2001年6月NEWS PEOPLE 473号

[カバーストーリー] 国際資格証明 取得ブームが起きている



昼は会社員, 退勤後は受験生. 終身雇用の概念が消えながら、ふたつの顔の会社員が増加している.
もちろん、職場に吹く資格証明熱風は、昨日今日のことではない. ただし、最近起きている現象は、国際的に公認された資格証明に対する関心がどんどん増加しているということだ.
会社員たちの国際資格証明熱風は、三星証券が最近入社1年の社員107人を対象にしたアンケート調査でも如実に現れている.退勤後の時間をどのように使っているかという質問に、10人中6人が独学または学院に通って勉強していると答え、その大部分が国際資格証明の勉強をしていることが明らかになった.

また、6月3日、全世界的に同時に行われたCFA(公認財務分析士)試験に、国内受験生数が3千100人を超えた. さる98年、受験生が300人水準だったが、この4年間に受験者が10倍以上増加した. 短期間に国際資格証明に対する関心がどれくらい高まったかを見せている. この試験は、主催国の米国ですら、MBA を取得した者たちが挑戦する、難しい試験として知られている.

CFA CMA(公認管理会計士) FRM(金融危機管理士) 等、金融分野はもちろん、IT分野でも、MCP(マイクロソフト公認資格証明) CCIE(シスコ公認インターネット資格証明) 等、国内に紹介された国際資格証明は30余個を超える.資格証明関連情報を提供するサイトも数百に達し、このうち、講座サービスを提供する所が10余に達する程だ. 会社員たちも、社内スタディグループを作って、企業も資格証明取得のために、一定額の学院費を支援したり、資格証明によって本俸の20〜30%の手当てを支給している.

このように、国際資格証明に対する関心が増加したのは、最近の2年ほど.専門家は、これに対して、IMF(国際通貨基金)管理体制以後、多国籍企業や外資系金融機関が国内に進出しながら、国内の諸般システムがアメリカ化, 金融はもちろん、IT分野においても、‘グローバルスタンダード’に対する要求が大きくなっているためだと話した.

ある投資相談関係者は、“現在、6の外資系資産運用社が上陸準備を急いでいることが知られているが、これらが仮に国内で人材を採用する時、どのような基準を適用するだろうか”としながら、“学歴よりは国際的に公認された資格証明を備えた者を好むのは当然のこと”と話した.

もちろん、資格証明自体に対する関心が増幅された、最も大きな原因は、何年もの間続いた構造調整で、終身雇用の概念がなくなったことにある.会社や組織が終わりまで保護をしてくれないということを悟った瞬間から、‘一人で立つ’または、‘独立型人材’にならないと生きていくことができないという不安な心が作用した.結局、自分を高めて‘価値’を高めなければならず、その方法中のひとつが、まさに資格証明取得という結論に到達することになる.それとともに、価値を認められて通用範囲が広い国際資格に対する需要が増加している.

資格証明 ポータルサイト‘テスト フォーユー’(www.test4you.co.kr)のイ・ジェヨル社長(37)は、“終生職業の概念が導入されながら資格証明の重要性が強調されている”面から“資格証明が学閥に代わる、客観的に自身を表現する手段になりながら、他の人々が手の届かない,もう少し水準の高い資格証明に対する需要が増えている”と話した.

実務と関連のない‘公認仲介士’試験に10万名以上の受験生が群がったこととは明確に区分される.資格証明ブームの初期には、当面の必要よりは、不確実な未来に対しての保証を得たい心理が作用し、容易に接近できる試験を選んだのだ. しかし、お金と時間を投資, 資格証明を得てはみたが、自身の‘価値’を上げたり業務の助けにならず、‘使い道がない’という認識が広まるにつれて、難しくて投資もたくさん必要だが、‘栄養価’が高い資格証明に目を向けるようになったのが、最近の趨勢だ.

