98年7月10日News People NEWSPEOPLE.gif (1516 バイト)

[ルポ] 衝撃! 隠しカメラが "あなた"を 撮っている

 
‘あなたも例外ではない’ パートナーと共に楽しんでいる場面が隠しカメラに収められ, そして、そのビデオテープが市中で取引されているとしたら…,
考えだけでも身の毛がよだつことだ.しかし、知らないうちに誰でも隠しカメラの主人公になりうるのだ.

最近は、隠しカメラで収録された‘盗撮ビデオテープ’が ソウル 世運商店街を中心に堂々と売られている.newspeople98_7_10.jpg (10297 バイト)

ラブホテルでの密会現場はもちろん、ビデオルームで楽しむ20代の男女,そして、女子トイレとプールの更衣室、そして女子浴場等にまで隠しカメラが侵入, そのなかで行われるあらゆる場面をビデオテープに収めて隠密に取引されている.はなはだしくは、新婚夫婦だけを主人公にしたセックス場面をビデオテープに収めたものが出回る事例も少なくない.これ程になると‘隠しカメラ’が社会的‘恐怖感’でない筈がない.

このような‘隠しカメラ’はソウルだけでなく、仁川 釜山 等、全国的に急速に広がっている点で新しい問題として指摘されている.

さる1日、釜山地検 刑事1部は猥褻なテープを大量に販売した李某氏(34 慶尚南道 金海市 鳳凰洞) 等 2名に対して、音盤及びビデオ類に関する法律違反嫌疑で拘束した.李氏たちは、さる5月から各種の猥褻ビデオ3千余を露天商等に供給した嫌疑.

検察が驚いたことは、これだ.彼らから押収したビデオテープの中には、旅館の客室2部屋に隠しカメラを設置し、男女 8組の情事場面を撮影した50余分のビデオ テープ2点と、某女子大卒業式の日、女子トイレで女性たちの用便場面を撮ったものだと噂された‘XX女子大’というタイトルのビデオテープ 1点が含まれていた.

彼らは猥褻ビデオ専門製造組織業者で、あらかじめ旅館主人や従業員などと図ってこっそりと撮影した後、大量に複製し、市中に流通させてきたことが明らかになった.

検察は、また、先月26日ビデオ販売商 朴某氏(27 住所不定 拘束) 等、9名から押収した不法複製ビデオテープ 800余個中から、女子銭湯脱衣場とプールの更衣室, 女子トイレ内部をこっそりと撮影したビデオテープ 3点を摘発した.

ソウルはどうか.さる6月27日 夕方 8時.猥褻ビデオの主要取引先として知られる鍾路のS商店街.2階への階段を上がると、目の前にビデオ店がずらりと並んでいた.
みずぼらしい仮住まいのような形態のビデオ店もあれば、正式に建物店舗として位置を占めている店もあった.

何歩も歩かないうちに、がっしりした体格の青年ふたりがやってきて、けたたましく“良いのがありますよ.隠しカメラ物もありますよ.最新品です”と言いながら袖を引っ張った.それを拒んで次に行こうとした瞬間、また違う青年が前をさえぎって“隠しカメラで撮ったのもありますよ.私たちのものが、この近くでは一番良いよ”と自慢した.

3番目の店先に達すると、中に座っていた20代の男が飛び出してきて無理矢理引きずり込んだ.店の中は、2坪ほどで、椅子が一つだけぽつんと置かれていて、全裸の女の写真が何枚か壁に貼られているだけで、ビデオテープやビデオ機器等は全く見当たらなかった.

男は、椅子に座らせると、実際にはどうかわからないものな、と言った.彼はまた、“ひょっとして、取締り班じゃあないだろうね.名刺一枚あったらくださいよ”と言った.取り締まりなどではなく、もちろん好奇心で訪ねたと答えた.すると、男は種類別にあるのだと言った.その種類とは、浴場 トイレ 旅館 等でなされる隠密な場面を収めた猥褻テープ.はなはだしくは昨年話題になった‘真っ赤なマフラー ’もあるという.

彼は“近頃はつまらない外国のポルノ映画なんか探しませんよ.大部分は隠しカメラ物ですね”と言いながら、それと無く最近の風俗まで説明した.彼はまた、お金を少しだけでも投資すれば、あらゆるものを見ることができると言い、画質が良い新婚夫婦の濡れ場も揃っているという.価格も千差万別.

“ラブホテルの濡れ場物は10万ウォンで、新婚夫婦(ホテルで撮った新婚夫婦の濡れ場)は30万ウォンです.L嬢(某 女性タレント)は80万ウォンです.野外で撮った新婚夫婦テープは50万ウォンを払ってもらうことになります”

新婚夫婦テープは自分たちが撮ったものなのかと尋ねると“いや, 隠しカメラで撮ったものだ.室内用と野外用の隠しカメラでみな撮ったものだ”と答えた.その男は、また、ネクタイピン大の高性能カメラひとつでなんでも撮れると言った.

その男の話を総合してみると、少なくともS商店街内のビデオ店だけでも、隠しカメラによる猥褻物は膨大な量であり、種類も非常に多様であることを容易に知ることができた.

しばらく後、その男が言った‘ラブホテルの濡れ場物’をくれと、10万ウォンを支払った.
すると、タバコ1本も吸わないうちにどこかに飛んで行った.3分後、帰ってきたその男は、封筒に 入れたビデオテープをさっと渡して “取り締まりが来ないうちに行ってくれ”と言った.封筒には‘00大学校’と印刷されていた.

