中日 李相薫が2軍墜落の危機に追い込まれた.大学の後輩・趙ソンミンの面前で乱打される侮辱を受けた結果だ.大学の先輩の宣銅烈としては慰めたい心境だ.兄のように李相薫のピッチングを見守って、聞かせた話は、血と肉になるとても暖かい助言だ.これを紹介する.
一方は勝利の祝杯を上げ、また一方では苦杯をなめる敗者の姿は
、勝負の世界では当然の事.しかし、李相薫はすぐに失望して挫折することはない.趙ソンミンも1年半を2軍で飯を食べて私も2軍を経験した.
李相薫をひとり招いて酒の一杯も薦めて慰めるのも良いが、いまはどんな話をしても耳を傾けるのが難しく、また、まだ受け入れられる時期でもない.一番憤怒で胸を痛めているのは当事者だ,そのまま放っておくことが最上だ.
李相薫はマウンドに上がる前、既にひどく緊張していた.下半身を利用して投げるべきだが、すっかり上体でだけのピッチングをした.たぶん、投げている自分自身も全く気づいていないか、ひょっとして知っていても実際にからだが従わないのだろう.私がそれを悟るのに
1年余りの時間がかかった.韓国の時より、もっとよく投げるべきだという意志が結果的に追い込んで、硬くさせる.
敢えてストライクゾーンに入れてボールカウントを稼ごうとせず、逆にゾーンに近い微妙なボールで悪いスイングを誘うピッチングをからだに覚えさせるべきだ.ボールとストライクが歴然と区別できる球は、選球眼の良い日本の打者のバットを搖之不動(註:ようじふどう・外からの力では動かせないこと)にするだけだ.だが、話と実戦のピッチングは違うので、自ら悟るべきことだ.
李相薫の1軍実戦登板は、多少早い感があった.ひょっとして2軍に行くことになっても、一生懸命に練習して体得し、勝ち取るべきだ.他の者は誰も支援することができない.日本で日本野球をする以上、白紙から出発しようという覚悟で硬く立ち上がることを願う.
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