2001年2月NEWS PEOPLE 454号

['デジタル アジュマ'時代] 'アジュマの生'デジタルでアップグレード 


デジタルの波がアジュマを呼び覚ましている.昨年だけでも、何と100万余名の主婦たちがデジタル世界へ足を踏み入れた.情報化時代の永遠な弱者のように見えた主婦たちが、果敢にデジタル世界へ走って行ったのである.コンピュータの電源を入れることもできなかったアジュマが、軍隊に行っている息子とe-メールのやりとりを始め, コンピュータを知らなくて小学校に通う子女をがっかりさせた主婦がインターネットの海で情報を集め、子供の宿題を手助けする.女子高の時期から、大事に保管してきた文学少女の夢をインターネットで育てる40代アジュマ, 国内最初の女性専用ポータルサイトを開いた専業主婦,サイバー相談室を運営するアジュマ, オンライン手編物事業を構想中の春川アジュマに会ってみよう. 女性というだけで利用できる女性ポータルをよく活用し、几帳面なデジタルアジュマになってみてはいかが?

未来学者と経済学者等の‘21世紀は女性の時代’という展望は甘かった.
その真意までを完全には読みだされなかったが、女性にとってはたいそう希望的なメッセージであった.さらに、21世紀はデジタル時代だと言うところに加えて, 時代の話の種の3F, 感性(Feeling)想像力(Fiction),女性性(Feminine)は 、ちょっと見ても男性的というよりは女性的だったので、現実性もあると見られ、より一層そうなっている.

女性権益第83位というこの国の現実にもかかわらず, 情報化社会では女性たちの繊細さが必要とされるという予測は、どう考えても、女性たちの生が変わるという予測だった.

ここで一度探ってみよう.厳密な意味で、その‘女性’という単語の中に‘専業主婦’や‘アジュマ’が含まれてきた.コンピュータという機械自体はもちろん、デジタルという意味のわからない言葉に臆したおばさんたちは ‘情報 疎外階層’にいち早く押し出された.老人と低学歴層, そして主婦は、ひとくくりにされて、情報格差が問題になる21世紀の情報疎外階層であった.

キム・ミスクさん(32・ソウル ソンパ区 文井洞)は、夫がインターネット同好会員たちの間でやりとりするe-メールの相手が女性だとは、ただの一度も考えることができなかった.わき目もふらない誠実な夫がコンピュータの前に座る時も、業務上必要とされた仕事なのだろうと、特別な関心もなかった. ところが、家に来た甥が偶然メールボックスをあけてみて, 夫がインターネット同好会の女性会員とあまりにも個人的なメールをやりとりしていたことを知った. “夫の‘浮気’それ自体よりも、まさに‘無知’だった自分自身がずっと悲しかったですよ.”

しかし、2001年の今日,デジタル時代は、あたかもアジュマのために開いたように見える程だ. すこし誇張するならば、‘女性のための, 女性による, 女性の’デジタル時代だと呼ぶに値する.その中に堂々と立っている人は、専門職女性をこっそりと押し退けて入ったおばさんたちだ.

ドットコム企業が皆危機に瀕したという昨年にも、女性専門サイトだけは着実に増えて100以上に達する.今も“ポータルサイトに残された市場は女性市場だけだ”という言葉が定説として受入れられている.家政経済権を持っている消費主体者としての接待かもしれないが,‘アジュマの立場’で考えて, アジュマの心を読もうとする努力が、それ以前にはただの一回もなかったことに比較すれば、変わり様もものすごい.

昨年、MBCアドコム等、7広告代理店の調査によれば、98年には主婦のうち、1.9%だけが使用していたインターネットが、99年には3.5%に, 昨年には何と20.8%と、6倍以上への増加を見せた. 主婦5人中1人はデジタルアジュマとして, この険しいデジタル時代をしなやかにかき分けて行ったと言っても、行き過ぎた話ではないわけだ.

京畿道 高陽市 イルサンに暮らしているキム・フィヨンさん(37)は、タマゴや,オレンジジュース等の生活必需品が切れれば、スーパーマーケットに走って行く代わりにコンピュータの電源を入れる.

高陽市にできた大型ディスカウントショップ見物も嫌気がさしたところに、たまたまインターネット スーパーマーケットが開場することを知った後、スーパーマーケットへの足を断った.ビニールバッグの値段も惜しいからと、買い物かごも準備しなければならず、重い荷物を運ぶのも難しかったのに、指定
した時刻にきちんと合わせて配達してくれるインターネット スーパーマーケットは、彼女には明らかに‘新天地’であった. 3万ウォン以上でないと宅配費が免除されないのがちょっと負担になったのだが、隣の家のジョン・ヘスクさん(59)と一緒に配達を頼むようにして負担を減らした.ショッピングモールサイトで高価奢侈品を買って騙された友人の話を知っていて、インターネットショッピングを頭から嫌っていたという彼女は、1週間に2〜3回ずつ市場を歩きまわっていたことから、クリック一回へと容易に自身を解放した.“デジタルがアジュマの生をアップグレードした”と、笑う.

