97年10月5日
SPORTS
SEOUL
加茂更迭 日本の表情,以後の日本の展望 |
"戦争中に指揮官を変えるなどということをしますか?" 4日アルマータで開かれたワールドカップ最終予選カザフスタン-日本戦が開く前までの日本サッカー協会長沼会長のこの言葉は監督交替の声が高い中にもある程度力がこめられていた.しかし、韓国戦逆転惨敗に続き、カザフスタン戦でも1-0のリ―ドを守りきれずに、終盤の同点ゴールを許容,繰り返すパターンに結局は監督更迭というショック療法が現実味を帯びてきたわけだ. 協会首脳陣としては、一旦悪夢のような流れを遮断する必要もあった. しかし、問題が完全に解消するとも思えない.終盤まで粘れない日本代表選手の体力も問題だし、93年ドーハの悲劇を乗り越えて98年フランス大会に行こうという強靭な意志があるかを疑問視する関係者も少なくない. その上、加茂監督の下から繰り上がった新任岡田監督が采配をふるっても、今の代表チームシステムが新しく変わったり試合運営に大幅なメスを入れることも簡単ではないことが予想される.監督更迭は代表チームにショック療法として作用することができるが、逆にチームが瓦解する逆効果を憂慮する声も用心深く出てきている. "まずウズベキスタン戦に全力を尽くして以後は白紙状態"という新任岡田監督の話のように、日本代表チームが行くべき視野も、あたかも霧に包まれているかの様にかすんでいる. "ドーハの教訓を生かすことができずにいる.最後を守ることができなければ、また同じことを繰り返してしまう"という主将井原の話は、深刻な境地に達した日本代表チームの現状をそのまま代弁している. 名古屋=カン・シンムン特派員 |