文・イ・ジョンファ<フリーライター>
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“5年生のその子が好きです…
顔もきれいで、服も格好良く着こなしていて…
その子を呼び出して好きだと告白しました.
私以外の他の女の子と付き合わないでと言いました.
でも、他の女の子たちがその子を好きなようなのです.
神経が休まりません.”
ソウル ソチョ小学校6学年 李某(12)さんの最大関心事であり、悩みでもあるのは‘どのようにすれば好きな男の子を確実に一人占めできるか’ということだ.
既に、異性に対する好奇心は、彼女たちにとって特別なことではない.
小学校 5, 6年程度になれば、好きなボーイフレンドの1〜2人は‘基本オプション’に入っていく.
一旦
気に入れば、迷うことなく走って行き、無条件に‘くっつく’ことが出来るという話だ.
このように、
異性との交際だけでなく、学校生活全般で積極的な女子学生たちが増加している.
これら女子学生は、進取的な意識と大胆な行動で男子学生中心の学内の雰囲気を反転させていて,
特に男女共学では女子学生のパワーが明確に現れる.
ソウル
A高等学校の場合、今年から生徒会長に女子学生の出馬が可能に
なると、直ちに女子学生が立候補して当選した.
これは、今まで女子学生の立候補に対する学校側の制限方針に女子学生たちが反対署名を繰広げために即刻なされた措置だ.
生徒会長をはじめとして、学級委員長及び役員,
各サークル長に達するまで、女子学生が持つ主導権は順次広がっているという実情だ.
“その何が異常でしょうか.
能力があって実力があれば、当然、女子学生がすることです.
学内主要‘役員’は男子学生がせねばならないという発想自体がおかしいですよ.
何故 そうでなければいけないんですか?”
この学校の 1年に在学中の朴某(16)さんは、なかなか理解することができないという表情を浮かべて,
敢えて男女を区分するべき理由があるのかと問いただした.
“小学校の状況も同じです。
私の学校も、生徒会長と副会長がどちらも女子学生なんです.
以前のように女子学生だからといって遠慮する理由がありません.
既成世代に比べて、男女平等意識が確かに位置を占めているようです.
いろいろな方面で、女子学生が浮上してきたのですが、相対的に男子学生が臆しているかのようにも見えます.
それでも、女子学生が自分の自我を持つのは、とても自然な変化だと考えています.”
仁川 ジュアン南初等学校 金ギョンヘ(29)教師は、学校生活で女子学生が自ら自己の領域を求めることに肯定的な反応だ.
家庭で娘という理由で学院(註:塾)費や課外費支出に差別をすることもなく,
独立的な人生のためには、女子も専門職を持つべきだという意識が、父兄たちの間に普遍化されているという.
“小学校の時から女子学生の成績がはるかに良い場合が多いです.
中・高等学校に進学した後にも、内申成績はずっと女子学生が上位を占めているようです.
名門大への進学率を見ても、女子学生が高い方でしょう.”
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強大な女子学生パワー
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実際に男女子学生の成績と比較してみると、女子学生の方が高い.
さる 7月29日付の中央日報によれば、今年の修学能力試験の平均点数を注意深くみても、女子学生が平均
214点で、男子学生より 2点高いことが明らかだ. 94年に修学能力試験が始まった当時、男子学生より
0.7点低い 193.7点だったことに比べて、大きく向上したと発表された.
‘強大な女子学生のパワーは、教室のなかでも例外ではない.
今年初め京畿
B高等学校で、男子学生と女子学生がちょっとした衝突を繰り広げたのは、教室での体育着着替え問題が事件の発端になったのである.
男女学生の片方が教室を使う場合、他の片方がトイレを使うことになっていたのだが,
どちらが出るかの合意がなかなかなされないので、女子学生たちが
“一度やってみようよ”と言いながら、その場で服を脱ぎだしたため、男子学生たちは教室のそとに押出されるしかなかった.’(中央日報
引用).
“討論授業でも、学級会議の時を見ると、女の子たちが活発に質問して対話を
導いていくほうです. 色々な提案も多くする.
特に、一般社会のような授業時間に女性関連のテーマなどは重要な問題であるだけに、男の子たちは発言に気を付けます.
思わぬ一言で、総すかんを食らうことや好印象を持たれたりもします.”
ソウル C高等学校 李某(17)さんは、非常に女子学生が能動的に出るため、男子学生たちが雰囲気に気兼ねしながら生活する傾向がなくはないと話す.
このように勢いのある女子学生たちは、遊び文化でも、男子学生と明確に区分される.
中・高等学校に比べて、むしろ小学校の男・女学生の差が激しい.
“男の子たちと運動場でサッカーもして一緒に遊びます.
けれども、部屋で過ごしてばかりいる頭でっかちの子供たちにはそれほど興味を感じることができません.
それより女友達同士でショッピングしたり、一緒にミュージックビデオを観て遊ぶ方がもっとおもしろいですよ.
前はジャッキー(ジャックスキス)を好きでしたが… 日本の X-JAPEN
の方が好きです. YOSHIKI, TOSHIなどがソロで独立したけど….”
ソウル C小学校 5年の 金某(11)さんは、放課後、友人たちと歩きながらファンシーショップに立ち寄り、学用品やアクセサリーを見たり,
お小遣を出し合ってプリクラ写真を撮り,
レコード店を訪れて好きな歌手のレコードを買い,
映画を見て遊びの代わりにしている. “小学校 4年以上になると、男子学生より女子学生の成長速度の方が速いですよ.
