2000年3月週刊東亜 224号

社会 / 男女関係 世相報告書


♂♀関係に ‘常識破壊’ 風(旋風)
家族-結婚-夫婦観 ‘核分裂’ 加速…
大学生 共居-独身母-セミオープンカップル型夫婦等、続々登場




wktga00224cover.jpg (19416 バイト)ソクラテスは生前、“結婚するほうが良いか, しないほうが良いか. どちらを選択しても後悔する”と言いきった. 一方、マーガレット・ミード, ルーズ ベネディクトのような人類学者等は、既に、第2次世界大戦直後に、遠からず契約結婚時代が到来することを見抜いていた. 未婚男女が一定期間の実験期間を経て、結婚に達すると見通したのである.
このような予測が、昨年、フランスで的中した. ついに‘契約同居’を法的に許諾することによって、正式に結婚した夫婦と違わない、同等な恩恵と保護を約束したのである. それだけでなく、最近、外信によれば、ドイツでは堂々とした‘独身母’が年毎に急増する趨勢だという. 経済的-精神的に自立能力を持った未婚女性の間に、子供を産んで育てる新しい形態の家族関係が広がっている. 米国には、既に、数千名の会員を率いた‘自発的 独身母’という団体が結成されて活動中である.

人類の歴史上、産業革命以後、最大の革命だと呼ばれるデジタル時代が開かれながら、私達の社会は新しいパラダイム形成でうず巻いている. 特に、これまで、社会の根幹を支えてきた慣習や道徳, 価値観が急激に変化を経てきたなかで、各種生活様式が変化している. その中で、家族関係や結婚をめぐって起きる、急激で多様な変化は多少乱れている.

過去とは異なる理由で、契約同居または契約結婚が幅広く拡散しているかと思えば, 性的に自由奔放な開放性を追求するセミオープンカップル型夫婦も続々登場している. 子供なしで夫婦二人だけの幸福な生を追求するシンク族も、より一般的になってきている. それだけでなく、独身母急増現象も、これ以上、遠い国の話ではない. 大学街を中心に‘別々に、また、一緒に’形態の共同生活を指向する共居族が既に根をおろしている実情だ.


同居斡旋 会員募集業者 登場

このような一連の現象は、男女が会って自然に夫婦となって、子供を産んで育てる‘結婚’が必須ではない選択事項になりながら、多様な欲求の‘共に生きる生’が形成されていることを見せる. 現在状況を反映するように、最近‘性生活のない結婚’を仲介する異色業者が登場して目を引く一方、‘同居斡旋’を目的に会員を募集している業者まで生まれた.
‘性’に関する限り、結婚の枠を越えるセミオープンカップルと、その反対に“夫婦だが、性関係は持ちたくない”という人々は、どんな部類になるのか. 性生活のない結婚を斡旋するノビリティ キム・ヒョンジェ社長は“性関係に自信がなかったり、性的欲望がほとんどない場合、または、性接触が嫌い, でなければ、仕事に対する熱情や宗教問題で性生活に重要性をおかなかったりして忌避する人々が会員の大部分を占める”と耳打ちする. 30歳台中盤のある男性は“年上でも関係ない. 対話ができて、人生を共有できる同伴者を妻に迎えたい”と、会員に加入した. 会員の大部分は、結婚すれば当然視される性的関係よりも精神的紐帯感にはるかにより大きい比重をおいて、配偶者を探しているわけだ.

セミオープンカップル型とは、結婚して子供を産んでも、性的にお互いを拘束しない、開放された夫婦の類型を称する. 夫または妻が、各自恋人をおいて性関係を持っても、お互いに干渉したり問題視しない. 彼らの大部分は高学歴層で、夫婦各自、自身の仕事を持っていて、お互いの意思を尊重する特性をもつ. 特に、お互いに対する信頼がなければ、持続的な結婚関係を維持するのは難しいので、まさにセミオープンカップル型夫婦だ. イ・スンフンさん(仮名・36)は、“ボーイフレンドとデートがある時の妻は若干浮き立った姿を見せます. 普段と違って、新鮮で活気が感じられて良いです”と、話す. イ・スンフンさんはまた、“むしろ、夫婦間に性的緊張感が生じて, お互いに執着しないため、結婚があたえる負担感がそれほどありません”と付け加える.

