“ビョン・ガンスィ(註:韓国のいわゆる"ウタマロ"), カサノヴァもわたしの前ではうな垂れているようなものです”
2月10日土曜日午後、人々で混み合うソウル 江南 新沙洞交差点の真ん中で‘奇怪な’光景が繰り広げられた. 30台中盤の一人の男が、重い物を男根にくくりつけて道を闊歩するという事件が行われたのだ.
物議をかもした人は、3月に開封されている <唐辛子不敗>の主人公のエロ専門俳優 ジャン・バウ. 演技のみだけでなく、実際でも、ビョン・ガンスィを凌ぐと告白する彼が、江南の真ん中で服を脱いで走った理由をさらけ出した.
リュ・ミオ, キム・アルム 等、スター級のエロ女優が出演して、‘韓国版 玉宝箪(性のテクニックを教える香港映画)’と呼ばれて、製作段階から話題を集めた映画 <唐辛子不敗>. その主人公 ジャン・バウ(34)が、劣悪な製作条件によって、映画広報がうまく出来ないからと、果敢に服を脱いで路上広報にたった.
新人俳優らしい血気であるのか, 持て余す‘ガッツ’ のためであるのか. 彼は最も混み合う土曜日の午後、新沙洞交差点の映画館前を舞台に決定した. 突然行われた突発事態に、一部の市民たちは不快な一瞥を投げ, バスから見ていた何人かの男性乗客は拍手喝采を送って関心を表した. 警察の出動で、ハプニングは5分で中断になったが、この初めての光景を見ようと、しばらくこの一帯は大きな交通混雑をきたした.
ジャン・バウは、警察署で何週間程度の拘留は耐える覚悟をしながら、以前から今回のイベントを準備してきたと言う.
“俳優としてデビューした後、一日一日が楽しいです. 若い日、チンピラの世界にもからだを入れたこともあったし, 無名の運動選手もしてみたけど、今のように意欲があふれたことはありません. 巡り遭ったようです. 適性に合って, ガッツを生かす仕事をするということが、こんなに幸福なことだとは、これまで知りませんでした. 元来、ビョン・ガンスィなんかうらやましくない精力を自慢していたのですが, この1年間、<唐辛子不敗>を撮りながら、より一層強化されたのを感じています. 私が裸でストリーキングをすることになった理由は、映画を宣伝しようというのもありますが, うな垂れた世の中の多くの男たちに多様な‘精力強化技法’を紹介して、希望を与えてみたいという意味も大きいのです.”
<唐辛子不敗>のためにならば、裸足で白頭山まででも走るという、ジャン・バウ. 彼が主張する彼の女性遍歴は、まさに、ショッキングそのものだった. 成人になった後の15年間に性関係を持った女性が、何と7千名に達するという‘信じようが信じまいが’の告白も恐ろしいが, 今後は1万名を目標にしているという言葉には、映画<ナンバー 3>の‘無鉄砲精神’が自ずと連想されて、笑いが炸裂した. 絶対に一人の女性では満足できないので、三十を超えても結婚をしなかったという彼は、今後も終生独身で通したいらしい. 祖父, 父親がどちらも3人の女性と愛を交わしたというから、彼の‘ウルトラパワー’精力は、遺伝性のようだ.
“アナベル・チョンのようなポルノ俳優が、10時間で2百人を超える男たちとセックスをして話題になったことがありますね? あれも、やはり可能だと思いますので、機会があれば挑戦するつもりです. こういう記録は、男にとってはもっと難しいのですが、自信があります. <唐辛子不敗>を製作した映画社と私とには、共通の信念があります. ‘虚弱な国民は国家が願わず, 虚弱な男子は女性が願わない’ということです.”
英雄が英雄を知るように, 彼はセクシーな女性にだけ魅力を感じるという. テコンドーと合気道が、それぞれ4段に、アマチュアボクシング選手, モーターサイクル選手をしたこともある程の万能スポーツマンのジャン・バウは, しかし、セックスこそは最高のスポーツだと言う.
セックスは最高のスポーツ
彼が映画と縁を結んだのは、99年. 児役タレント カン・インボンが活動したグループ ‘小さな星家族’の、父の カン・ボンス氏がメガホンをとる、<世の中に、こういう仕事が>という作品に出演しながら、<唐辛子不敗> 監督の クォン・イルス氏に出会った. クォン監督は、映画関係者たちから、既にジャン・バウの怪力を聞いていたのだが、さて会ってみると、それ以上だったと驚きを禁じ得なかった.