この時点から月経が始まる女子学生たちが80%を越えます.
成熟するので、考え方や遊ぶ雰囲気が違ってくるのです.
その上、異性に目覚め始めて、また同じ年頃や歳下の男の子、あるいは独身の先生を好きになる場合も多いです.
女子学生の愛情表現の方法も、贈り物や手紙を送ったり,
家を探して訪ねる等、多様です.
けれども、自分より身長も低くて勉強もできない男の子はそれと無く無視までしますよ.”
京畿パルゴク初等学校 ソン・ギョンウン(27)教師は、女子学生の場合、高学年になるほど自身の意思表現が確実になる一方、異性に対する好奇心が旺盛になるという.
何より、既存の伝統的価値,
例えば‘おとなしい’‘消極的’‘女性らしい’というイメージを全面的に否定する‘主体的で強い女性像’を憧憬する趨勢だ.
“個人差があるけれど、概して女子学生が積極的で闊逹に変わっていっていることは事実なんです.
目につく程、男女の平等意識と自我意識が強いです.
自己や行動方式も、やはり主体的で開放的に変化していているようです.”
積極的だというより、陽性的な10代少女たち,
これらの女子学生が変化する原因はどこにあるのか?
まず、子女を育てる学父兄たちの意識変化に原因を求めることができる.
近来広がっている核家族化の趨勢によって、各家庭の子女数が僅か
1〜2人に減ったうえに、家庭教育ですら男女差別がなくなっているためだ.
その上、各種マスコミを通じて、闊逹で積極的な女性像がもてはやされ、主体的な生を希望する女子学生が性別の壁を押し倒している.
男子だけの固有領域のように見なされていた分野に進出する女性たちが増加しているということだ.
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‘禁女’ 領域に挑戦する女性たち
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“90年代以後、‘禁女’の領域に挑戦する女子学生たちが多くなっています.
建築設計士, 土木技師に始まり、外航船船長,
パイロットに至るまで、不可能な仕事がないのですよ.
既存の社会が持っていた、女性という枠組を破ろうという意志が強いのです.
それで、時には意識面で急進的なこともします.”
正しい教育学父兄会
南キョンア相談員は、女子学生の意識を受け入れる場合、まだ私たちの社会全般に男女平等がなされていなくて、相当部分葛藤の素地があるという指摘だ.
高校卒業以後、社会に進出して男性中心の現実に適応できない可能性も全く排除出来ないということだ.
その上、場合によっては、思春期以後女子学生が主体性を喪失し、価値体系がひっくり返りかねないという説明だ.
“積極的で闊逹な意識は良いのですが、時々過度に先んじた意識が逸脱行為をそそのかすことがあります.
例を上げれば、飲酒, 喫煙文化がそうです.
酒を飲んでタバコを吸えば、男子学生と平等になるわけではないのですが.
また、時折、価値の基準が‘自分に利益になること’‘自分が楽しいこと’に誤って変化しながらも、意識だけは堂々としていて行動は歪む事例も多いです.
主として性問題がそうです.
対案なしで開放的に流れる傾向があります.”
ソウル D中学校 2年 崔某(14)さんは
、最近出会ったボーイフレンドが度々性関係を要求していて、悩みは並大抵でない.
“考えが複雑です.
この頃では、ミーティングをしてお互い良ければ、その日のうちに手を取合うのは基本で,
キスもして、一緒に寝る女の子たちも多いのです.
わたしもやはり、ボーイフレンドの要求がそんなに嫌なわけではないのです.
かと言って、すぐにできるかというと、なんとなく気が向かなくて….”
E高等学校 金某(18)さんは、成績が全校で10位に入る模範生だ.
他の女子学生に比べて英語の実力も飛び切り高くて、英語雄弁大会で一等をとった程だ.
もちろん、英語の実力が優秀なのは、別に課外学習を受けているためだ.
しかし、金さんの英語の課外学習に隠された‘秘密の取引’は相当な衝撃でない筈がない.
“外国人講師から無料で習っています.
どのように無料で支払うのかというと…身を粉にするのです.
先生を慰めて寝るのです. 私にとって色々な面で有益だと考えます.
純潔? それほど意に介さないです.
学校の友人たちも、ダイアリーに日別に真っ赤なシールを貼っている子が多いです.
ボーイフレンドと一緒に寝る日を表わしたものです.”
このような、金さんの事例は、10代少女たちの没価値を見せる極端な事例だと言える.
しかし、多くの社会学者が女子学生の進取的な考え方と積極的な行動様式を肯定的にとらえる見解が支配的だ.
女子学生の自我探しは‘当然で望ましい現象であると同時に当然のなりゆき’という評価だ.
むしろ、これらの変化を女子学生が強くなるとか、男性化しているという診断は決して解決法にはならない指摘だ.
教育部
南スンヒ女性政策担当官は“学校で若い女性教師たちが性差別をなくすために積極的に指導するばかりか、主体的な女性観を定着しようと努力している.
10代女子学生の変化を、健康的に引出すことができる教育プログラムを中・高教科課程に新設する計画”と、肯定的意思を表明した.
闊達な10代女子学生は既成世代の定規を拒否している.
それなら、これから主体的な声を高めていく私たちの10代少女たちが正しく成長して行くことができる社会的土壌造りが至急ではないか….
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