‘女が敢えて?’(ベストセラー出版社)というタイトルで本を編集して出した、産婦人科専門医 ジョン・ギョンスク院長の文章で、順次増加している‘無子 最上生活’のシンク族心理が、そのまま読み取れる. ‘子を産んで、育てる仕事を忌避する女性たちが意外に多い. 一般的に、女性には母性愛があって、子供を好むと認識されているが、そうでない女性たちが増えていく趨勢だ. セックスまでは良いけれど、妊娠すれば10月間は動くのも難しく、また、出産してしまえば、まちがいなく‘アジュマ(註:おばさん)’という声を聞くことになり、体つきもゆるむ. それだけでなく、子供がある程度大きくなるまではしたいことも勝手にできない….’


“結婚は嫌、子供だけひとりいれば…”

最近、30歳台の独身女性が集まる場に行けば、しばしば聞くことがある話がある. “結婚は嫌い、子供だけひとりいれば….” 30歳台中盤の独身女性 チョ・ユンギョンさん(仮名・35)は、“結婚や夫は煩わしいだけ”と話す. でも、“長く一人暮らしをしてみて感じたことだけど、生活にツヤがそれほどありません”と、さらけ出す. チョ・ユンギョンさんは、また“大きいアパートをひとつ手に入れて、映画‘三人の男子と赤ん坊かご’のように生きられたら、という考えが最近強いのです. もちろん、男子ではなく、女子三人くらいで. 子供は、私をはじめとする同居人の誰の子供でも構わない. 心が通じる女性たちの間で、共同で子供を育てながら、家族のような雰囲気で過ごしたい心情です”と、告白する.
チョ・ユンギョンさんとは違い、考えるだけに終わらないで‘独身母’の希望を実行に移した女性もある. 既に90年代中盤から隠密に人工受精を受けて、子供を産んだ独身母たちがいた. ある産婦人科医師は“私たちの病院だけでも、すでに5年前から人工受精に関して問い合わせをしてくる女性が少しずつ増える現象を見せています. 病院関係者の話を聞いてみると、実際に子供を産んだ女性も意外に多いです”と耳打ちする.

3年前、独身母として男の子を持つことになった ジョン・ユギョンさん(仮名・39)は、そのせいで父母と縁を切らなければならなかった. 生理が不規則で、30歳台序盤のある日、産婦人科病院を訪ねたチョンさん. 検査の結果、チョンさんは医師から衝撃的な話を聞いた. 30歳台中盤に早期閉経がくるかもしれないと. “その瞬間、女としての人生が終わるかもしれないという思いに途方に暮れた”というチョンさん. 彼女は、永遠に機会を失う前に、自身の分身を産むことを悩んだ末に、独身母の道を選択した.

法律用語で‘事実婚姻関係’と呼ばれる‘同居’は、過去と比較する時、非常に異なる様相が浮かびあがる. 韓国家庭法律相談所 パク・ソヒョン相談委員によれば、とりあえず暮らしてみてから結婚、または婚姻届をしようというカップルが増加しているということだ. 彼によれば“過去、男女が同居するようになる理由は、経済的な問題とか父母の結婚反対による場合が大部分を占めていました. しかし、いまは実利を正し、能動的に選択する趨勢がめだつ”という説明だ.

99年の1年間で韓国家庭法律相談所ソウル本所に持ちこまれた離婚関連相談件数は計5190件に達した. この中で、事実婚姻関係から発生した相談件数は19.7%である264件を占めた. その他の離婚関連相談と比較してみると、事実婚姻関係の著しい特徴は、まず、相談者の年齢層が非常に低いという点だ. 離婚相談者は、30, 40歳代が大部分を占めた反面、事実婚姻関係の相談者は、20, 30歳台中盤が最も多くの比重を占めていると表れた. また、同居期間も、1年未満の場合が60%に肉迫し、1〜3年未満が最も多いという離婚とは対照的だ.

パク・ソヒョン相談委員は“20, 30歳台の若年層の間に事実婚姻が順次増加することは、結婚に対する見解自体が変わっていることを見せています. 結婚も他のことと同じで、一つの選択であり、お互い合わない思ったら、早く別れる方がベターだというのですね. それで、二人の間に問題が発生した時、彼らは容易に離別を選択する傾向があるのです”と分析する. 彼はまた“女性たちの意識は一日ごとに転換されているけれど、社会制度と男性たちの意識は、女性の変化に追付くことができなくて、葛藤が頻繁に発生します. 社会や個人が意識の差を狭める努力が切実に要求される時点です”と指摘する.

