今年最大の話の種は、たぶん‘帰農’になりそうだ.いまだにIMF管理体制の長いトンネルから抜け出していない状況で起きたことであるためだ.また、続く就職難により、農村へ帰る人々が順次増えていきながら帰農に対する関心もより一層高まっている実情だ.それで、今回のIMF帰省の折に“ちゃっかり帰農してしまおうか”という下心を持った帰省客が少なくない.
このような雰囲気によって、最近の帰農推移と成功事例,
また、どのようにすれば成功的な帰農になることかという‘帰農成功ガイド’等、帰農に対する全般的なことを巻頭特集として扱った.
‘農村-’.若者達は、この20〜30年間、農村を離れてしまった.無力な老人たちだけが残って、"農者天下之大本"という、まぶしいが空虚な言葉の旗をはためかせた.それとともに老人たちはどぶろくの何杯かに酔い、‘農村死守’の宿命論を交わしたりした.
しかし、今からはそれが変わるようだ.最近になって、帰農人口が急増しているためだ.それも、30代以下の若年層が主流をなしている.“息子を産んだらソウルに送りなさい”という古語が見るかげもない.60〜70年代、農村の若者達が涙ぐみながら故郷を背にしたのとは違う状況だ.
関係当局が分析した資料にも、このような現象は明確に現れる.農林部が最近集計した、去年の帰農所帯数は全部で6千409世帯.これは、97年の1千841世帯より4倍近く増えた数値だ.さる90年の帰農所帯数が、僅か371世帯だった点と比較すると‘大移動’でない筈がない.
IMF体制が韓国の都市と農村間をどのように変化させたのかを端的に見せる大きな動きだ.専門家は、このような現象に対して“たしかにIMF体制によって発生した帰農現象だが、必ず注目しなければならない点は帰農人,
すなわち若者達の‘生意識’に革命的な変化がきている”と話す.
農林部で分析した去年の年令別帰農分布図によれば、30代が44.6%, 40代が24.8%,
次には、50代が14.7%, そして、20代は9.4だと現れた.これは、最近の帰農人口の10人中
6人が30代以下の若者だという点を語っている.これは何を意味するのか.過去、よく見られた単純な‘引退後の帰農’ではなく、新しい生活基盤を探して農村へ帰っていくことを端的に示している.
専門家も、これから農村は若者達の新しい‘挑戦の場’になるだけでなく、環境親和的生意識で帰農を選択する事例が常にあると分析している.
また、帰農する直前の職業別分布図を分析してみる時にも、一般サラリーマン出身がはるかに多いと表れている.農林部資料によれば、さる一年間の帰農人は、会社員出身が40%で最も多く、自営業が25.6%,
日雇いが23.9%, そして、公務員出身が2.9%であった.会社員出身が多い理由について、当局のある関係者は、“人員削減と構造調整などの雰囲気に危機意識を感じた、一般会社員出身者たちが、数回、他の職場を求めて失敗すれば、躊躇なく‘悲壮な勝負の賭’で帰農を選択しているようだ”と分析した.
彼らが選択する帰農地域も、首都圏近隣ではなく、伝統的な農道(註:農村地域)に集中している.やはり、去年の農林部統計によれば、全南地域が
1千475世帯で、最も多く、続いて慶尚北道 1千94世帯, 慶尚南道 837世帯,
全羅北道 734世帯, 忠南 688世帯などの順だ.また、彼らが選択した帰農後の業種は、コメ農家が55.5%で最も多く、園芸
12.3%, 畜産 10.2%, 果樹 9.6%などの比率を占めている.
このような帰農現象が続けば、農村文明に一大‘革命’をもたらしうる、と専門家は展望する.事実上、去年から農漁業分野従事者が前年度に比べて増加し始めたし、これは
18年ぶりに初めて記録された.去年4月現在、農漁業従事者が 267万3千余名で、97年の同時期(245万7千余名)よりも20余万名増えたし,
以後、毎月10万名近く増える、急カーブでの上昇の勢いを見せている.
帰農人口が増えるにつれて、数種類の問題も生まれている.農地価格上昇と、これにともなう詐欺師等も暗躍している.去年1月から全南・北をはじめ、慶北
忠清
江原などの農地価格が全般的に上昇に転じ、特に光州全南地域一帯では、坪当たり3万ウォンした耕地が
5万ウォン 以上に上がる等、全国的に平均 1.5〜3倍まで上がっている.そういう状況なので、帰農希望世帯を相手にする詐欺行為もますます多くなっている実情だ.
専門家は、農村で暮らそうと街から帰る人々はもちろん、都市生まれの人々も帰農する、新しい現象が行われているとしながら‘新農民’として定着する帰農者たちのために制度的な後押しが必要だと力説する.農村定着資金は勿論のこと、環境親和的な新しい営農法開発と教育等、政府は望ましい帰農対策を急いでたてなければならない.
合わせて、失職という痛みを忘れて新しく挑戦する帰農人に‘偉大な選択’になるように、周辺与件を一日も早く醸成するべきだという声も高い.何故か?
農村は 21世紀の新しい‘文明の対案’であるためだ.
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