
だが、彼は、勉強をもっとしたいという妻のために、子供たちまで留学に送ったケースだ.
8歳年下である彼の妻と中学生, 小学生の2人息子は、来る7月末に帰国予定だ.

“先輩たちは、子供が 3, 4年ほど外国に出ていたら、国内に戻ってきてもそれだけの適応期間が必要だというのです. それでも連れてこようというのは、向こうで中・高等学校に通ったら、向こうの子供になってしまうことと同じだからです. 最も重要な時期である思春期に米国式 思考に染まるのを容認出来ませんよ. これから子供たちと共に送ることができる時間も、長くても6年ほどです. 軍隊や留学に行って, 結婚することになれば、別れる以外にありません. 今でも、子供達が頭が大きくなる(註:知恵がつく)と父母を遠ざけますよ. 前はどこに行っても付いてまわったのに、今はもう‘ママ パパ 行ってらっしゃい’ですよ. 外国人学校に通うことは関係ないけれど, 韓国で生きていく方式も学び、わたしの小言も聞かなければならないでしょう. 戻ってきたくなくても戻らせる方法は簡単です. 生活費を送らないでおいて帰らせる方法以外にですか?”

彼は“子女教育に正答はありません”と強調した.
ただし、父母にさからわずに, 正しく成長できるように、礼儀を重要視するほうだ.
特に、彼は孝 礼讃論者であり, 子供たちの話に耳を傾ける父でもある.
彼が書いた‘父であることはやさしいけれど、父らしくあるのは難しい’という本のタイトルのように努力しなければ、良い父になり得ないと信じるためだ.
このため、彼は子供たちとe-mailを随時やりとりし、電話通話もよくする.

タレント チョ・ヒョンギもイ・ホンリョルと境遇が似ている.
昨年7月、妻とキョンジュン(16), キョンフン(12)の2人息子をカナダに留学させたのだ.
彼が子供たちを留学させることになった契機は、中学校3学年である息子 キョンジュンが学習塾までを終えて、夜遅い時刻にへとへとになりながら帰ってくる姿があまりにも痛ましかったためだ.
一つの家に暮らしながらも、いつも忙しくて子供たちの顔を見ることが難しかった彼は、自身の幼かった時期を思い起こして苛酷な青少年期を送る子供達がますます気にかかった.
子供達が暇さえあればコンピュータの前にばかり座っていることも気になった.
彼は、子供達が自分の年齢に似合うように思い切り遊んで、多様な経験を積みながら成長期を送るべきだという考えから留学に送った.
家族と離れて住んでいるため、以前よりもむしろより近づいたという.
インターネットを利用して毎夜対話をするおかげで、深い話まで聞くことができるようになった.
子供たちとの対話が終われば、妻の愚痴も聞き入れる. 妻もやはり一人で子供たちを世話しながら英語学院に通うため、ストレスが並大抵でないためだ.
若い夫婦が長く離れて暮らすということは容易なことではないが、それだけ切ない情が次から次へと生じるという.

タレント チェ・ラン氏の双子の娘たちも、現在米国で留学中だ.
本来、チェ・ランは、子供たちを留学させる考えがなかったが、去る99年7月に双子の娘と末の息子を連れて米国のあるサマースクールに参加したことが契機になった.
2ケ月余りの過程が終わろうとする頃, 長女が米国で学業を修めたいと願った.
二卵性双生児で、外貌と性格が異なる二番目の娘は、母親の不安な気持ちを推し量っていたが、上の娘の説得で、最後まで二人の娘とも米国に残さざるをえなかったという.


インターネット利用で率直な話を

二人の娘が米国行きを希望するもっとも大きな理由は、韓国とは違う教育制度だ.
1クラスで勉強する学生数が少ないため、教師が学生一人一人に関心を注いでくれて, 宿題もほとんどなく、学習塾に行くこともない米国では、なんでも自らの選択によって決定されるのだ.
短い期間だが、自然に自立心と自信が生まれた娘たちは“今後7年だけ我慢するわ”と、むしろおとなしくふるまった.
そのように留学生活を始めた娘たちは、前よりずっと積極的で自立心が強い子供に育った.

コメディアン ソ・セウォン氏も、子供たちを留学させた芸能人としてよく知られている.
米国 ボストンに留学中である長女ドンジュと息子ドンチョンは、現地では勉強のできる学生として有名だ.
ドンジュは去る99年に中学校を卒業した当時にクリントン大統領賞と芸能特技賞を受けた才媛で, ドンチョンもやはり平均95点以下に落ちたことのない優等生だ.
彼が2人の子供を留学させた決定的理由は、妻 ソ・ジョンヒさんの切望のためだった.
高等学校に通っていた時に外国生活を経験してみるのが夢であったというソ・ジョンヒさんは、子供たちに大きな世の中を見せるのが自身の願いだといった.
代わりに、すこしでも問題が生じたら連れ帰ることにして送ったのだが、予想外の収穫を得た訳だ.

中堅タレント オ・ミヨン氏の子供たちもカナダで勉強している.
だが、彼女は子供たちだけを別に留学させたのではなく、韓国でよくないことがしきりに重なり、94年に移民したケースだ.
移民生活の中で最も印象深かったことは、子供たちを教える教師たちだった.
子供達が通った学校の校長は、常時半ズボンにTシャツ姿で、身なりだけを見れば落ちぶれているようなおじさんであった.
その上、彼は廊下と運動場を清掃し, 子供たちの名前をいちいち呼んでくれる、友人のような先生だった.
より一層驚いた点は、その短い期間中に子供たち三名の名前はもちろん、好きなことから癖, 性格まで、みな把握していることだった.

これらの他にも、映画俳優 アン・ソンギ, タレント キム・ジャオク, コメディアン イ・サンヘ, 国楽家 キム・ヨンイム夫婦などが子女を留学させたことが知られている.
このように、‘留学派’芸能人たちは子女が韓国とは異なる教育環境で思いきり飛び回って勉強して、英語が流暢になった点に満足している.

< キム・ジヨン/ 女性東亜 演芸専門ライター > uga301@my.donga.com