さる99年5月、社会福祉財団‘愛の電話’が調査発表した結果を見ると、同居に対する最近の人々の意識がもう少し鮮明にわかる. 男女 ネチズン 1104人を対象に‘婚前同居に関する意識調査’を実施した結果、応答者の54.9%が同居に賛成したと表れた. 反対意見は41.7%で、賛成よりもその数が少なかった. それなら、婚前同居に賛成した人々が主張する賛成理由はなにか. まず、“慎重な決定のために”と答えた 人が61.0%にもなった. “結婚よりも自由な生活であるから”を 理由に上げた人は22.8%であった. 同居に反対した理由中、43.6%は“性的に無責任になりえる”と応答した. また“結婚の神聖さが退色・褪色しかねない”“社会的認識が否定的だ”と答えた人は、各々29.0%, 22.4%を占めた.


“男女不問 ルームメートを求めます”

実際に同居中か、同居を経て離別した人々の考えはどうだろうか. 2年の恋愛期間を経て、互いの合意の下に同居を始めたパク・ウヨンさん(仮名・34)は、同居一ケ月で相手の女性と別れた.
“恋愛の時とは違い、お互いのプライバシーが赤裸々になるから、トラブルが多かった. それで、とうてい一緒に暮らすことができなかった”というパクさん. 彼は“結婚後離婚するよりも100倍良いです. 離婚を止めようとする家族の顔を見なくて済むし、もし子供でもあったら、どうするのです. また、社会的に離婚に対する不利益を受けなくてはなりません. 一度経験をしておいて、そして、結婚すれば良い生活をすることができるのではないでしょうか”とさらけ出す.

イ・ジョンミンさん(仮名・28才)は、同居中の男性がちょっと前から自分勝手で、葛藤を体験しているケースだ. 職場の同僚として出会った二人は、それぞれ同居を決心した. “二人とも、それぞれの家があって、夜別れるのも嫌で、すごく孤独でした. 同居すれば生活費も減らすことができて、色々な面で良いと思いました”というイ・ジョンミンさん. そして、二人はなんと同居覚書まで作成したという. ‘二人のうち片方の心が変わっても、縛らない’‘万一、妊娠した場合、片方が出産に反対したら、子供をおろす’などなど. ところが、イ・ジョンミンさんは、意外にも妊娠をし、男性がそれを望まなくて堕胎するしかなかった. このようなトラブルが頻繁になるにつれ、男性が自分勝手になるという. “率直に、その人が別れようという前に、まず荷物を包むことは怖い. 子供に対する罪責感も、まだ耐えられなくて…、こういう事になるとは考えずに同居したのが、今になって思えば後悔しています.”

同居とは違うけれど、形式上同居と非常に類似の形態を思い浮かべられるのが、まさに大学生間に蔓延する‘共居’だ. IMF 事態直後、大学街を中心に急激に広がった、共居という言葉は、そのまま一空間で生活することを意味する. ただ、同居とは違い、性生活は徹底的に排除することが特徴であり、共居相手は異性でも同性でも構わない. ゆえに、共居族の関係は、恋人ではなく、ルームメイトの性格を思い起こさせる. “初めは、家族と離れて孤独に生活する地方大学生の間にひそかに広がり始めた. ところが、ウォンルームテル等、高級下宿村が形成されながら、部屋代と下宿費が高騰して、これを負担しにくくなり、戦略上共居する学生達がたくさん生まれました”というのが 大学生 ジョン・ウォンシクさん(26)の説明だ. もちろん、共居が同居に変わる事例もたびたび発生するけれど、こういう現象を見守る周囲の見解は“各自住む方式が違うだけだ. 正しい判断は個人にまかせなければならない”というのが大半だ.

