99年10月
女性東亜
演劇<ロリータ>に全裸出演し,話題を集める女子高 2年生 イム・ミミ |
"演技なのに,問題になることでしょうか?" □文・キム・ヨンシン 記者 -------------------------------------------------------------------------- 仮に貴方の幼い娘が‘脱ぐ’役の女優として出演するならばどうだろうか. 果して、もろ手をあげて, 精一杯それに賛成できるだろうか. たぶん 最近のように‘開かれた世の中’であっても、大部分の父母にとって、これは容易ではないことだ. しかし イム・ミミさん(17・ソウルK女子高 2学年)の両親は、ちょっと異なる決定をした. “子供がしたくて, その仕事に対して真摯ならば応援するしかないですよ”とミミさんの父 イム・ゴンヨンさん(41)とキム・ファスクさん(40)はいう. ミミが出演する演劇は、9月17日から大学路で始まった <ロリータ>. あの有名なウラジミール・ナボコフの小説が原作だ. 40代の男と12歳の幼い少女との‘致命的 愛’を描いたという点, 法律上の父が娘と肉体的な愛を交わすという‘道徳的禁忌’を扱った内容で、発表当時の1950年代にとてつもない衝撃と非難を巻き起こして、出版が拒否されさえした作品だ. しかも、この演劇は4年前に<ミランダ>という作品で猥褻是非を問われて拘束までされたムン・シンク氏が演出を担当した. ミミは、<ロリータ>で、二度、約2分余ずつ全裸の姿を見せる. -------------------------------------------------------------------------- 小学生の時、父母にねだって演技学院通い -------------------------------------------------------------------------- “父母だからといって、子供に無条件に強要できませんよ. 悪いことをすれば、むちを 入るにせよ DDEDUMALLIKESSJIMAN, これも 厳格に 仕事がと 作品がJANHSEBNIKKA. 演技力を発揮し、他の出演者たちと思い通りに調和をとることで, マスコミに悪く見られないかという心配が先んじるだけです”. 父 イムさんの話だ。 お母さん キムさんは “ミミが非常に熱心なようなので止めることも出来ない”という. “ママが座っていると集中ができないからと、練習場の中にも入れません. 明け方まで練習が遅くなったりすると、出迎えに出るのに, その時も車のなかで待っていますよ.” ミミの‘気’と情熱は早くから現れた. 小学校4年だったある日, 幼いミミは演技学院に行きたいと両親にせがみ始めた. 幼い時からおとなの前で踊ったり歌ったりするのが好きで、芸能人になるという話を口癖のようにしてきたのであった. “あまり度が過ぎるから、試験に合格したら行かせてやろうという条件を出したら見事に合格したのです. まぐれでしょうかねえ. 約束通り、学院に行かせることにしました”. 畜産物仲買人の父 イムさんは、この大きな転機を思い出して笑みを浮かべた. “わたしとしても、とてもまじめに通っているのが殊勝ですね.” 両親が新体操選手にしようと考えたほどミミは運動神経も良かった. 水上スキ―、剣道等、できない運動がない程で, 合気道は3段の水準. “万能になろうとするのなら、なんでもしてみるべきだ”というミミの主張に、お母さんは明け方から娘と共にプールに通わなければならなかった. “私は好きでするだけ、しかも母親の私には苦労ではありません. もし押し付けていたら、子供もそれほどまでにはできなかったでしょう. このように、自ら探してきて、難しいと弱音を吐かないのは、頼もしいですね”と、キムさんは笑った. おませな外貌と闊逹な性格のミミは、すぐに目を引いて、いろいろなキャスティングを受けるようになる. 朝のドラマ <31歳の反乱>, KBS <クイズで学ぼう> プログラムに固定出演して, テギョ放送の<わかりやすい国語>と斗山放送<ミミの論理旅行>MCを 6ケ月間任されたりした. オリオン, 農心, サンバンウル, ボリョンヤングク, 忠南紡織などのCFにも出演した. 最近では、ドラマ<王と雨>で後宮役で出演した. 中学校 3学年だった97年, ビングレ サイバーモデルコンテストで金賞を受けると、両親はミミに勉強もあるので少しの間活動を中断するのが良いのではないかと薦めた. だが、ミミの勢いをそぐことはできなかった. 大学 演劇映画課を志望しながら、演芸活動と勉強を併行するという意思を表示した. 父 イムさんは、ミミが最近稽古のために授業を減らしたにもかかわらず、模擬試験で全体70位以内に入る成績を挙げたと、娘の自慢をした. “演劇の稽古をしていて、夜明けにまでなった時は、ほとんど寝ないまま学校に行ったこともあります. 大事な仕事がなければ、正常授業を受けて, 特に、午前の授業は正常に聞くのを原則とします. はっきりとしていないのですが、親の気持ちをわかってくれているか・・・、でも,今のところはきちんとしています.” 