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[カバーストーリー] 大学試験の '族譜'が売れている


"大学での試験問題が売れている."

全国の大学教授たちの実名と共に、教授の試験出題傾向,昨年度の問題などが、そっくり通信網を通じて取引されて衝撃を与えている.newspeople98_5_8.gif (14411 バイト)

‘全国の大学の単科大学別試験問題,大学院試験,行政 外務 司法 考査族譜等、試験問題を売買します.皆様が求める、あらゆる試験問題をお金で買うことができることを確認させてさしあげます’

去る4月23日、光州のあるIP(情報提供業者)が‘ナウヌリ-フォーカス’に掲示した内容だ.‘大学/大学院 試験族譜室(ナウヌリ 接続後 Go folesson 7)’へ接続すれば、誰でも見ることができる.この情報は、分あたり300ウォンという高い価格で売れている.

他の情報利用料が分あたり平均 50ウォンであることに比較すれば、だいぶ高い方だ.解説してから幾日にもならないうちに接続件数が2千余を越えた事実を見ると、顧客が少なくないようだ.

族譜室に掲載された該当教授たちは現実を慨嘆して興奮していて、帰趨が注目される.一部の教授たちは法的対応も辞さないと明らかにしている.

それなら、何故このような現象が現れたのだろうか.大学にいる時には、新入生歓迎会だ,MT(註:ミーティング;一種のお見合い)だ,などとさまざまな行事に参加すれば、講義をないがしろにするようになって、試験期になると…走り回り、徹夜し、‘ぼんやりと夜明けを迎える’ 等、色とりどりの試験風景が広がったりした.

当然、担当教授のノート筆記を行っているはずがない.クラスメートや先輩たちのノートをコピーしようと忙しく動く.そのような時、大学街にはいわゆる要点だけを選んだ‘族譜’が出回り始める.

担当教授がどんな問題を好んで、昨年にはいかなる問題が出されたのか、 一目瞭然に整理してある.‘最小の費用で最大の効果’を得る運がある最高の人気‘商品’でない筈がない.大学時期の浪漫と追憶の一ページを飾っていたこの‘族譜’が、今はもう商品として包装されて売られているのだ.

族譜室に登録されている‘族譜’の種類も多様だ.全国各大学の単科大別試験情報から、考査情報室,大学院試験族譜等、大抵の試験情報はほとんど網羅されている.はなはだしきは、族譜資料に担当教授の実名と共に、‘この教授は期末考査だけを見ます’‘この教授は用語説明だけを尋ねます’等、教授の出題傾向,個人的な情報まで含んでいて、問題点が深刻なこととして表れた.

情報提供業者は新たに付き加えて、来る6月20日まで“族譜室を開設した記念で、大学/大学院試験 族譜競技大会を開くことにした”と明らかにして、関係者を驚かせている.

評価基準も徹底して商業的だ.△最小 3科目以上 △最新族譜である場合には加算点 △族譜に担当教授の特性及び高得点戦略等の追加情報を提供すれば、やはり加算点 △教養・専攻の制限は無い △社会通念上の基準によって、優秀者を選定するという基準を定めている.

情報提供業者側では賞品も豊富に準備,‘顧客’を引きつけてしている.1等 一名には、ペンティアム級パソコン 1台,2等 2名には 個人携帯電話,3等 3名には SHARP電子手帳などを副賞として与えるという.

これ位になると、大学時期に誰でも一度は経験した‘浪漫と追憶’の位置を占めていた‘族譜’の概念を超えたようだ.お金で学問を買うことができるという、誤った意識を植え付ける危険性を内包している.

どうして、こういう情報が堂々と国内通信網に掲載できるのか疑問だ.
情報室がどのように作られたのかということと、どんな目的であるのかも、やはり疑問として残る.

情報提供業者は光州に住む李某氏(33).李氏は、さる97年初めから大学院に在学中の何名かのアルバイト生と共に準備作業を行って、最近‘商品化’したことで知られた.

李氏は“インターネットを接続し、大学生たちと教授たちの個人ホームページに収録されている族譜を集めて開設するようにした”と話した.

大学に通っていた当時、李氏は族譜を通じて、短い時間で効果的で(?)勉強する周りの学生達を見て、うらやましいと考えたという.それで、彼は各大学の試験族譜を一緒に共有できる方法がないものかと考えて、その結果としてこの情報室を作ることになったと説明した.

李氏は、また“最新族譜の場合には、国内通信網に接続,大学生たちと対話をしながら自然に得ることができた”と明らかにしながら、“一部の族譜は個人的に親密である大学生を通じて得ることもした”と話した.

族譜室に資料を提供する学生には、1件当り1点ずつ加算点が与えられて、ある程度点数が貯まれば、公衆電話カード等の謝恩品を受けられる.さる4月23日、本格的にデータベース(DB)が構築,運営されながら、現在まで2千余件の受付件数を見せている.短い期間の間に2千余件のアクセスは 反響がいかに大きいかを反映したものだ.

彼は“6月20日まで実施する族譜競技大会も、現在盛況です”と耳打ちした.競技大会を始めてから5日間で50余件の最新族譜が寄せられたということだ.この中には、今年の中間考査を見た族譜も含まれていることが明らかになり、人気が実感される.

