□文・ジョン・ジヨン 記者 □写真・チェ・ムンガプ 記者
ホームページをクリックすると、水がフラッシュする音が‘シャアアア〜〜’と、流れ出る.
そして、一生懸命に"仕事"をしている女の姿が見える.
その下に書かれている文句は、‘モザイク処理をしてください’.
訪問者は‘あなたは用を足す時、ご飯を食べる手を使用する?
でなければ、他の手を使用する?’
‘あなたは用を足した後、使った道具(トイレットペーパーまたは指)を、目で確認しますか?’などのなじみがうすいアンケート調査にも参加しなければならない.
カン・ウンギョンの ‘便泌退治所’.
知っている人は知っているネチズン強力推薦サイト.
非常に多様な便泌関連常識と、セルフテスト,
治療方法まで網羅されていて、大抵の肛門専門クリニックサイトはかたなしだ.
それのみか. トイレと関連した各種写真とイメージ,
イラストとサウンド, スクリーンセーバーを集めて、中国,
フランス,
シンガポール等、世界のトイレ文化についても詳細に紹介している.
便泌を主題に、腹を抱えて大笑いするように作る糞便関連ユーモアも大人気だ.
まさに、‘トイレ博物館’を彷彿とさせる.
なぜ、わざわざ汚ない糞で、便泌で、トイレなのか.
これについて、運営者のカン・ウンギョンさん(26)は次のように話す.
“仏教では、トイレを解憂所といいますが,
私はその言葉がすごく好きなんです. 憂いを解く所. 原初的なこと(?)が解決されれば、世の中、万事憂いがなくなるということは、普段のわたしの信条でもあります.
事実、トイレほど、安らかで隠密な空間がありません.
そして、トイレと糞便は、ある意味で共生関係です.
私は、便泌退治所を香わしいトイレとして作りたいのです.
事実、便泌から実質的に勝ち抜く所は、病院ではなくトイレでありますから.
自分自身との熾烈な戦場とでも言いましょうか.”
カンさん本人は、‘一日に一度ずつ押し出す一本’が難しくないけれど、周辺の友人たちの苦労は十分知っていた.
二十日間、一度もトイレに行くことができなくて、顔が黄色くなった友人もいた.
‘香わしい(?)
トイレによく立ち寄っていく’という称賛殺到
“サイト運営をしているので、ある方は,
便泌のために気絶までしたと思っているようです.
それにしても、私たち女性は、恥ずかしいために、
便泌や痔のような肛門関連疾患に対しては隠そうとするでしょう.
それで、いっそのこと、あけっぴろげな場を用意したのです.”
反応は爆発的だった. サイトを訪問した人々ごとに、‘香わしい(?)
トイレによく立ち寄っていきます’という称賛が殺到して、検索エンジンエムパスでは協力推薦サイトとして選抜された.
おかげで、彼女は、自他公認の‘便泌退治士’になった.
カンさんの、トイレに対する愛情を覗ける、最も照会率が高いコーナーは‘ジャンシリ’.
先述のスクリーンセーバーやイメージ,
ユーモアなどが集まっている所だ.
‘ジャンシリ’という言葉は、彼女が作りだした造語だ. ‘トイレ(註:韓国語で「化粧室」は、ファジャンシル)’という言葉を使うことを恥ずかしがる友人のために、発音の初めを取って‘(化)粧室が(註:ファジャンシリ)’‘ジャンシリ’と、作ったという.
実は、カン・ウンギョンさんの本職は、ウェブデザイナーだ.
英文科卒業生にしては特異な進路選択だが、中学生の時から奇抜な絵を収集して,
頭越しに習ったマッキントッシュで絵を描くことを覚えた点を考えれば、予定の進路だと見ても支障ないだろう.
経歴も手強い. ハイテルショッピングモール ‘NEOゲート’
ホームページ, 南大門市場ホームページ,
大統領府プレゼンテーション, 大清ダム 案内システム,
新韓キャピタルサイト, 亜洲大サイト
等、数多くのウェブデザイン作業に参加した.
