
"タタ…タータータッ…タタッ…."
ノートブックのキーボードをたたく音が途切れない.
早く寝床に就くという決意は既に胸中から真黒に消されたのか、長い.ノートブックをたたいた瞬間からモニターの中に入り込んだ頭の中は、最高速度を自慢するという586コンピュータの作動がのろく感じられる程に忙しく回る.
22日は、直ちに98フランスワールドカップ・アジア地域4組予選
日本-マカオ戦とネパール-オマーン戦が一度に東京で行われる日.いち早く出場スケジュールを捉えて、資料整理し、不足した部分を埋めるために忙しく過ごしたワールドカップサッカー国家代表チームの指令塔チャ・ボムグン監督は、今日も予定ノ作業時間を超えてしまった.
すでに数ケ月も続けてきたワールドカップ最終予選に対応した準備作業だが、その度に不足が感じられるという、恐らく終わりまで最善を尽くさなくては、耐えられない性格なのだ.
ワールドカップ4回連続本戦進出-.易しいときは容易で、むずかしいときは限りなく困難であるという、その高みへ向かった登頂は既に開始された.失敗を考えてみたことはない.
戦場にたった将が失敗を恐れるならば、その結果は既に決まったようなものではないか.
最善を尽くすだけだ.
代表チームの采配をとり、すでに 5ケ月あまりを過ごした.
アジアンカップ惨敗に陥った代表チームの骨組みを新しく組み立てる作業と共にワールドカップ6組予選を併行して処理しようと忙しく過ごしたが、幸い大きな危機を体験せずに最終予選に進出したから、初めての峠は無事に越えたわけだ.
これから次の課題は、昨年末のアジアンカップ大会で威力を発揮した中東の`砂旋風’を眠らせてフランス行本戦チケットを握ること.
すべての国民の念願だから、韓国サッカーのプライドがかかった歴史的課題解決の初めての作業は、直ちにこのように相手を徹底的に把握して、また分析する作業から出発する.
さる1月、指令塔に上がった以後、国家代表チームを率いずに相手を把握するため、一人ひっそりと通った出張が3度.
3月、香港で行われた香港-タイ戦を観戦して、1次予選通過の戦略を樹立して、4月シンガポールで行われたシンガポール-クウェート戦では、クウェートに対する対策を,マレーシア-サウジアラビア戦を見守りながら、サウジに対する戦力をノートブックに一抱え入力した.
22日から28日まで日本の東京で行われるアジア予選4組2ラウンドの観戦の焦点はもちろん日本.
オマーンが2勝1敗で、3勝の日本を追いかけているけれど、ゴール得失点差と総得点で日本が飛び抜けていて、日本の最終予選進出が有力な状態だ.さる5月21日、東京で行われた初めての対決を通じ、どの位の戦力のつながりかをつかんでおいた日本は、これから無視出来ない相手だ.
思っていたより組織力がよく、まとまった感じを受け、ミッドフィールダーのプレーも良かった.技術的な面ではどうかといえば、私たちより先にいるという警戒心も聞いた.
だが、敗れるという考えはない.その時にも、ゲーム内容は日本が良いのかもの知らないが、ゴールは私たちが入れるという確信があった.
また、それが日本の限界で、その水準以上のゲームを繰り広げることは不可能だと評価した.たとえ、ゲーム終了直前にペナルティーキックで同点ゴールを許して1-1で引分けてしまっても、フィールドゴールを先取するのは私たちではないか.
来る10月22日から、予選10組中1位のチームが集まり、3.5枚のフランス行き本戦チケットを巡って繰広げる最終予選でまた激突するならば、さる5月よりははるかに良い競技内容で良い結果を引出す自信がある.韓国は、これから骨組みを構築し、肉付けする作業をしている分、加速度がつけば無窮な発展の可能性がある反面、日本は、ある程度軌道に乗っていて、これ以上発展することは難しいという感じを受けたためだ.
しかし、油断は禁物.5チームずつ2組に分れて上位1,2位チームが4強に進出する最終予選で最小3チームを下に引き下ろし、2位を占めてこそ本戦チケットを得ることができるだけに、緻密な事前準備が必要だ.
事実、最終予選に進出したどのチームも、容易に勝利を大言壮語できる程の甘いチームではない.
最終予選は、韓国・日本・中国の極東3強と、サウジ・イラン・U
A E・クウェート・カタール等、中東5ケ国をはじめ,中央アジアを代表する、ウズベキスタンとカザフスタンが3-5-2の地域別勢力分布で、熾烈な接戦を展開することが展望される.
問題は、`オイルダラー'を背景に最近急成長した中東三チーム.昨年末、アジアンカップでも現れたように、中東サッカーは南米の個人技とヨーロッパのパワーサッカーを組み合わせ、,ぐんぐん強勢を見せていて、前方での攻撃力が飛び抜けたことで評価を受けている.
砂旋風をどのように眠らせるかが、本戦チケットを握る鍵だというわけだ.
中東三チームを破るための秘策は、少しずつ整いつつある状態.さる6日、第2回コリアカップ大会開幕を控えて、187cmの長身守備手、チェ・ジンチョル(26・全羅北道現代)を抜てきしたことも、中東の長身ストライカーが繰広げる高空攻撃を遮断するための戦術中のひとつだ.
今後残った4ケ月余間、韓国サッカーの
慢性病である、プレーメーカー不在をどんな形式ででも、補完してミッドフィールドを強化,組織力だけがもう少し育てば、ワールドカップ4回連続進出の大は
十分に成し遂げることができるという考えだ.チェ・ヨンイルを中心とした守備陣と、パク・ゴンハ-チェ・ヨンスで構成された最前方攻撃は、ある程度基本的に揃っていて、もう少し完成度が高くなれば、豪快な`テンポサッカー'の強力な力になることと展望している.
相手も、ひとつではなく、少なくないが、アジア圏での韓国サッカーが決して牙を抜かれた虎でないことを見せるのだ.
フランス行きチケットだけを獲得すれば、韓国サッカーは、アジア圏から初めてワールドカップ4回連続本戦進出の快挙を成し遂げるだけだけでなく、2002年韓日ワールドカップまで直行,世界サッカー界でもまれな5回連続ワールドカップ本戦進出の金字塔を立てることになる.チャ監督の野望は、ただフランス入城だけではない.
21世紀で初めての張を開ける2002年ワールドカップでの`神話創造'を`チャ・ボムグン号'の最終目的地と決めている.選手としてだけでなく、指導者としてでも、韓国サッカーの位相を世界水準に引き上げるという野心が常時胸中にうごめいている限り、ノートブックとの格闘は続く.
パク・スンギュ
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