2001年3月 週刊東亜

'鉄道 ルネサンス' 来るか

第276号/2001.3 

早くも堂々と‘夢の列車’走る

今年9月、京義線復元, 2004年には高速鉄道開通… 21世紀型交通手段として脚光, 投資不備が障害物
2004年 秋. ソウルで職場生活を送る する キム・グァンミョン氏(40・仮名)は、旧盆が迫りながら仕事が手に付かず、心はすでに故郷にある. 今度の旧盆帰郷からは、うんざりする‘帰省戦争’をしなくても良いと考えると、心がいっそう軽くなった. 乗用車を利用し、故郷の大邱附近まで行くのに10時間もかかった2月のことは、考えだけでもぞっとした. 今年4月に開通した高速列車で帰省するために、あらかじめ前売り切符を買っておいたのもこのためだ. 

高速列車の時刻に合せてソウル駅に到着したキム氏は、信じられない光景を目撃した. まだ高速列車切符を購入している人々が多いというだけでなく、高速列車が5分おきに出発しているためだ. キム氏がもっと驚いたことは、ソウル駅を出発して、2時間で故郷に到着できるという事実. 都心から空港まで行く時間まで考慮すれば、むしろ飛行機よりずっと早く到着するわけだ. 

キム氏は、列車旅行が便利だという点を新たに悟って、家族と相談の末に、来年夏の休暇時には、昨年連結した京元線を経て、シベリア横断列車に乗ってヨーロッパまで旅行することに決定した. これまで貨物列車だけを通過させてきた北朝鮮当局が、今夏から旅客列車も通過するようにして以後、旅行社がシベリア横断列車を利用した観光商品をたくさん開発したためだ.

2004年4月、高速鉄道開通以後行われる変化像を描いてみた. キム氏が2004年秋に、高速列車を利用して帰省できるという事は確かだ. しかし、列車を利用してヨーロッパまで旅行することができるかは、もう少し様子をみてみたい. 南北関係の変化によって、実現可否が決定されるためだ. しかし、鉄道専門家たちは、南北鉄道連結が、北朝鮮 金日成主席主席の遺言事業であることを勘案すれば(金日成主席 主席は、94年、ベルギー労働党中央委員会議長と会見した折に、南北韓国鉄道連結に肯定的立場を表明)、キム氏の夢は現実化する可能性が高いと話す. 最近、国内の鉄道専門家たちは、韓国でも‘鉄道ルネサンス’の与件が成熟したため、これに対する準備を急がなければならないと声を高める. 自動車交通が発展できずに、鉄道が最も重要な交通手段だった19世紀のように、鉄道の重要性が新たに浮び上がっているという話だ. 60年代以後、‘圧縮成長’をしてきたため、高速道路建設が近代化の象徴のように認識している私たちとしては、容易に納得できないことだ. 


南北鉄道連結 ロシアも大きな関心

しかし、専門家たちは‘鉄道ルネサンス’が、高速鉄道開通と共にまた始まるはずだと予測する. 道路の場合、高速道路が登場して、時速100km以上走行が可能になった反面、これまでの鉄道の平均速度は、特定区間を除いて時速100kmを超えることができなかった. しかし、時速300km台の高速鉄道が開通にしながら、再び鉄道交通に対する関心と需要が増えるようになるはずだという説明だ. 

国際的な与件も有利に作用している. 何より、南北関係の進展で、来る9月には南北鉄道が連結する. 交通開発研究員 ジョン・イルス副院長は、“さる50年間、わたしたちは断絶された国土によって、大陸への接近が遮断された, 実質的な島国家であった”としながら、“しかし、韓半島鉄道連結は、韓半島が環太平洋とユーラシア大陸を連結する関門となり、地域内の中心性と連繋性・連繋性を確保することができるようになる、地理-経済的に非常に重要な事件”と評価した. 