李氏は、今後毎年族譜競技大会を開いて、最新族譜をアップグレード(情報追加)するつもりだと、計画を説明した.著作権問題についても、李氏は“著作権問題は 文学,芸術 等 創作物に限定されると知っている”とし、“既に公開された試験問題が著作権に属さないことと理解している”と明らかにした.すなわち、何も問題にならないということだ.

族譜を流通させながら、教授の実名と出題傾向などを羅列することは、個人情報に該当するのではないかとの質問に、彼は“詳細に検討したことがない”と話した.

‘ナウヌリ-フォーカス’の 情報開設業務を担当しているパク・テフン氏は“最近、中間考査期になって、情報提供業者がアイディアを提案したところ、人気があったので急いで開設することになった”としながら “開設当時、著作権問題などを議論した結果、特別に問題がないという結論を下した”と過程を説明した.

朴氏の話によれば、今回開設された族譜室は、法的に問題がないのか,社会的にどんな反響があるのか等に関する綿密な検討が欠如したまま性急に掲載したことがわかる.

朴氏も、試験問題は既に学生達に公開された状態であるため、それを包装して売っても法的に何ら問題にならないと理解すると付け加えた.

朴氏はまた“仮に著作権問題が生じるなら、情報提供業者があらゆる責任を負うようにした”と付け加えて責任問題に至った時の‘安全装置’をあらかじめ作っておいたことを暗示した.

担当教授の出題傾向,実名が公開されることはもちろん、大学試験問題をお金で売り買いできるのかという質問に、“学生達に試験情報を提供するだけのこと.むしろ、情報に接する学生達には、ある程度助けになることができる”と答えた.

‘族譜’に自身が出題した問題が登載された梨花女子大 法学科 チェ・グムスク教授は“お金で売り買いするための族譜情報室が作られたとするなら、問題は深刻だ”としながら“教育でも研究が目的でもない、商業的意図が敷かれていて、大学発展に大きな障害物になる”と話した.

チェ教授は、特に“試験期が迫れば、学生達が電子メール(E-Mail)を通じ、お互いの情報を交換することは知っている”と説明し、“試験問題に対して一緒に悩んで討論することは良いけれど、問題自体にだけ関心をおいて、それだけを追求するのは、学生の本分忘却したことだと付け加えた.

韓国外国語大 朴某教授は、自分の試験問題が族譜に上げられていることを知らずにいたと興奮した.朴教授は “そのような情報室が生まれたというのは息が詰まる”とし、記者に逆に‘いつ、そのようなものが作られたか,私の名前が本当に実名で論じられているのか’という質問を投げた.

朴教授は “大学の試験問題がどうして商品になることができるのか.それも、全国の大学の族譜が売れるというのならば、それは深刻な問題だ.確認をして、強く抗議するつもりだ”と憤怒した.

朴教授はまた、“族譜という意味の中には、教授を貶下する意識がある”という意見を表明した.毎年全く同じ講義で、変更がない試験問題を出題しているのだ、と、族譜が作られたのだろうという説明だ.したがって、族譜と共に実名が挙げられているある教授は、自分の意志と他意との間に“その教授は研究をしない教授”という先入観が内在されているのではないだろうかと反問した.

自分が出した試験問題が族譜室で取引されているならば、それ自体が教授の身分に重大な傷をつけるという主張だ.したがって、そのような情報室はすぐに閉鎖しなければと話す.

朴教授はまた“試験問題が私の名前と共に売れているのならば、私も商品として売れているということではないだろうか”と問い直して“韓国の教育はどこに行くのか、苦しいだけ”だと自嘲した.

ナウヌリ利用者 カン・ソングォン(利用者名 dave832)氏も‘試験族譜まで売り飛ばす世の中’という文を上げ、“族譜商売までするとは、完全に大同江の水商人”だと批判した.族譜は学校生活で一度くらいは見るものであるが、通信によって,その上お金まで受けて売れているという事実は理解できないという.

彼はまた“毎年全く同じ試験問題ばかりを出題し、族譜を作る環境を作った教授たちも、この機会に反省してみてはどうだろうか”と話した.族譜が生じることになったのには、教授たちにも一抹の責任があるという批判だ.

人間教育 実現 学父兄連帯 政策委院長である韓国教育開発院研究員の梁スンシル(梁承実 40)氏は、族譜室の登場に関して“全てのものを数値によってだけ評価する私たちの大学の問題点を見せてくれるひとつの事例だ”とし、“我国の大学教育は思考とか論理を開発するよりは、知識流通にだけ関心をおいている”と伝えた.

ソウル大学校 社会科学大学のある学生も、族譜がなぜ発生したかを探ってみたと話した.彼は“毎年反復される、全く同じ内容の講義と試験問題が族譜を作らせた原因と主張する.

一方、‘大学/大学院 試験族譜室’に試験問題と共に実名で論じられている教授たちは、一様に事実を確認した後、情報提供業者に抗議すると同時に“不法であるから、その情報室を閉鎖させるためにあらゆる手段を講ずる”
と興奮している. (ジョン・ジョンオ記者)