98年1月号 女性東亜
“妻帯者の73%が
妻以外の女性と寝たことがある” 男は、いつ・何故・浮気をするのか |
最近発表された‘韓国男性の性生活報告書’によれば、妻帯者の73%が妻以外の女性と寝床を共にしたことがあるという. “世の中の男がみな浮気の風を吹かしているとしても、わたしの夫は別だ”と考える妻たちには衝撃的な事実でない筈がない. 男は、いつ・何故・浮気をするか… 妻も一度は考えてみる問題だ. 文・崔フィジョン…フリーライター… すらりとした外貌に清清しいマナーで職場内の女子職員に人気が高いユ・ヒョンモ氏(仮名・39). 彼は 自らも “多分に(浮気の)風がある”と話す程に女を好む. 結婚前にも多くの女性たちと艶聞をばら撒き、そのうちの最も愛していると考えた女性と結婚をした. だが、結婚後にも女性を好む彼の根性はなくならなかった. 自身に好感を持つ女性たちとはもちろん、酒場の女性とも寝床を共にすることが頻繁だ. また、最近は、6ケ月以上‘関係’を 持続して維持する恋人も生まれた. “妻は元来からだが弱い.結婚前はかよわくてほっそりした体つきが魅力的だったが,からだが弱いのだと思うと、欲求を満たせないのです. そうして自然に他の女性に目を向けるようになったようです.” だが、彼の浮気が彼ら夫婦間で一回も問題になったことはない. 他の女性と寝床を共にしながらも、外泊は絶対しないという点と、妻と子供だけへは極めてキメ細かく気遣うために、妻は彼を全く疑わないという. 韓国成人男子の性を本格的に調べた‘韓国版キンゼイ報告書’が出た. 泌尿器科専門医の李允洙博士が、最近 ソウルに住む成人男子2千1百34名を対象にアンケート調査した、この報告書は‘韓国男子性生活の現住所’という程、性の断面をよくあらわしている. この報告書によれば、既婚男子の90%が妻以外の女性とセックスをしたい欲求を感じると答えたし、このうち73%に該当する男子は実際に浮気をした経験があると応答した. 妻以外の女性とセックスをする年齢は、主に30代序盤から徐々に始まり、40〜50代に最高に達して,60代にも浮気をする男性が少なくないことが明らかになった. 李允洙博士は、これは歳を取るにしたがい、妻に感じる性的魅力を失くしていきながら、他の女性に性的関心を持つことだと解釈する. また、社会的にも家庭的にも安定した男性であるほど浮気率が高いという. 社会的経済的に安定している男性であるほど浮気率が高く、このように多くの男性が妻以外の女性とセックスをしているが,妻は妻帯者の浮気を皆ひとの家のことのように感じる傾向がある. ‘世の中のあらゆる夫が浮気の風を吹かせても、自分の夫だけは絶対に違う’と考えるのだ. だが、そのように信じていた夫がこっそりと浮気をしたという事実を知って激しい背信感を感じる妻もまた多い. 金ウンスンさん(仮名・38)もそのひとりだ. 彼ら夫婦は困難な生活を始め、7〜8年間をひどく苦労しながら働き倹約して、いまはある程度の財産を築いた状態だ. 問題は、そのように着実だった夫が、手にお金を掴んでクルマを乗り回すようになり、異なる女性と交わったことである. この事実を金さんが知ると、夫は整理をすると言ったが、その顔を見るとまだずっと会うような表情であった. そして、しばらく時間が過ぎると、夫は“自分が今まで家庭のために生きてきたのに,それしきのことがなんだというんだ?. 君だけそのままでいればなんの問題もない”と言いながら、露骨に浮気をし始めた. “くやしいながらも、ときおり‘わたしに何か誤ちがあっただろうか?’とも考えます. だが、これまでの歳月にまともな服の一着も着ずに倹約して財産を作ったのに、今になって夫に田舎くさいとか,お金にばかり執着すると言われれば息が詰まります.” 