南北鉄道連結が、シベリア横断鉄道活性化のために努力するロシアの関心を集めるのは、当然だ. さる2月26日、韓国を訪問したロシア プーチン大統領は、翌日、金大中大統領と首脳会談を持った席で、韓半島縦断鉄道(TKR)とシベリア横断鉄道(TSR)連結が、二国の理解を増進するのに助けになるという点を力説したことが知らされた. 現在、連結工事が進行中の京義線鉄道は、中国横断鉄道(TCR)と連結するという点で、プーチンの主張には韓国政府は京元線連結にも出てくれという意味が含まれているわけだ. 

TKRとTSRを連結しようというロシア政府の努力は、執拗に続いてきた. 昨年10月31日、民主党が開催した南北鉄道連結記念政策セミナー、‘鉄のシルクロード, その政治-経済的意義と展望’に参加したプーチン大統領の側近であり、高麗人3世のテン・ユーリ連邦下院議員も、“TSRは95%以上複線化されているが、TCR複線化率は25%程度にしかならなくて, 速度もTSRは全区間平均時速60kmが保証されるが、TCRは20〜30kmにしかならないので、TKRをTSRに連結する方がはるかに有利だ”と強調した. 

国内のある鉄道専門家も、“ロシア側は、これまでTSR利用時に最大問題として指摘されたロシア国境守備隊の公然たる金品要求事実に関して率直に認めて, いまは全てなくしたと話す程にTSR活性化に積極的だ”と伝えた.

この他に、エネルギー効率や温室ガス縮小問題等で、鉄道ほどの交通手段がないという点も、鉄道ルネサンス開幕に有利に作用している. 韓国鉄道大学 チェ・ヨンヘ教授は、“現在の輸送分担構造がそのまま維持されるならば、2020年には交通事故死亡者, エネルギー消耗, 道路混雑などが、現在の2倍以上増加することが予測される分、鉄道交通の重要性がより一層浮び上がらざるを得ない”と話した. 


網の目構築 ヨーロッパ鉄道‘ベンチマーキング’して

それなら、果してわたしたちは‘鉄道ルネサンス’を迎える準備ができているのか. 70年代以後、道路に比べて、鉄道に対する投資をないがしろにすることで、全く準備がされていないというのが、専門家たちの診断. 交通開発研究員 ソ・グァンソク鉄道研究チーム長は、“70年以後、既存路線の複線化及び電化はあったが、地域間鉄道は1kmも建設されなかった”としながら、“外国の専門家たちは、京釜線容量が一日139回なのであるが、138回運行されていると話せば、ええっと驚く”と伝えた. 外国の場合、鉄道路線容量の60%に至ると、新設路線を建設したり電化を推進するためだということ. 

それだけではない. 鉄道に対する投資が不十分で、鉄道運行と関連した安全度が脅威を受けているというのが、専門家たちの憂慮だ. 鉄道庁資料によれば、最近では減りはしたが、90年代中盤まででも、鉄道車両中、耐久年限が過ぎた車両が22%を超えていた. 

そのような点から、金大中政府が鉄道交通の重要性を悟ったのは、時遅しという感がなくはないけれど、幸運なことだ. 現政権は、98年3月、長期的な国家機関交通網計画樹立を国政課題として選定し, 98年4月から10月にわたり、計画試案を作成した. 続いて、98年末まで関係部処協議などを経ながら計画案を補完して, 99年2月には、根拠法である交通体系効率化法を制定した. 以後、関係部処協議などを経て、99年末, 20年にわたった長期構想の国家機関交通網計画を完成するのに至った.

この計画によれば、2019年の鉄道の輸送分担率は、97年現在の2倍水準に向上する. 97年現在、鉄道交通の旅客及び貨物輸送分担率は、各々 7.6, 10.5%. 2019年には、各々 18.6, 20.3%に増えるようになるという話だ. 反面、同じ期間、道路交通の輸送分担率は、旅客が88.2%から74.8%に, 貨物は56.6%から41.2%に縮小するという計画だ.

計画自体だけ見るならば、肯定的に評価するだけのことはある. 政府が一歩遅れて鉄道交通に対する投資を増やすようにしたことと解析できるためだ. しかし、鉄道専門家たちは、政府のこういう計画にもかかわらず、鉄道に対する投資は、相変らず優先順位では後に押しこまれていると主張する. ある鉄道専門家は、“道路優先の既存観念, 鉄道は非効率的だという既存鉄道に対する固定観念などが、相変らず鉄道発展をさえぎっている”と診断した. 建設・交通部関係者も、鉄道発展のための‘主体勢力’がないという点を惜しんだ. あとは、この関係者の率直な吐露.