学校の話が出てくると、イムさんはまた若干心配な表情になった. 演劇出演, それも全裸場面がある作品に出ることをミミの学校は反対する立場であるためだ. 父 イムさんが直接出ていって、なんども学校側を説得することも試みたが、無駄だったし, 娘 ミミは“転校でも自主退学でも辞さない”という姿勢なので父は精神的苦労が激しい. -------------------------------------------------------------------------- 猥褻作品 <ミランダ>と比較されたくない -------------------------------------------------------------------------- “この作品が<ミランダ>と同様、度々新聞に言及されるのが残念です. 製作陣にとってはどんなことでも広告になるのでかまわないのかもしれないけれど, 私は嫌いですよ. ミミは、以前、下着の広告申し入れが入ってもしなかった子です. それで、この作品出演を決定した経緯のことが気になります. 以前に映画<花びら>主役候補に上がったのですが、あまりにも幼かったので取り消され, 映画<静かな家族>でも同じことがありました. なにか、ひとつの契機を作ろうと考えて始めた事のような気がします.” ![]() なかなか表情を解くことができない夫を見かねて、キムさんは“ミミは、自分が女優になれば、パパもコメディアンにならなければならないと、いつも言っています. 家ではとてもおもしろい子なんですよ. 歌も上手で…. 私は全然そのような才能がないのに”と、暗にほのめかした. ミミはたぶん父に似たようだ. 父 イムさんも“若い時、きっかけがあれば、私も俳優になっただろう”と若干はぶっきらぼうながらも、率直な返事をしてくれた. “お父さんは積極的なほうですよ. 友人たちはあんたたち夫婦だからうまくいったけど、他の親たちならば到底望めないと言っています. 突然、‘たいした父母だ’という話を多く聞くようになりました. とにかく、結果が重要でしょう”とキムさんは話した. 演出者のムン・シング氏は“ミミの出演にあたって、ご両親の葛藤がないわけがなかったでしょう. 露出する場面があって, 原作自体が論議沸騰があったものであるから…. だが、<ロリータ>が名作で、誰でも一度くらいは公演に挑戦してみたい作品だというのも明らかなことです. 演技によく昇華させるならば、これより良い機会があるでしょうか”と反問する. <ロリータ>役を引き受ける女優を指名する過程で、ムン氏は当初から既成の演技者を排除する考えだったという. 配役に近い人物を使わなければならないという原則に, 観客と近い距離で向かい合う小劇場公演で、扮装だけでは年齢をごまかすのが難しいという判断のためだった. それで、いろいろな人をオーディションするうちに、演技力や意欲面で突出していたイム・ミミを起用するようになったという説明だ. 公演に先立ち、記者たちと持った簡単なインタビューで、ミミは明るくて闊逹な姿ではきはきと質問に答えた. “あらゆるジャンルがみなおもしろいけれど, 演劇はTVのように場面が途絶えないで続くのがよりおもしろくて, 演技力を育てるにも良いようです”とおとなっぽく話したりした. 演劇<ロリータ>についても、“ロリータという子供に私がはまり込んでしまったようです. 演技者として始めたことなのですが、途中で放棄することはできませんよ”と、念入りに釘をさしたりもした. “監督(演出者)がやせろと言ったのですが…”と言いながら、いたずらっぽく笑うミミの姿には、やはり年齢を欺けない子供らしさがある. だが、ミミは“友人たちも激励してくれます. 今後、‘スター’よりは‘真の演技者’になりたいです. 皆にこう話したのに(笑い)、わたしの本心なんです”と顔色を正した. 開幕前の試演会で、ミミは<ロリータ>演技に最善を尽くしていた. 例の‘脱ぐ演技’も驚く程果敢にやってのけた. むしろ、軽薄な好奇心を感じていた成人観客たちが恥じ入る程だった. だが、演劇自体を見て、私の感じはちょっと辛かった. 演劇には初めて出演するミミの台詞まわしがかた苦しいとか, 演技力が未熟な点は、ある程度予見できたところであり、目をつぶることができる水準だった. だが、一緒に出演した成人俳優たちの粗雑な演技, あまり頻繁な暗転と、滑らかでない展開, 演劇後半部の不必要なオーバーアクション等は、不満というよりも疲労を感じる程だった. <ロリータ>で遠回しに、現在の韓国の‘援助交際’を批判しようという試みも、それほど強いメッセージを投げることができなかった. 運命的で激情的であり、魔術的な愛を描いた原作の完成度を再現しようとするなら、いろいろな面で補完されるべき点が多い演劇だった. Copyright(c) 1999 All rights Reserved. E-mail: newsroom@donga.com
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