金さんは、そのように信じた夫が浮気をしているのに、もうどうにでもなれ、と何もできない自分を今は嘆くしかないという. 中小企業重役の夫と勉学優秀な子供たちを持ち、他人を羨む必要もなく生きているチョン・ファギョンさん(仮名・40才) やはり夫の浮気に胸をこがしている. 近頃は夫が出勤する時、鏡をちらりと見ても神経が逆立つ. 昨年末、夫が“酒場の女性と一ヶ月間会っていた. 今はもう整理した”と告白した後、夫の行動一つ一つが普通のこととして見ることができなくなった. “わたしの夫だけは浮気をしないと固く信じていた. だまされたという背信感も大きいけれど、その一ケ月間私が全く気づかないようにあまりにたくみに行われていたので、いまだに実感がありません.” チョンさんは、夫がそのように浮気ができるならば、今後も自分が気づかない間にしないとも限らないと不安に思っている. 夫たちは、何故妻以外の女性に向かうのか? 精神科専門医 朴キョンファ博士は、夫たちが他の女性とセックスをして浮気をすることは、自分の存在に対して絶えず確認を受けたい欲求のためだと断定する. “男性は浮気をすることによって、自身が性的に能力があると考える傾向があります. さらに、多くの女性から愛を受けたいという欲求を充足させるために浮気をするのです.” 大学街でビヤホールを経営するシン・ギュンス氏(仮名・33)の女性遍歴は華麗だ. 高等学校の時期から売春街をのぞき始めて、大学では終始多くの女性先後輩と交際をしたことはもちろんで,結婚以降にも絶えず女性問題で家庭不和を産んだ. だが、彼の浮気の風はなかなかおさまらない. “最近はちょっと幼い女性と交わっています. 私の店でアルバイトをしているのだが、いい子で、私をとても慕ってくれるよ. ある日, 私を愛しているというので寝床を共にしました. 特別な問題はないと思います. 私が妻帯者ということは明らかに知っていて始めたことですから. 共に寝たからと離婚を要求することもなく…特別な負担なしで会っています.” 妻との寝床でのセックストラブルがあったり、特別な快感を感じたい男性であるほど、浮気をする比率も高いようだ. 李允洙博士は、今回のアンケート調査でも、そのような傾向が表れたと指摘する. “夫の浮気は、妻の性的魅力によってもかなり左右されることがわかります. 妻が性的に魅力があれば、それだけ妻とのセックスが楽しいけれど、そうでない場合には、大部分の夫たちが他の女性から性的満足を得ようとする傾向があります.” 某グループ 電子パート営業社員のク・ヒョンス氏(仮名・34). 結婚して3年にしかならないけれど、妻との寝床がおもしろくないらしい. “妻とのセックスはおもしろくないですよ. 弾力などとは全く程遠いぶよぶよした体つきをして、生活にやつれた姿を見れば、性欲も落ちます. 時々妻の方からセックスを要求する時もあるが,その時はやむをえず‘礼儀上’関係を持ちます. 疲れていれば、それも厭います. 妻より若くてぴちぴちした女性が周りに多いのに、そちらに関心が向かうのは当然なことではないですか?” このように妻とのセックストラブルで多くの夫たちが自分の浮気を正当化し、また、社会の全般的な雰囲気も夫の浮気には寛大なほうだ. だが、こういう雰囲気の中で傷つくのは妻たちだ. 妊娠と出産で丸くなった体つき、そして一銭でもより多く集めるために外貌をかまうことをあきらめたが、結局自身に返ってくるのは“おもしろくなくて,これ以上魅力がない”という冷たい話だけである. 徐ヨンヒさん(仮名・32)は結婚生活に危機を感じて、産婦人科を訪ねた. 徐さんは、一つ屋根の下に住みながらも、夫とは半年以上部屋を別にする状態であった. “夫を愛しているけれど、夫はなぜか外での浮気が多いのです.私は次第に関心外の女性になり、いつからか夫婦関係がなくなりました.” 