ネチズン数が急激に増えながら、インターネットやパソコン通信を通じてルームメイトを求める 場合も 多い. ‘ルームメイト求む’という文句がめずらしくない. さる1月末、あるパソコン通信掲示板に、“私は女で、今、ルームメイトを急いで求めています. 18坪 アパートに、地下鉄の駅から5分ほど. すぐに入居できて、月30万ウォンで住める家を用意してください”という文を掲載したキム・ヘヨンさん(仮名・30). キムさんは“一人で暮らしているのですが、ちょっと前に職場を辞めました. 管理費を一人で負担するのは難しかったし、お金が必要なので、ルームメイトを求めているところです”と告白した. 彼女はまた、“身元だけ確かならば、男でも女で構いません. 慣れない人と生活してみるのも良いでしょう”こう、付け加える.

結婚を前にしたパク・サンヒさん(33)は、“婚姻届だけ出して、生活は各自別にしようかと悩んでいます. 両親をはじめとする親戚のおとなたちに早く嫁に行けとせかされるのに疲れた. だが、仕事も忙しくて, 結婚生活にしばられたくはない. 結婚しても住居を別にして、自由に暮らして、孤独になれば、その時に会うというのも良いですよ”と話す.

結婚を前にした、20, 30歳台序盤の若者達を見れば、彼らが共通して選ぶ配偶者像がある. 親しみやすくて闊逹で、友人のような夫, または妻というのがそれ. 既存の結婚相手と比べる時、非常に変わった配偶者像だ. そのため、いままで当然視されてきた異性関係や夫婦関係, あるいは結婚形式が、各人各自の個性程に多様な形態に解体または接合を試みて、持続的な核分裂を起こしている実情だ.


<パク・ウンギョン/ フリーライター>


‘世相変化’ 専門家2人の診断
契約同居-スワッピング… 家族崩壊模様


韓国社会病理研究所長であり、精神科医師のベク・サンチャン博士は、この30年間に私達の社会があまりにも急激に西欧化した傾向があると指摘する. “ところが、正しい西欧化ではなく、伝統が断絶された西欧化で、あらゆる道徳意識が揺れています. 道徳意識のまん中にあるものが、まさに性道徳です. これが混乱状態に陥りながら、婚外情事が組織的に広範囲に起きるかと思えば, 離婚率を増加させる家庭崩壊のきっかけになっている. それだけでなく、奇異な形態の夫婦または家族関係を派生させる原因として作用する.”
ベク所長はまた、“女権伸張によって、男性性が低下した反面、女性性が強化されました. そのため、男性が女性に対して一種の恐怖感と不安感を持つようになりました. 反面、女性は男性に対して無限な競争心と補償心理を持ち、男女間に異性に向ける吸引力を急激に低下させたのです”と強調する. このような一連の現象によって意識的あるいは無意識的に、結婚という枠組の下、一生を共に過ごすということが男女どちらにも心理的負担として作用するということがベク博士の指摘だ.
“契約同居, 性生活のない結婚, シンク族, スワッピング, グループセックス等、逸脱的夫婦関係をこのまま放置するなら、将来、家族崩壊は火を見るより明らかです. 社会の基本単位である家族が崩れれば、社会崩壊は時間の問題です. 結婚をめぐって最近現れた、いろいろな形態変化は、非常に憂慮するだけの事です.”

暮らしてみて結婚, 実利的側面から肯定的

反面、神経精神科 専門医 シン・スンチョル博士は、多少異なる見解で、今の現象を説明する. “伝統的家庭を構成する結婚制度は、永らく男女二人に犠牲を強要してきた. 男は家族を食べさせて生かすためにお金を稼ぐ機械に転落したとすれば、女は家事と育児に専念する家政婦や乳母に違わなかった.”
しかし、最近の若年層は‘犠牲’に甘んじることなく、束縛された枠組から抜け出し、自由を追求する傾向が強く, これは逆らえない変化だとシン博士は話す.
“枠組を抜け出し、自由を享受する反面, 未来に対する不確実性が彼らに圧迫感を与えています. そのため、結婚してから離婚をするより、あらかじめ暮らしてみてから決定しようという考えは、とりあえず実利的側面で肯定的に見ることができます. また、結婚条件で家柄や純潔などを正した過去とは違い、夫婦間の愛情を重視する若年層は、合理性を内包しています.”
ただし、同居でも、開放されたセミオープンカップル型でも、新しい結婚または男女関係形態を行なうのに先立ち、精神的に成熟した人格を整えることが優先しなければならない、とシン博士は強調する.



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