
本箱の中に、かび臭くホコリをかぶって積まれた族譜(註:同じ出身地の同じ姓の人はみな同族だ、という考え方で、氏の開祖から現在にいたるまでの一族を記録した家系図.家宝扱いする家も多い)が、新しい記録媒体であるCDロムに載った.コンピュータを通じて、自身の先祖と系譜を確認する道が開けた.国内最初に族譜データベース(DB)が構築されたのである.いわゆる‘電子族譜システム’.インターネット ホームページ(http://www.jokbokorea.co.kr)も、まもなく開設される予定だ.
漢字教育の混乱, 伝統の喪失, コンピュータ世代の登場等、相次いだ‘悪材’によって、族譜はこれまで‘陰地’指向的だった.各家庭ごとに族譜は本箱に置いてあるけれど、これを開くことはほとんどなかった.書画装飾品程度に見なされていたのが事実だ.このように‘陰地’にあった族譜が、これから‘陽地’に現れる.‘華麗なカムバック’というわけだ.
電子族譜システム開発業者は、ベンチャー企業のカスンメディア.カスンメディア側は、1年余の開発期間を経て、最近このような電子族譜システム構築を終え、年末までに各宗親会の族譜を糾合,1千万名の名簿を入力して、12月中にインターネット ホームページを開設する予定だ.来年上半期までは、全族譜の入力作業が完了すると展望している.
電子族譜システムの最も大きな長所は、既存族譜の‘不便’を最小化することによって、族譜に対する‘接近性’を大きく高めたということにある.
実際に、電子族譜システムの登場は、かなり大きな意味があると評価されている.まず子孫たちに‘根’の重要性を呼び覚ます契機になると展望される.漢字教育が順次消える趨勢の中で、コンピュータを通じて、難無く自身の‘根’を検索したり出力できる道が開がりながら、族譜に対する若い世代の関心を触発させることができるとで期待されている.電子族譜システムは, 人名、配偶者名, または生年月日などの自由な分類体系を通じて、探す人を容易に照会できるようになっている.
族譜電算化, 戸籍電算化, どちらも一層古文書電算化を進めたという評価も出てきている.族譜と戸籍,そして古文書は、大部分が似た多段式編集体系で組まれている.したがって、電子族譜システムを適用すれば、戸籍や古文書のDB化も十分に可能だというのが、開発チーム関係者の言だ.
電子族譜システム開発チームは、既存族譜の‘限界’に着眼し、システム開発に
入っていったことが知らされている.‘根’の重要性を強調しながらも、実は族譜には関心がない理由が、族譜の‘不便さ’で始まるという単純な事実に着眼したのである.
実際に、既存族譜は、現代化された家系秩序の中で、いろいろな問題点を抱いていた.最も大きな問題点は、漢字のみで表記されていて、若い世代の‘接近’が易しくないという事実だ.特に、漢字教育を受けない‘ベビーブーマー 世代’(40代)の場合, 私達の社会の中枢で活動しているけれど、‘根’に対する関心はだいぶ落ちていることが知られている.
紙面の限界も大きい.族譜の構成は、各姓氏によって違うが、普通 1面を4段〜6段に区分して編集する.6段構成である場合,一面に1世から6世まで表記できるというわけだ.結局、‘私’の根を探すためには、いろいろな巻の冊子をあちこち繰広げなければならない困難がある.
族譜の記録を更新するにも困難があった.既存族譜の場合、各宗親会を通じて記録が更新されるが、平均で20〜30年ごとに一度ずつ族譜が更新さると知られている.結局、その中間に生まれた人に対する新規登録が出来ず, 記録を集合する期間と費用も少なくはないものが必要とされるという問題点があった.
ほとんどあらゆる宗親会で発刊する族譜は、漢字の干支で年度が表記されている.
中国王朝の表記でされている場合もある.西暦が普遍化されている現実では、こういう古式ゆかしい年度表記が、むしろ族譜への接近をさえぎる要因として作用するという指摘だ.
このように、既存族譜が多くの限界を持っていたために、電子族譜システム開発過程の困難も大きかったことが伝えられている.最も大きな困難は、既存族譜の多段式編集体制を維持しながら、より容易に資料を探せるように作ること.CDロムとして作られる電子族譜は、出力した時、既存族譜と全く同じ多段出力が可能だ.
漢字とハングルの変換DBを作りあげることも、難しい過程のひとつだった.国内にない漢字は作ってDBを構築した.これに伴い、変換キーさえ押せば、どんなハングルも漢字と相互変換可能だ.
電子族譜システムが完成するまでは、いろいろな人の支援があったことが伝えられている.国内最大の法律事務所の‘キム&ジャン’のキム・ヨンム弁護士と大統領候補を経験した‘中央国際特許法律事務所’のイ・ビョンホ弁護士, そして前進農薬 代表を歴任したイ・フェマン氏などが開発費を支援して督励したという後日の噂だ.
開発チームは、各宗親会との協議を通じて、各姓氏のインターネットホームページ開設,運営を誘導して、宗親会電算化も助ける計画であると明らかにしている.
本格的な‘根を知る運動’も、繰り広げる計画だ.夫の父方の祖父から本人まで、職階を一つの小さな手帳形式で出力した‘家系図(家乗)’を素地としながら、‘根’の大切さが常時分かるように、無料で個人の家系図を出力してくれるということだ.
族譜は私たちにだけあるのてはない.米国でも、家系をDB化していることが知られている.一種の‘根 整理’というわけだ.これとともに、ハーバード大学等、有数の大学では、韓国の族譜を収集, 研究している.反面、私たちの族譜体系は、数百年間ほとんど変化しないでいた.電算化の必要性が台頭したのも、最近のことだ.
このように、族譜電算化の必要性が切実であった時に登場した電子族譜システムが、果してどんな変化をもたらのか、関心が集中している.
パク・フンファン記者[stinger@kdaily.com]
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