大学の時に会い、新婚の時まで熱烈に愛しあった彼ら夫婦の関係が弱まり始めたのは、最初の子供を産んでから. 自然分娩をしたのに子供が4kgもあり分娩する時苦労をして、この時膣筋肉の収縮力も相当落ちた. それで、夫の心を変えてみようという考えで、いわゆる‘再生手術’を受けようと産婦人科のドアをたたいたのである. 女性は、分娩や疾病,閉経などで、いろいろな身体変化を体験する. 徐さんの場合のように、膣筋肉の収縮力が落ちる事もあり、そうでなくとも突然に増えた体重によって、からだが以前のように健康でなくなることもある. ところが、こういうことを知らずに夫たちはセックスにおいて、いつも満足する結果を期待する. そして、満足でないと見なされれば、浮気を考える. セックスの満足の他に、心の慰めを得るために浮気をする場合もある. 総じて妻たちは、夫が浮気をすることを知ると、全く予想できなかったと狼狽する. “私たち夫婦の間には、夫が浮気をする理由が全くない”ということである. だが、夫婦間の壁は生活の中で少しずつ積まれて作られる.夫は、結婚してから小言だけ増える妻,生活費が 足りないと不平ばかり言う妻を見れば、なにもかもだいなしだと話す. “妻の関心はひたすらお金だけです. 私がどれだけ稼ぐか、そのお金で何をするか以外には皆目関心がないのですよ. 会社の仕事に疲れて家に帰ってきて休もうとしても、何でそんなに不満が多いのか、愚痴ばかり言います. 実は、やはりネズミの尻尾ほどの月給でも充実した生活をさせる妻を見れば、苦労させているようで申し訳ない時も多いです. だが、妻がわたしの話は聞こうとせずに、頑として自分の話だけをまくしたてられたら本当にうんざりです.” カフェで会った離婚女性と深い関係を結んでいると率直にさらけ出す許ジュヨン(仮名・35)氏は、自身を弟のようによく取り纒めてくれる女の温もりに心が引かれたという. それほど飛び抜けた外貌でもなく、たいした見識を持っているわけでもなかったが、他人の話をよく聞いてくれて、安らかにしてくれるということだ. はじめのうちは、妻に積まされたストレスを和らげるのに会ったが、会って2ケ月目に寝床を共にして事情が変わった. 今は、その女性なしでは生きられないようだという. “妻に対する愛とは違うのです. だが、この女性と寝てみると、まず感じから違いました. 妻とのセックスには緊張感がなくて、事実、義務的にした時がたくさんありました. しかし、この女性とセックスをする時は、われ知らずぴんと緊張して良いのです.” 劣等感を浮気で和らげる男が意外に多い一方、妻との心理的葛藤も浮気の原因になる. 新婚時から妻に経済的に無能力者と決め付けられて臆していたり、劣等な生まれやで萎縮感を感じている夫たちは、意外に浮気という方法で彼らの自尊心を回復しようとする. 精神科専門医 朴キョンファ博士は、劣等感を浮気で和らげる心理をこのように診断する. “外ではどんな取扱いを受けても、妻の前でだけは堂々としていたいのが男性の心理です. 妻に劣等感や心理的萎縮感を感じる 男性たちの場合、総じて浮気を通じて男としての正体と実体性を求めようという傾向があります. 浮気を通じて一旦は女性に対して優越感を感じると同時に、劣等感を解消できるわけですよ.” 小学校3年の娘を持っている尹サンフン氏(仮名・39)は、11年間の結婚生活が不幸だったとためらいなく話す. 家庭という垣根はあるけれど、夫婦がばらばらだという. 夫婦が寝床を共にしなくなって2年を 超えたという. 尹氏は結婚後からずっと妻の冷遇と小言に苦しめられなければならなかった. それというのも、この苦しい暮しの初めに彼は弟たちの学費で毎月50万ウォンずつ家に仕送りしなければならなく,新婚生活も借用権ではなく月払いで厳しく始まったためだ. “妻は、私が貧しい家の長男であることに非常に不満が多かったのですよ. 