98年5月27日SPORTS SEOUL

日本の中の韓国野球(下)-星条旗はかまわなくて太極旗はだめだが


中日・李ジョンボムが日本進出以来、初めて 2試合連続ホームランを飛ばした、さる22日東京 神宮球場.3塁側外野スタンドで太極旗が翻った.昨年、宣銅烈の活躍時にも、野球場で見られなかった太極旗であった.

李ジョンボムが打席に立つ時ごとに揺れた太極旗は、試合後にも居る間もなく消えた.二人の子供と一緒に来た僑胞(註:海外在住韓国人)と見える人たちが激励するかのように太極旗を振ると、周囲の日本応援団から怒号が飛び、無理矢理制止されて太極旗をしまわされたのだった.アメリカ人選手が出場すれば、星条旗は誇らしく球団応援席で翻るのだが.

プレーを上手にやることは良いが、それが韓国人だという事実が公に表れることだけは嫌だという普遍的な日本人の姿だ.趙ソンミンがどんなに上手にやっても、読売の応援席では太極旗が翻えないだろう.

日本野球中の多くの韓国系活躍像を国内に紹介すれば、喜ばしいニュースとして国内ファン達を 喜ばせられるが、逆に、該当選手には選手生命を切られる致命的な打撃として作用する.19才の若さで日本野球に挑戦し、多くの活躍をした白仁天氏の記憶にも、そのような痛みが多い.名門球団のエースが、単に韓国人という事実が明るみになったことだけですぐに現役から消えていった記憶.公然と韓国人であることを前面に押し出す張勲(註:日本名張本)氏が、華麗な経歴にもかかわらず、監督になることが出来ない理由はそれほど考えるまでもなく、推し量れるはずだ.

米国に次ぐ経済富国に成長し、裕福な社会をつくりあげて、アジアをリ―ドしようという余裕がある日本.韓国侵略の歴史で綴られた日本人の精神文化は、決して自分たちの中の韓国人を広い心で受け入れるだけの余裕はもっていない.強力な日本円の吸引力で韓国スター選手を引き込み、大衆文化開放の一翼を任せても.



<倉敷(岡山)=カン・シンムン特派員 smkang@seoul.co.kr>


李ジョンボム-宣銅烈-趙ソンミン 日本オールスター 有力


韓国野球が‘星の祭り’の日本オールスター戦を揺るがす.
日本野球を揺り動かしている中日の宣銅烈・李ジョンボムと、読売の趙ソンミンが揃って日本のオールスター戦に出場できそうだ.
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日本オールスター運営委員会が25日発表した98年度日本オールスター戦開催要綱によれば、今年から外国人選手数をチーム当たり 4名以内(投手 2名,野手 2名)に拡大したし、ファン投票で選抜される場合には、これに関係なく出場が可能なように大幅改正した.外国人選手出場は、昨年までファン投票で選抜された場合を含めて、投手と野手各 1名ずつの制限があり、同じ投手の宣銅烈と趙ソンミンの競争が予想されたが、今回の改正でファン投票,監督推薦に関係なく仲良く全員出場が可能になった.

‘風の息子’として韓国野球の熱風を一気に吹き付けている李ジョンボムは、力いっぱいやって堂々とファン投票で出場する態勢だ.韓国プロ野球海外進出打者1号の自負心に成績も堂々としていて、海外に進出した韓国選手中で初めてファン投票によるオールスター選手に記録される展望だ. 失策が最も多いが、リーグ内には李ジョンボムほど、打撃全部門で出色な成績を出している遊撃手が目につかない.強力なライバルになる読売は、石井と元木が入れ替わり遊撃手を務めていて前面に押し出す顔がない.
広島の好打駿足 野村と 横浜の強打者 石井 くらいが競争相手だ.

宣銅烈は昨年努めたが、やはり桑田等、 多くの日本スター投手に押されて最多得票を得られなかった.だが、3年ぶりにエースで頭角を現した趙ソンミンは、読売というチームを強力な背景に、最多勝部門共同トップをはじめ、全部門上位を走っていて、投票期間中に現在のペースを維持した場合、多くの票を得ることと、結果が注目される.



倉敷(岡山)=カン・シンムン特派員 smkang@seoul.co.kr