となりに暮らすユ・ジョンウンさん(48)は、大学生と高校生の息子, 夫がいなくても、誰もいない巣を守るという孤独さはない.女性サイト対話室に入っていって、‘おしゃべり’をするからだ.生活の話もして, 他の人たちが持っている各種情報も得ながら、その前に‘する事もなく遊ぶ’と、自分を内心卑下することもなくなった.“夜遅く帰ってくる家族たちのせいで、いつも何となく寂しく,となりおばさんたちとヘルスと昼食, ショッピングに通うばかりでした.ところが、コンピュータを使いながら、なんでも聞いて, 学ぶのだと思います.他の人たちの話を聞いて、主婦憂鬱症も消えて行きました.”

デジタル時代, 会社員たちが競ってデジタルに出会ったとするなら、多少遅く始めたとしても、おばさんたちは生活の中にデジタルを楽しく,成功裏に引いてきた.地下鉄の空席にからだを飛ばし, もじゃもじゃパーマで大別されたおばさんたち
が、このように速い速度で変化したのには、どんな理由があるだろうか.政府次元から始まったコンピュータ教育が、このように大きな威力を産んだのだろうか.

“デジタル時代こそは、アジュマをのための時代”だと女性学者 イ・スギョンさん(ソウル市立大 講師・ウェブジン @ジュマ 編集長)は、躊躇なしに言う.

時間を特に持たず、場所の移動が易しくないおばさんたちこそ、デジタル時代に最も多くの恩恵を享受することができる層なのであるということが、その最初の理由だ.そして、世の中を知らずに生きてきたというおばさんたちが、デジタルを通じて世の中と疎通しながら自己自体が変化しているというのが、その2番目の理由だ.“まだ、開始段階で、時間が多少必要とされるだろうが、コミュニティを活性化する女性・主婦サイトを通じて話を交わすおばさんたちが、今後、選挙や地域社会の問題, あるいは女性権益に関する問題等に意味を集めるならば、力の拡散は大きくなるはずでしょう.このように直接的なデジタルの力を使用する層がおばさんたちであるはずだと確信します.”

単に‘無駄だ’と卑下されてきた‘おしゃべり’を通じて、おばさんたちは意志疎通を始め、自身を変化させていきつつあることは、女性サイト対話室や掲示板で いくらでもさがすことができる.

全南 光陽市に暮らしているパク・フンスクさん(45)は、‘チャットルーム’の人々との出逢いから“本当にたくさん学んでいる”と、デジタル時代の変化を喜ぶ.“専門職を持っている主婦たちが周囲にいなくて、私とは異なる世界の人々だと思っていました.ところが、インターネットで出会ったソウルの友人たちが、職場と家事を同時にやり遂げようと頑張っていて, 私よりも熱心に暮らす人であることを知るようになりましたよ.その前には、仕事をする女性に対するちょっとした敗北感というか, 敵愾心のような、妙な感情もあったのに….また、世の中が進歩していることもよくわかるようになりました. ” パクさんは世の中を広く眺めるように, 成熟してきたことは、デジタル時代のおかげだと話した.

もちろん、コンピュータをちょっと扱うことができれば、アジュマの生がすべて良くなるわけではない.
チャットや人探しサイトでの誤った出逢いのようなスキャンダルがないとしても、ひたすら自身満々,幸福になるかどうかわからない.

株式投資をするイ・ヨンエさん(36・ソウル 江南区 開浦洞)は、証券会社に直接出かける代わりにサイバー投資をしている.家に居る時は一時もコンピュータの前を
離れることができずにいる.家事にも関心がなく、証券会社に行っていた時期よりもより厳しい面もあるという. キム・ジョンミさん(39・ソウル 永登浦区 堂山2洞)は、最近、コンピュータの味を断った.“コンピュータは格別ものでもないよ!”という言葉を彼女の口から出るようにしたのは、インターネット花札賭博.夜を徹する程に陥った.

コンピュータ文明が人間疎外を加速化するはずだという予測は、大げさな憂慮だったように見える.もちろん、長短所は併せ持っているコンピュータが、世の中に向けて広く開かれた窓(window)という事実, それ自体を認識したということは、デジタルおばさんたちが変化した世の中を楽しむという反証だ.ドアを閉じるだけで、入れば徹底して周りを忘れることになるアパートが、都市生活の一般的な住居空間に変わった、この断絶の時代に、デジタルは友人を探してくれた.アパート建設業体ごとに‘サイバーアパート’を戦略として前面に押し出して、施工段階から全所帯にインターネットを設置,‘ウェブパッド’を通じて家のなかでアパート管理室と通話し、周囲と疎通することは、まだ一部でだが、既に実現した.

デジタル文明は、逆説的に産業社会から断絶された人間関係をまた繋いでくれるという楽観論が出てくるほどだ.

“コンピュータはコミュニケーションだ.” インターネットの母体になったアルファネットプロジェクトを担当したリック・ライダーという人は、60年代に既にコンピュータが計算道具やビジネスの発展以上の‘疎通’をもたらすはずだと予測した.通じない人間関係で絶望したくないのなら、デジタルの波にからだを任せなければならない程だ.

年齢や学閥等、産業社会の秩序論理が企業から消えたというデジタル時代, おばさんたちも変化しているということだけは明確に表れている.家の中から世の中を見通す大きな窓をひとつずつ持つことになったデジタルおばさんたち, 彼女たちはその窓を熱心に使うことだろう.自身を変化させて、いっそのこと世の中
を変えるということだ. アジュマは国の柱だという点で、デジタル時代の柱になっていくだろう.

ホ・ナムジュ記者[yukyung@kdaily.com]

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