97年11月2日SPORTS SEOUL

韓日ワールドカップサッカーあれこれ


○…89年韓日定期戦以後8年ぶりにソウルで開かれたワールドカップ最終予選韓日戦は,両チーム選手たちの神経戦で後遺症も深刻.韓国の主攻撃手崔龍洙は、前半終盤の日本守備手のヒジ攻撃に鼻骨めり込むほどの負傷をして、病院に後送され、ユ・サンチョルも左膝をケガし、当分療養が必要な状態.

両チーム合わせて5回も主審から警告を受け、三浦と一時険悪な場面を見せた守備手・崔ヨンイルは結局二度警告を受けて退場させられ、来る9日のUAE戦に出場出来なくなった.

○…日本側写真記者たちは乗勝長駆してきた車ボムグン監督が最終予選で初めて
落馬すると、その表情をとらえようと大騒ぎ.車監督は写真記者たちの取材競争で、しばらくロッカールームまでまともに歩いていけない程.

○…両側応援団の力比べは午後1時50分韓国側一般応援席で始まったウェービングが日本の応援席までたどりつき、輪を作りあげると、お互い暖かい拍手を送りながら、たちまち2002年ワールドカップ共同開催国としての和気あいあいな場面を演じた. 続いて午後2時20分には `レッドデヴィルス'が `WELCOME KOREA' `Let's Go To France Together'という大型プラカードを掲げると、日本の `ウルトラニッポンも`Welcome To Blue Waves' `Allons En France!(フランスへ行こう)'と肯定的回答をした.

○…この日観客席のあちこちには各種おもしろい文句が登場. `レッドデヴィルス'側はTVで競技場面を見守る在日同胞のために`在日同胞の皆様がんばりましょう'という大型プラカードを電光版下に掲示. また、電光版のそばには`GLORY OF KOREA'と`98フランスワールドカップ’というプラカードがかかり注目された.

`グローリー〜'というプラカードには、54年から2002年まで韓国がワールドカップに出場した年度が書かれていて、北朝鮮が8強まで進出した66年度を含んでいる. `98フランスワールドカップ'方向には 98ワールドカップ4強の韓国をはじめ,英国ブラジル ドイツの国旗を表記.

○…この日蚕室ボウルでは韓日プロ野球とサッカーが連続して行われ、大変な混雑が予想されたが、警察の大量投入と成熟した市民精神とでほとんど沈着だった. しかし、競技場近くのあちこちに`ワールドカップ特需'を狙った商魂が現出していた.

○…観衆の入場が始まって30分余りが過ぎた昼12時30分頃、カラーコピーを使用した指定席の偽造チケットが発見されて協会関係者が一時緊張した. にせチケットを売って、入場しようとしたが現場で捕まった犯人は"パソコン通信で韓日戦入場券を売るという広告を見て、道端で購入した”などと言いながら善処を求めた.

○…鄭ムンジュン大韓サッカー会長は"勝負の世界では絶対に手加減などはできない"といいながらも、"2002年ワールドカップ共同開催国の日本がフランスへ行くことができるのは良いこと"と話した.鄭会長は、もう一度国民の声援に応えようとしたが、日本の善戦で敗れたと、惜しみながら"日本が遠征試合の不利を克服するためにより頑張って走った結果"だと敗因を分析.

○…競技終了ホイッスルが鳴らされると、VIP席の一番前に座っていた鄭ムンジュン会長は長沼 健日本サッカー協会会長の手を握って肩をたたいて祝賀した. 長沼会長も鄭会長に有難うと挨拶して"頑張って必ず本戦に上がる”と確認.

○…98フランスワールドカップ予選を 通じて国民的に愛されている`レッドデヴィルス'は、試合が終わった後、1時間近くも応援席の周囲を清掃して、競技場秩序でも模範となった.