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[ニュース追跡] "内務班 ヌード写真 シャットアウト,実施!"


むくつけき男たちだけで過ごす軍隊内務搬などの幕舎内には、大抵ヌード写真の一枚くらいはあるものだ.厳格な規律と統制下で過ごす軍人たちには、‘この一枚のヌード写真’で軟らかさを感じて、異性に対する香り豊かな代理満足だという、いわゆる兵営生活の清凉剤的役割をしてくれるというのだ.newspeople98_9_4.jpg (15166 バイト)

また、軍務を経験した人ならば、つらい野外訓練中、休息を取る時、ヘルメットの中に収めた何枚かのヌード写真を取り出して、つかの間訓練の苦痛を紛らわした思い出もよくあるものだ.このように、‘兵営とヌード’は建軍以後、自然に生まれた兵営の‘裏文化’中の一つとして席を占めてきた.

しかし、今後はこのような光景が消える.少なくとも内務班などや事務室等、公開的な場所でのヌード写真は許されなくなったのである.

国防部は最近、各軍に‘セクハラ防止指針’を命令し、軍部隊事務室や内務班にヌード写真等の猥褻物を持ち込めず、部隊会食中に酔って女性軍人と身体的接触を図った場合、厳しい処罰をすると ‘警告状’を出した.

国防部は、最近急増する軍内女性人材の人権保護と、健全な軍隊文化定着のために、創軍以来初めて‘セクハラ防止指針’を用意, 全軍に命令した.

指針によれば、セクハラの類型は、隊内事務室にヌード写真等の猥褻物を持ち込んだり、女性軍人の性的羞恥心を誘発する言行, 身体的弱点を揶揄する冗談,
上官の職位を利用した性的圧力などだ.

部隊会食中に酔ったことを理由にした身体接触や、私的集りでの女性軍人の酒のお酌強要, 会食後の個別的な酒の席への同席要求, 業務と無関係な集いへの招請などもセクハラに含まれるという説明だ.

セクハラ防止のために、握手を除外した一切の男女間の身体接触を禁止して、女性軍人は会食の席で自身の酒量をあらかじめ知らせるべきであり、上官はその酒量以上酒を薦めることができないようにした.

また、男女の軍人2人が事務室に居る場合、出入り口を開けておき、女性軍宿舎
への出入は原則的に禁止し、公式業務次元の訪問も夜10時以後には不許可することにした.男性への性的刺激を誘発させかねない女性軍人のきわどい服装と言行も厳格に禁止される.

女性軍人は、セクハラ発生時、各部隊監察部に設置された‘苦情申告センター’に申告すれば、関連者はセクハラの類型によって刑事処罰または罷免, 停職, 減給,けん責等の重い懲戒処分を受けることになる.

国防部関係者は、“現在 2千余名に達する女性軍人が来る2010年までには2倍以上に増加し、命令服従体系が厳格な軍部隊でセクハラ事件が発生することが憂慮され、防止指針を用意した”と明らかにした.

今後、増加する女性軍人数によって各種セクハラ事件が予想され、事前に釘を刺すというのが、国防部の強力な意志であると見られる.

韓国性暴行相談所も、このような指針と関連,“厳格な命令体制でなされる軍隊でセクハラの概念を受け入れて防止指針を用意したことは、性暴行が権力関係の中で発生するという点を受け入れた、歓迎に値する措置”だと明らかにした.また“今回の指針は、事務室内の猥褻物持ち込み, 言語的嫌がらせ等、現行法で立法が難しかった環境型セクハラを含めたという点で、注目する価値がある”と意味を付け加えた.

事実、この間、軍隊内からはセクハラ事例が減ってきている.軍隊は厳格に上司の命令に服従の世界.したがって、階級が低い女性軍人たちは自分の上官命令に無条件に服従しなければならない.こういう枠組で、時々性的羞恥心を感じても、そのまま耐えるほかなかった.

女性中佐で除隊, 現在は主婦の金某氏(37)は、“無力で階級が低い女性軍人たちは男性上官の命令を無視するなどということは想像もできないことだ”としながら、“セクハラにあってもそのままぐっと耐えて過ごすしかなかった”と告白した.

彼女はまた、“訓練等で何日も家に帰れない時には、上官の事務室内で時々芳しくないことが生じることを知っているけれど、そのまま関係を持ち越す場合が数多い”と耳打ちした.

予備役将星社会で、いまだに噂になっている、将軍と女性中佐との代表的艶聞事例.現在、現役国会議員のK氏は、80年初めの軍教育機関長だった時期、美貌の女性中佐を秘書とした.K氏は当時、強大な権力に近い核心人物の中のひとり.彼は自身の秘書の女性中佐と事務室で退屈せぬよう楽しんだ.あたかもクリントンとルインスキーのように.いくらなんでも、このような仕事がそとに漏れはじめると、秘書は転役させられた.軍の調査機関でもこのような事実に気がついたが、女秘書が自主転役書を提出することによって、これ以上問題視しなかったのだ.

この女秘書は、さる93年、偶然の機会に記者と会った席で、このような事実を確認させてくれた.彼女は、すでに10年が過ぎたことで、今ならどうかわからないが、当時としては告発する意欲がとうてい起きなかったと明らかにした.

これと類似した将軍と女秘書との問題事例は多く伝えられる.ベトナム戦争当時、某将軍と女性将校の‘サムシング’が知られて問題になったが、朴正煕大統領がこれを大目に見てやったという逸話もある.このような風土は、被害者の女性軍人当事者の大部分が黙してしまうために、事件が表面化しないだけだというのが、予備役関係者等の言葉だ.

在郷軍人会 女性部の一関係者は、“軍隊内では女性軍人なので体験する不利益は数多い”としながら、“しかし、セクハラを受けても見過ごされてきただけ”だと話した.また、“セクハラ防止指針をどのように作ってみても、 仮に事件発生した時には、調査側関係者の大部分は男性になるのではないだろうか”と、セクハラ防止は制度的後押しがあってこそ効果を見ることができると話した.

ある令官級現役指揮官は、“最前方の境界勤務者や捜索要員たちには、一枚のヌード写真が軍の志気にいくらか影響を与えることができる”と、女性軍人がいない状況を考慮, 融通性をもって黙認することも考えてみることができると話した.末端の兵士たちの大部分が上官の女性軍人を敢えてセクハラするかね、という彼の説明だ.



<キム・ムンギ記者 km@seoul.co.kr>