他の人々が持っているものとは異なる, 稀少性が高いことを追求しているので、より難しい資格証明に対する需要が起きたのだ.国際資格証明に受験生が群がるのも、そのような欲求を反映したのである. ここに、国際資格証明を取得する場合、就職はもちろん、高い年俸と成功等、身分上昇が可能だという‘幻想’が作用したという指摘も排除するのがむずかしい.

国内 CFA 第1号の イ・ウォンギ メリルリンチ証券リサーチセンター本部長(42)は、“受験生達から、資格証明手当てはいくらで、年俸はどの程度になるかという質問をたくさん受けます”としながら、“‘国際資格証明=身分上昇’という幻想から抜け出すべき”だと警告した.

この本部長は、“一例として、製造業者でマーケティングや営業を担当した人が、米国 CPA(公認会計士)試験に合格したからといって就職できるわけではありません”としながら、“資格証明とは、自身の経歴を強化して、該当分野で仕事をするための準備ができた人だという意味が含まれていることです”と強調した.資格証明が自身の実務経験と関連する時にだけ、光を放つことができるという指摘だ.

一方、国内資格証明よりも国際資格証明を好む理由に対して、三星経済研究所 イ・ユエ 首席研究員(39)は、選抜過程が違うためだと話した.

国内資格証明は、実務とは関係なく試験だけ通れば資格証明が与えられるもの等が多い反面、国際資格証明は、試験に合格しても、一定期間の実務経歴等の資格要件が完備した時に支給されるために信頼度が高いという.

一例では、CFAは、1,2,3次を全て経るのに3年がかかる. 3次試験に合格しても、すぐには資格証明が与えられない.関連分野で3年の実務経験があったところでCFA資格証明を持て、それはそのまま該当分野で最小限3年以上の実務経験を持ったということを意味するわけで、まさに実務に投入が可能だ.また、グローバルスタンダードに対して認知しているという点も、国際化時代に長所として作用する.

IT資格証明サイト ヨンジン ドットコムのシム・ヒョジョン氏は、“IT分野の国際資格証明は、マイクロソフト,オラクル, シスコ, サンマイクロ システムズ 等、IT分野の巨大企業が主管するものが大部分”とし、“これらは取引企業が自社の資格証明取得者をどれくらい採用しているかによって取引条件を別にするので、これらの資格証明所持者はそれだけ就職時に有利”と話した. 自社資格証明に対して、どれだけ保証をしてくれるということで、資格証明取得者にはそれだけ強固な後援者を持ったことになる.

シスコの場合、取引会社がシスコ資格証明保有者をどのくらい雇用しているかによって、契約時の割引恩恵などが変わるので、該当企業資格証明保有者を選考することになる.自社製品の市場占有率を高めていくという胸算用が含まれているが、グローバルスタンダードに合せて行こうとするなら、止むを得ないというのが専門家の説明だ.

しかし、どんなに水準の高い資格証明を揃えていても、英語実力や実務経歴が後押ししていないと正しく評価を受けるのは難しい.離職時の資格証明プレミアムは、概略20%程度というのが業界関係者の話で、ここには大きな期待をするなという意味が内包されている.

一方で、国際資格証明熱風が強まりながら現れた問題点中のひとつは、一部の資格講座が専門担当者養成という本来の目的から抜け出し、予想問題分析等、資格証明取得だけを目標に進行しているという点だ.とりあえず資格証明を取ってみようという心理が含まれていることと、資格証明が就職を保証してくれるはずだという幻想と教育機関の利害が噛み合って現れた結果だ.

国家公認資格証明に民間資格証明まで合わせれば、何と1000が推し量れる. しかし、資格証明取得が就職を100%保障してくれるわけではない.国際資格証明も同じだ. ‘資格証明=就職’という盲信を持たず、資格証明取得を自身の履歴をアップグレードする過程として, そして、国際化時代のグローバルスタンダードに合せて行くこととして受け入れなければならないと専門家は助言する.

カン・ソンイム記者 sunnyk@kdaily.com

 
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