
毎年この時期は、年末の雰囲気で飲酒機会が多くなる.特に今年は、世紀末だからなのか、忘年会が早く開始されている.
いつからか、‘爆弾酒’は、私たちの酒文化に深々と位置している.また、最近になって、新種‘爆弾酒’も生まれている.年末には、いつもより爆弾酒の消費量が増加する.
主に、ビールと洋酒を混ぜて飲む爆弾酒は、‘ボディ’の役割をするビールジョッキに80%程度のビールを注いで‘雷管’の役割をするショットグラス(ストレート)に洋酒を満たして、ビールジョッキの中に入れるのが一般的な方法だ.
忘年会等、‘特別な日’に爆弾酒は当たり前のごとく登場する.以前は、1年に 一・二回程度飲む‘例年行事’の取扱いだったが、最近は会社員ならば十人中四名は一ケ月に1回程度はこの‘特別な酒’を飲むらしい.“爆弾酒は健康に悪い”としながらも‘爆弾酒止揚論’を説く人もあって“早く親しくなることができて、結束力を高める”という‘礼讃論者’もある.
爆弾酒の種類は、材料になる酒と製造法によって、その種類が分れるのが一般的だ.現在、韓国では製造法, 材料等によって100余以上の種類の爆弾酒が作られている.
まず、材料によってその種類を分ければ、ビールに‘テキーラ’を入れた‘サブマリナ’,‘ウォッカ’を入れた‘ゲッコ(Dog nose)’,ウィスキーを入れた‘ボイラー メーカー’等に分類することができる.このうち、韓国では、ボイラー メーカーを基本に、製造法によって多様な種類の爆弾酒が'愛酒家'たちの愛を受けている.
製造法の関門は、主に、ビールジョッキに洋酒グラスを‘どのように落とすか’に拠る.
例えば、ビールジョッキの上に箸二本をならべて、そこに洋酒グラスを乗せておいた後、衝撃を加える.額でテーブルを叩いて洋酒グラスを落ちるようにする‘忠誠酒’,手の平で打って落とす‘ビンタ酒’,杯を三角形に配列して三つの爆弾酒を同時に製造する‘ピタゴラス酒’,洋酒グラスを支えて ある箸側におしぼりを投げて、洋酒グラスを落ちるようにする‘おしぼり酒’(主に、テーブルが広くて、酒杯と製造者との距離が離れている時に愛用される方法)等がある. また、お盆の端にいくつかの洋酒グラスを乗せておいて、その反対側を叩いてお盆の端にあった洋酒グラスをビールジョッキ内に落ちるようにする‘お盆酒’(この時、洋酒グラスが逆に入っていくことになる),14個のビールジョッキの上に厚紙を置いて14個の洋酒グラスを乗せておいて、その紙を突然引き抜いて14個の爆弾酒を同時に作る‘ダイナマイト酒’などもある.
こういう形態の爆弾酒中で、最も独特なのは‘ヨンガリ(註:"ヨンガリ"は、いわば韓国版ゴジラ)酒’.ヨンガリ酒は、ビールジョッキの上に洋酒グラスを乗せることは基本形と同じだが、箸の代わりにプラスチックストローを使用することが特徴だ.この爆弾酒のためには‘専門家’(?)が必要とされる.専門家のバーテンダーは、75度にもなる苛酷な酒を口に含んで、指も濡らした後、その指に火を付け、それを口に点火して、その熱気でストローを溶かして洋酒グラスがビールジョッキ内に落ちるようにする.
爆弾酒は、時に社会相を反映することもある.まず‘ドラキュラ酒’.健康に目の無い韓国人たちが97年度に‘葡萄酒が心臓に良い’ということで、ビールの代りに葡萄酒を採択するようになった.作る方法は、赤葡萄酒を大きいジョッキに80%程度満たして、ここに雷管格の洋酒グラスを落とす.
昨年、日本との漁業交渉時に双船操業をめぐって論議沸騰がされた時には‘双船酒’が人気だった.‘双船酒’は、二隻の漁船が網を引くことに着眼, 二杯の爆弾酒を続けて飲むことだ.
7月、ヨンピョン海戦(註:北朝鮮の潜水艦が韓国領海に侵入、韓国軍に撃沈された)以後には‘撃沈酒’が人気だった.製造方法は、ビールジョッキにビールを入れて、そこに空の焼酎の杯を浮かした後、洋酒を注いで焼酎の杯をビールの中へ沈ませて、飲めばよい.この時、ビールの泡の上に焼酎の杯を浮かして置いて、徐々に沈めると、‘撃沈酒’ではなく‘タイタニック酒’になる.最近は、これを応用した‘引揚げ酒’が人気だ.
空のビールジョッキに焼酎の杯を入れて、ビールを注いで焼酎の杯を浮かした後、また洋酒を注いで沈めることだ.また、話題になっている勃起不全治療剤バイアグラの名前を取った'バイアグラ酒’は、ビールジョッキに洋酒グラスを入れて、ビールを洋酒グラスより低く入れて作る.その様子が男性のシンボルと似ているようで、そのように命名した.
飲む方法によって、爆弾酒を分けることもある.ビールジョッキの代わりに缶ビールを使用する‘手投げ弾酒’は、缶ビールの胴の下の部分に穴をあけた後、少しビール
を抜いておいて、そこから一杯の洋酒を入れた後、穴をふさぎながら持って、あたかも手投げ弾の安全ピンを抜くように缶ビールのプルタブを引き抜いて飲む.
この他にも、ビールの代わりにイオン飲料をビールジョッキに注いで、洋酒を混ぜて作った‘ポンガリ酒’,ドリンク剤をビールジョッキに注いで、ウィスキーを混ぜる‘皇帝酒’,75度を超えるラムに火をつけて、ビールに流し込んで飲む‘火酒’,ビールの上に紙を置いて、その上から洋酒を注いで金縁を作って飲む ‘金縁酒’などがある.
最近、双竜建設 社報編集室で職員を対象に調べたところによれば、この中で会社員たちが最も楽しんで飲むのは、ビールと洋酒を混ぜた後、手でかき混ぜて泡を作って飲む、別名‘旋風酒主’(55%).この他に‘タイタニック酒’,‘金縁酒’,‘原子爆弾酒’,‘忠誠酒’,‘火酒’,お金を節約するために、ビールのかわりに焼酎を注いで飲む‘IMF型爆弾酒’などの人気が高いことが現れた.
このように、日々広範囲に広がっている‘爆弾酒文化’に対して、大部分の専門家は、自身と社会の健康のために節酒することを薦めている.慶煕大 家庭医学科 ウォン・ジャンウォン(元章源 37)教授は、“爆弾酒のように酒を混ぜて飲めば、飲酒量が多くなり、エタノール摂取量も増加するために、より酔う”としながら、“爆弾酒をたくさん飲めば、死に達することがあり、いっそのこと飲まないか, 酒量によっては
1・2杯程度にしておくことが自身と社会全体のためにも良い”と明らかにした.
イ・ジンア 記者[jlee@kdaily.com]
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