暇があれば、自分の運命を嘆き、でなければ、ぼくの行動一つ一つに神経質に干渉します. また、生活費が足りなくなれば、実家にまっすぐ走って行ってお金を借りてくるので,本当に男の体面がまるつぶれですよ.” 彼ら夫婦は、非常に仲が冷やかなように寝床も円満ではなかった. 妻と喧嘩をすれば、寝床に共に就くこともいやなのだ. なぜかセックスをしようとしても、勃起しなかったり、すぐ射精をしてしまったりした. それで、‘もしかしたら勃起不全’ではないかと、それと無く悩みもしたが、ある日売春婦と寝た後、彼は新しい事実を悟った. 完壁に勃起することはないけれど、そのように関係を持つことができる程度には勃起したことだ. “男として情けないと思っていた. ところが、お金を与えた新しい女とはできたのです.妻とは常時臆して、まともにできないのに,そちらの女性に対しては臆する必要がないのです. お金さえ与えれば、好きにできたし性的に十分に興奮しました.” この時から尹氏は頻繁に女性を買ったりした. 大部分が遊興業所にいる女性たちだが、自分が男として認められているようで、浮気をすることが楽しいらしい. こういう事例を通じてわかるように、男の浮気は30代から45才頃までが最も旺盛だ. 浮気の対象は、偶然に出会った女性や遊興業所の女性と一夜のセックスを交わすことが大部分だが、本物の感情が動いて、恋人のように会う場合もたびたびある. 多くの男性たちが、結婚生活でも妻に対してこれ以上新しいことがなくて、仕事以外には情熱を注ぐ所もないという空虚感を浮気という方法でなだめているかもしれない. 理由はとにかく、浮気にはどんな方法にも結末があるようになっている. そして、少なくとも遊興業所の女性と一夜を共に送る程度ではなく、恋人関係のように持続的な関係ならば、周囲の目を避けることも難しく、何より妻の直感から抜け出すのは難しい. 妻と家庭を選択するか、でなければ、新しい恋人を選択するか、それは浮気をした男性の役割である. -------------------------------------------------------------------------- “夫婦間に共同の関心事が多ければ風はおきない” 李允洙…韓国誠意学園・泌尿器科 専門医… 男性は総じて愛に対して二重の定規を持っている. デートの相手は身体条件が飛び抜けて、性的にも満足させることができる対象を探すけれど、結婚相手は家庭で充実できる女性を選択することだ. こういう基準は、結婚以後にもそんなに大きくは変わらなくて、セクシーな女性を見れば、一度は寝たい欲求を感じる. また、妻ではない他の女性から自身の男性的能力を認められようとする指向もあって、機会があれば一回くらいは浮気をするという男性も多い. 浮気をすることによって、妻によりよく接することができると考える人もあるが、それは終生を一緒に暮らす妻に完壁な男性だと見られることを希望する優越感から出てきた発想だ. 結婚生活とは、お互いの不満と弱点までもさらして暮らすことなのであるが、妻に一方的に犠牲だけ強要するというのはそんなに正しい考えではない. また、いつ別れても関係ない恋人でも、あるいは遊興業所で会った女性に自身のストレスを吐き出すために性欲を満たすことも、健康な自我を持った人が夢中になる行動ではない. 夫の浮気を防止しようとするなら、まず夫婦が共通の関心事を持つことが良い. 相手がすることに関心を持って聞き入れてくれることは、夫婦間の葛藤をなくして、愛情をより一層厚くする. そして‘今はわたしの人’そう考えてお互いいいかげんに対するのではなく、新婚時と同じ緊張感を感じて暮らすことが浮気をすこしでも防止する道だ. |