“国会議員たちの最大関心中のひとつは、自身の地方区内の道路新設です. 道路の場合、各地方別に国土管理庁があって、ここから発注した道路維持及び保守工事は、地域経済に相当な助けになっているのが実情です. 国会議員の立場では、自身の業績誇示用にでも、道路建設及び維持-保守工事発注に関心が多くならざるを得ません. また、道路の場合、建設・交通部本部内に陸上交通局がある反面、鉄道政策を担当する所は1科に過ぎない実情なので、企画予算処を相手にした‘予算獲得’ロビーの側面でも、相手になりません. 鉄道が21世紀型交通手段だという、当然な事にもかかわらず、鉄道交通をめぐった利害関係者が結集出来なくて、限定された予算を執行しなければならない予算当局の優先順位から押し出されるしかないでしょう.”

このような点で、ヨーロッパの‘鉄道ルネサンス’は、立派なベンチマーキング対象というに値する. ヨーロッパ連合(EU) 執行委員会は、21世紀には、環境保全と生活の質向上のために、鉄道の役割増大が不回避だという基本原則を持っている. 何より、東欧ヨーロッパと東南部ヨーロッパの域内編入が進行しているなかで、EUがヨーロッパの巨大化につりあう新しい交通政策として、鉄道中心交通政策を明言したわけだ. “ドイツとフランスでは、鉄道に対する投資が道路に対する投資を凌駕している”(ジョン・ジョンファン鉄道庁長) 程だ.

ヨーロッパは鉄道交通中心政策を通じてヨーロッパ統合を加速化し, ヨーロッパ統合は、また、鉄道交通に対する需要を増加させる‘善循環’ 構造を持つようになる. 韓半島の‘鉄道ルネサンス’が、南北交流を促進して, 活発な南北交流が鉄道交通に対する重要性を新しく認識させるはずだという鉄道専門家たちの期待が、‘彼らだけの夢’で終わらないことを願うだけだ.

<ユン・ヨンホ 記者 yyoungho@donga.com>

 

シベリア横断鉄道と連結経済性はあるか
“時間と料金節約” vs “海上運送がもっと有利” 


韓半島横断鉄道とシベリア横断鉄道(TSR)を連結する場合、経済性はどれくらいになるだろうか. 

ロシア地域の広軌と、韓国及びヨーロッパ地域の標準軌道を連結することにおいて、技術的な問題は全くないというのが専門家たちの見解だ. しかし、TSRの経済性に対しては、意見が交錯する. 

昨年10月31日、民主党が主催した‘鉄のシルクロード’セミナー参席のために韓国を訪問したロシア連邦下院議員 テン・ユーリは、“釜山からヨーロッパの中部ブレストまで、コンテナ貨物運送を基準とする時、海上運送は26〜28日が必要とされるが、現在のTSR利用路線(釜山からボストチニまで海上運送した後、そこからTSRを利用)は、32〜35日必要としている”としながら、“しかし、韓半島鉄道路線をTSRと直接連結すれば、7日以上の節減が可能で、運送料金も、海上運送料金1TEUあたり2000ドルよりずっと低廉な1TEUあたり1700ドルと、低くなる”と強調, TSRの経済的効果を 高く評価した.

しかし、海洋水産開発院 イ・ジョングァン研究委員は、“最近になって、海上運送もやはり船舶の大型化, 船会社間の熾烈なサービス競争等で、運送サービスの質が改善されている”としながら、“TSRの硬直した運営と施設投資不足で、サービス水準が改善出来ないという点で、当分は海上運送の競争相手になるのが難しい”と展望した. 

これを意識したせいか. ロシア鉄道庁は、最近荷主たちに貨物に対する情報を提供するシステムを揃えるようにする等、TSR活性化に積極的に進んでいる. 海運とTSRのこういう競争は、ユーラシア大陸間交易拡大に大きな助けになるように見える.