さる2月からは、梨花女子大情報通信研究所に入社し、7月にオープンする女性ポータルサイト構築作業で、徹夜の日々だ.
カンさんが‘便泌退治所’を作ったのは、とても偶然な契機だった.
梨花女子大情報科学通信大学院のホームページ競演大会広告を見て、なにを作ろうか?
と、考えていて、トイレを思い起こしたという. 情報も与えて,
人々の興味も引き付けるアイテムとしては‘トイレ’ほどのものはないというのが、彼女の判断だった.
サイトを運営するために、各種情報を集め始めた. ところが、‘toilet’という単語で検索をしたところ、10件中8件はエロサイトだったという.
赤面をこらえて、こまめに資料を集めて整理した.
現在、人気を呼んでいるイメージやイラストは、普段集めておいた資料が大部分だ.
“私には蒐集癖があります.
高等学校の時期にも、友人にカードを作って送る前に、いつも写真を撮って保管できるようにしていました.
送ってしまえば、そのカードをまた見る可能性はないわけです.
惜しくてならないんです.
そして、普段、インターネットサイトを回っている途中で、面白いイメージがあれば、ダウンロードしてホルダーに収めておくこともしています.
そのホルダー名がfunなんです.”
旅行地でもらった領収書一枚でも、そのまま放置できない.
紙に可愛く貼り付けて、色ペンで記録して、整理して、一つの作品として作って、やっと気がすむ程.
そのようにして、一週間かけて作ったサイトのホームページ競振大会結果は、奨励賞だった.
‘便泌退治所’が有名になりながら慌てたことも多い.
キムチ飲料を特許出願したという事業者の同業提案もそのひとつだ.
‘キムチ飲料は便泌に特効だ.
私が訪れる良いサイトであるとか、私たちは同業しよう’という提案を固く拒むことはしたが,
それほど大衆的なサイトになったという点で微笑ましかったという.
それのみか,
フランスへ移民に行った知人は、インターネットでこのホームページを見て、二人の娘が用便を見ている写真を撮ってメールを送ってきた.
‘便泌退治士’は本当はないものの、そのような呼称があってもいいかもしれない,という、自称‘トイレ専門家’という女性の電話も受けた.
ホームページに掲載した写真を見て‘男ではないようですね’と、交際しよう、という男性ファンの電話を受けたことも面白かった記憶だ.
もちろん、会わなかったが、彼らのなかの何人かとは、今でもe-mailを通じて連絡をやりとりしている.
その中でも、LAのニューヨーク韓国人放送のある関係者が、とても良いアイテムを得たと、知らせてくれた米国の‘トイレ博物館’資料写真は、とても興味深かったという.
“事実、面白がって始めたのに、非常に多くの方達が見てくれて、今では重大な責任感さえ感じます.
特に、便泌関連相談メールを受けてみると、とても切実なんですよ.
専門医が応対して、その方たちから実際的に助けになる情報を個別的に提供する考えも持っています.
また、‘トイレが素敵なカフェシリーズ’式で、テーマで連載する計画もあって….”
‘便泌退治所’のために、カンさんの友人たちも、今は旅行に行けば、トイレの写真を撮ってくる.
何といっても、新聞や雑誌で便泌関連資料を見つけ次第コピーしてスクラップしてくれる両親は最も大きな後援者だ.
女性ポータルサイト作業が終わったら、当分は仕事を忘れて旅行に行ってみたいというカン・ウンギョンさん.
ヨーロッパ リュックサック旅行を本格的に考えている.
元来、旅行をする時はできるだけ多くのことを見て、記録して、写真で資料を集めてきた彼女だが、今回の旅行はより肩の荷が重い.
‘トイレというトイレはみな見るべきだ’という責任感があるためだ.
話を聞いていて‘便泌退治士’の彼女の排便習慣が気になった.
“ティッシュタイプの紙は不安なので、ロールペーパーの芯に指を入れて持って、Vサインを出しながらトイレへ行きます.”
明るい返事だ. やはり‘便泌退治士’らしい.
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