問題のテープは、1時間程で男女5組が登場した.場所は ‘00モーテル’だった.画面は非常に揺れて、状態はそれほどよくなかった.

最初の組は、30代半ばの男と20代後半の女のようだった.ベッドの上での濡れ場と、男女の顔が赤裸々に入っていた.カメラは出入口側と窓側に設置しておいたようで、カーテンが画面を分けるところもあった.また、特定画面によってはクローズアップをするので、誰かがこの光景を盗み見しながら遠隔調整しているという
ことがわかった.椅子上での性行為場面では、特定部位だけをずっと写した.20分後、彼らがお互い服を着せた後、旅館の部屋を出ると、次の画面に移った.

2番目の主人公は30代の男女のようだった.性行為が終わると、女が男子をマッサージする部分まで繊細にクローズアップしていた.

3番目の登場人物は、40代の男女.彼らは年齢が物語るように、性行為も熟練した手並みだった.体位が変わってもカメラは一挙手一投足をのがさなかった.

4番目と5番目の主人公たちも大部分が30〜40代.彼らの情事時刻が真昼であるという点と、いろいろな情況などを分析してみると、これら隠しカメラの主人公たちは、大部分が不倫関係であることがわかった.また、冬服を着て日曜日の正午のニュースがTV画面を通じて流れ出ていることを見ると、さる2月末に製作されたものであると推測できた.

ところが、衝撃的なのは、画面の中の顔が非常にはっきりしているという点だ.ひょっとすると、このテープが出回っているうちに、画面の主人公の当事者や、でなければ親戚などが見る可能性があるという推測は難しくない.そして、その結末も察せられる.

先月3日、夕方 また ソウル S商店街 ビデオ通り.この日は、釜山地検が隠しカメラ業者を拘束した日だった.おりしも雨が降り注いでいたからか、先日のように‘客引き’はそれほど見られなかった.また6日前にテープを購入したビデオ店へ行った.
その時の男はおらず、30代半ばの初めて見る男が一人座っていた.

その男に隠しカメラ物はあるのかと聞いた.すると男は、“私たちがそのようなものを扱うわけないですよ.取り締まろうと来てもだめだね”と無愛想に応酬した.警察・検察が取り締まるといううわさが出回ると、密売業者たちがどこかに隠れてしまうことを直感できた.

他のビデオ店に入って全く同じ質問をしたが、返事は同じ.ただ、“最近入手した西洋映画の良いのがひとつあるから買っていきなよ”という話だけだった.

しばらく後、近隣の警察署へ行った.一関係者は“彼ら(世運商店街 ビデオ業者)は幽霊のように臭いをかぎつける”としながら、“昨日から捜査官が潜入しているが、既に感ずいたのか、隠れてしまった”と話した.関係者はまた、“何日か時間が過ぎても、徐々にまた登場する”と言いながら、神出鬼没な彼らの動きに舌を巻いた.

警察関係者によれば、裏ビデオが隠密に取引されるまでの過程は総じてこの通りだ.まず、旅館業主とビデオ中間販売業者とがあらかじめ図って旅館の部屋に隠しカメラを設置して、真昼に入るお客さん(夜はたいてい明かりを消すため)をカメラに収める.

このようにして、一本が完成すると(たいてい1時間 基準)ビデオテープは中間業者に渡されて、中間業者は自身の家や秘密アジト等で大量にコピーする.このテープは、また違う第3の流通業者(運び屋)を通じ、ソウル 仁川 釜山 等 全国各地に広まる.済州島や江原道 雪岳山 等 新婚夫婦が楽しく訪れる観光地で製作されたものも相当数取引されたという.

テープを渡された全国各地のビデオ販売商たちは画質により、下は10万ウォンから最高100万ウォンに達するまで 金額別等級を定めて、訪れる人々にこっそりと販売するということだ.

警察関係者は、このような裏ビデオは、昨年の‘真っ赤なマフラー’事件以後、急速に広がっているものと推定されると話した.特に最近では、IMF 等で金儲けが難しく、アマチュア業者らまで結集しているということだ.

S商店街内のあるビデオ業者は “近頃では、恋人や夫婦同士の濡れ場を収めたテープを10万ウォンで売ることができないものかという人たちが時々訪ねてくことがある”と話した.5月には、ソウル松坡区に住む金某氏(25)が自分の恋人との濡れ場を収めたテープを密かに販売して警察に摘発された.

ソウル 明洞のある泌尿器科医師は “訪れる患者達の中には裏ビデオを見たり、持っているという人が少なくない”と耳打ちした. このように裏ビデオが急速に増えたため、政界でも法制定を急ぐなど、対策に没頭している.

ハンナラ党は、最近、性的欲求を目的に設置する隠しカメラの弊害を防止するために、これに対する処罰を規定した性暴行犯罪の処罰及び被害者保護等に関する改正案を国会に提出した.ここには、性暴行犯罪の範ちゅうに ‘カメラ等 利用の撮影’条項を挿入したし、違反者は 3年以下の懲役または、500万ウォン以下の罰金に処するようにしている.

関連法改正もだが、より一層重要なことは、隠しカメラに収められないように格別の注意が必要なことではないかという指摘だ.



<キム・ムン記者 km@seoul.co.kr>