“アクション映画にはアクション監督が別にあるように、エロ映画にもセックス演出専門家が必要だと考えたのです. それで、初めは、ジャン・バウ氏をスタッフとして呼びましたが. 彼の豊富なノウハウとテクニックを見て、結局、主人公としてキャスティングするしかありませんでした. 映画審議は無難に通過したが、予告篇と広報ポスターがあまりにもエログロだという理由で、何度かずつ拒絶を食らって苦労しました. 一日も早く成人専用館が作られて、各種制度的装置が後押しして、素材に制限を受けずに自立的に映画を作れる日が来ればいいですね.”(クォン・イルス 監督)
<唐辛子不敗>で、ジャン・バウが引き受けた役は、モーターサイクル選手 コ・ソグン. 名前が示唆するように、巨大な物と持って生まれた精力を持った彼は、三千宮女を愛した百済 ウィジャ王の記録を破ると気炎を吐く、多少落ち着かない人物だ. セックス中毒者のコ・ソグンが、ある日、美しい女性を前にしても勃起しない状況に陥ると、うわさで聞いていた‘強衰宝典’を探して、智異山の山奥へ向かう. そこで15種類の秘技の伝授を受けたコ・ソグンが、見事な男に生まれ変わるという、<唐辛子不敗>のシノプシスは、<玉宝箪>と <ビョン・ガンスィ>を絶妙に混ぜたようだ.
“セックスシーンに没入してみると、相手女優によっては、実際の状況になることもありますか”という質問に、彼は躊躇なしに“そうです”と答えた. 映画撮影は実際状況ではなく, スタッフたちと共にする仕事であるから、そのようなことは頻繁には起きないが、今回の作品を撮りながら、唯一、A嬢との演技では、いただいた(?)という. “もし、そのような感情が私的にもつながるか”という2番目の意地悪な質問には、それまでよどみない態度で一貫していたのにふさわしくなく、“たくさん知れば、ケガをする”と言いながら、うやむやに話を曇らせる.
“男性の強い力も必要とされるけれど、愛というも精神的満足の過程があるならば、より一層立派なセックスになるでしょう. これと同じで、あらすじが貧弱な既存のエロビデオとは違い、<唐辛子不敗>はストーリーが非常に力強いです. 腰強化法, 会陰鍛練法 等、15種類の秘法紹介には、多少誇張された内容もあるが、世界のあちらこちらで行なわれたという、根拠があるものです. 私がする最も簡単な精力増強法中の、毎日2百回ずつ座って立ち上がることを反復することを推薦したいです.”
現代版ビョン・ガンスィ ジャン・バウは、精力のために、特に保養食を食べないという. ただ、一日三度の食事を欠かさず, その時ごとにご飯2杯と肉類を必ず食べることが唯一の健康維持法だと.
“<唐辛子不敗>が、ある程度観客を集めたら、<玉紋不敗>に出演する計画です. まだ新人で、演技が容易ではありませんが、次の作品では、演技とセックスシーンがどちらも自然なように勉強しています. 遅いけれど、適性に合う職業を探すようになって、とても感謝して, 今後の韓国映画界発展にとって助けになる俳優になるように最善を尽くします. 見守って下さい.”
“一人だけ、別れた女性が気になります”
“わたしの入隊の噂を伝え聞いたようなんです. ‘来てくれてありがとう’と言うことしかできなくて、彼女を地下鉄の駅まで送った後、帰りの道で後悔しました. また地下鉄の駅に駆け戻りましたよ. でも、彼女はすでに行ってしまった後でした.”
入隊後、彼女が送ってきた手紙が契機になって、少しずつ心を文で伝え始めた. 彼女が初めてであり最後でもある面会に来た日, その日は訓練中で面会が許諾されなかったが、上司のはからいで二時間の特別面会時間が与えられた.
“土曜日に面会に来れば、1泊2日の外出ができるでしょう. 訓練中でなかったら、外泊の許可を受けたでしょうに. そうだったら、その夜に勇気を出して愛の告白もして、事(?)も繰り広げたりしなかったかなあ?(笑い)、彼女が乗ったバスのガラス窓にふっと息を吹きかけて、‘気をつけて’と書いたのが、彼女との最後でした.”
‘地下鉄が行かなければ, 訓練中でなければ…’と、惜しんでみるが、好きな人があっても、なかなか一言を言うことができず, 容易に迫ることができない自身の性格のせいのようだとさらけ出す.
彼は一人でいる時間を楽しみ、撮影がない日には、音楽を聴いて、絵を描く. ‘絵に格別な素質があるようだ’という画家の友人の勧誘で、何年か前から絵を描き始めて、昨年には友人と共に共同展示会を開いたというだけあって才覚屋だ.
最近、彼はファンたちにもう一つの魅力を伝えようと努力している. 4月10日から芸術の殿堂で幕を上げるミュージカルに出演すること. ユ・ジュンサンとしては、三回目のミュージカルだが、名前を知られた後に舞台に立つことであり、周囲はもちろん彼自身の期待も大きい.
演劇, 映画, ドラマ, ミュージカル などを行き来して、素敵な演技を披露するユ・ジュンサン. 自身の名前が知られたことより、“したい演技ができて幸せだ”という彼が、永らく視聴者たちの心をとらえることだろう.
文 ・キム・ソンジュン< フリーライター >
写真・チェ・ムンガプ 記者
記事 入力時間 : 2001.3.8
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