99年6月 女性東亜

ミスコリア大会を風刺, からかう‘反ミスコリア大会’

“身体を部位別に採点するなんて, 女が肉屋の肉だというの?”

□文/イ・ヒョンロン 記者
(註;文中にある人名で一部両親姓併記してある箇所があります)

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身長 170センチメートル 以上, バスト 35インチ, ウェスト 24インチ, ヒップ 35インチ… すらりとした彼女たちのスタイルとわたしの体つきを比較してみる. しかし、どんなに胸をはってお腹に力を入れても彼女たちのスタイルには追いつけない. 隣りにいる夫は、次々登場する若い女性たちの姿と体つきを鑑賞して点数を付けている. そうこうしたあと、私を意識したのか、じっとみつめる. 比較されているようで気分が悪い.’
なんで、夫と共にミスコリア大会の中継放送を見たのだろう? なぜか嫌な感じがした. 全く同じように見ているけれど、男は評価する立場で, 女は評価をされる立場になるためだ. 自尊心があるから、表面では“あの子の方がいいよ”などと、全く同じように楽しむふりをするけれど、心は安らかでない.

最高の美人を選ぶという、毎年全国民的な行事として開かれるミスコリア大会. ‘女性の美’とは、 目と鼻と口の比率, 乳房の大きさと高さ, お尻の厚さ, 首の太さと長さ, 脚と腕の太さと長さにあるというようにあちらこちら測るということが穏当なのか?

こういう疑問を提起する人々が集まり、ミスコリア大会を風刺する異色行事を開いた. 5月15日 フェミニスト ジャーナル イフ(IF)が‘貴方が自由であるならば、ミスコリア大会を爆破しなさい’というスローガンを掲げた‘反ミスコリア大会’. 場所のソウル・忠正路 文化日報日ホールの座席が3百なのであるが、1千余名近く集まって、既存の美人大会が美しさの画一化と女性の商品化を促進するという問題提起に共感する人々が少なくないということを見せた.

“身体を部位別に分けて採点をするとは、女が肉屋の肉ですか? 現在のミスコリア大会は女性にとってひどく侮辱的なのです.”

イフの発行人であり、反ミスコリア大会推進委員長のキム・ミンスクさん(52)は、女性が主体になって女性のからだを抑圧しない、多様な美しさを見せることが行事の目的だと紹介した. だからと言って、既存の美人大会に対する対案行事ではない. どちらにせよ、あらゆる美人大会は女性を商品化することであるため、女性界では美人大会自体に反対する. だが、多様性を尊重するという次元で、企業や団体広報レベルでする美人大会に至るまで止める考えはないという.

女性界で最も問題視しているのは、ミスコリア大会だ. ミスコリア大会は韓国日報社が主催しているのに, 一企業の行事ではなく、全国民的な行事としてなされるためだ.

“社会の木鐸(註;もくたく.世間に対し警告を発し、教え導く人)である新聞社で美人大会を主催して, 公営放送という所で生中継をしても足りなくて、前夜祭から合宿訓練の裏話まで何度も何度も見せます. これは一編のコメデイです。 わが国の女権の水準を端的に見せていますよ.”

反ミスコリア大会の企画と共に、小説<ミスコリア大会を爆破せよ!>を編集して出したキム・シン・ミョンスクさん(40)は、ドイツで2年間暮らしたことがあるが、普通のドイツの人々はミスドイツが誰なのかも知らない、女性が人間扱いを受けることができない社会であるほど美人大会が強引に行われると話した.

実際に、女権伸張しながら美人大会が力を失っていくのが世界的な趨勢だ. ミス ワールド大会では水着審査をなくして, ミス オーストラリア選抜大会は2002年からなくすことになった. 既存の美人大会が若い未婚女性だけが参加できる行事であるのと違い、反ミスコリア大会には、九歳の子供から八十歳のおばあさんまで、多様な年齢の女性たち, 車椅子に乗った障害者、果ては男性まで参加して, 踊りと歌, パフォーマンスを観客と共に楽しむ祝祭として組まれた.

ミスコリア大会に出てきた女性たちの話を歌と劇で風刺して大賞である‘アンチミスコリア賞’を受賞した、梨花女子大生 4人で構成された‘ノホズバンド’は“女性の美しさは規格化出来ない. 女性はそれ自体で十分に美しい”と受賞の所感を明らかにした.

また、自身が描いた絵を持って出てきた日本軍慰安婦 被害者 キム・スンドクおばあさんと、娘にあたえる手紙を朗読した女性障害者 キム・ジンオクさんは‘笑おう’賞を受けて, 唯一の男性出演者のソウル大生 ジョン・ハネウォンさんは女性から性の役割を変えたパフォーマンスとファッションショーで‘ひっくり返そう’賞を受けた.

大会推進委員長のキム・ミンスクさんは “今回の行事に対する関心が予想外に高くて驚いた”としながら、“ミスコリア大会があるかぎり、引続きアンチミスコリア大会を開きます”と話した.

女性の商品化を全面攻撃した本<ミスコリア大会を爆破せよ!> 作家 キム・シン・ミョンスクさんは文章を武器に女性運動をする人だ. 1996年、ドイツで生活しながら見て感じたその地の女性たちの自由な生とあまりにも対称的な韓国女性の踏み付けられた生を見せてくれる本 <悪い女が成功する>を発表し、女性界内外に‘悪い女シンドローム‘を巻き起こして, ‘父母姓 併記運動(註;韓国では女性は結婚しても姓は変わらないが、生まれた子供は夫の姓になる)’の芽を出させた.

初めての本で、“この地の女性が男性と同等な生を享受する時まで、ずっと女性問題を主題に文を書くつもりだ”とした彼女は、その約束を守り、98年には女性を抑圧する時代に生まれて芸術を挫折させられた朝鮮時代の女性詩人ホ・ナン・ソルホンの生を復元した小説 <ホ・ナン・ソルホン>を出した.

世の中で最もわからないことが、‘飛行機が空を飛ぶこと’と‘女性たちが無力に座って溜息でもつきながら暮らすこと’というキム・シン・ミョンスクさん. 彼女の女性問題に対する関心は、いよいよ‘ミスコリア大会’にまで至り、<ミスコリア大会を爆破せよ!>(図書出版イフ)という‘過激な’タイトルの本を出した. 本の発刊に合せて反ミスコリア大会も企画した.

“その間、女性界ではミスコリア大会を反対するピケデモもやり, 討論会も開きました. 主催する新聞社と中継する放送社にも話をしましたよ. でも、その度に‘不細工に生まれたおばさんたちが嫉妬している’という感じで受入れられなかったです. それで、今回は文化的次元に立ち、ショック療法を使ったわけです.”

小説<ミスコリア大会を爆破せよ!>の内容は、女性活動家たちがミスコリア大会参加者を意識化させて、審査委員たちの不正を暴き、ミスコリア側で選抜されるようにし、ミスコリア大会の本質を暴露するという内容.

‘フェミニスト武侠小説’というコピーのように愉快でおもしろい. キム・シン・ミョンスクさんは読者たちと容易に出会うためにわざわざ軽く書いたとし、読みながら本当に美しい女性は自分だけの主体性を持って個性のあるように生きていく人だということを感じてくれれば良いと言う.






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