2001年2月NEWS PEOPLE 454号

[人と人] 日本列島の心琴を泣かせた殺身成仁(註:義のために身を捨てる) 留学生 イ・スヒョン氏 



“貴方が韓国人だという点が、あまりにも誇らしいです.”

“貴方がうらやましいです.私が持っていない勇気を持っていたという点で, 貴方を尊敬します. 他の人々がすることができない行動を見せてくれた点で, 貴方がうらめしいです. 立派な貴方をあまりにも早く失ってしまったことに…”

“美しい青年の貴方は死んでいません.”

電車の線路に転落した日本人飲酒者を救おうとしたが、列車に 轢かれて亡くなった韓国人留学生 イ・スヒョン(李秀賢 27)氏の‘義に徹した死’が、韓日両国に途方もない反響を呼びおこしている.

あたかも、‘サイバー国葬’が行われている感じだ.‘弔問行列’が列をなしている.在学中に趣味生活でしていた音楽(ギター)とマウンテンバイク, 歌手である恋人についての誇り等、彼の率直な人間的な容貌が含まれたホームページ(blue.nown
uri.net/〜gibson71
)には、一日4万名以上がアクセスしていて、追慕の文が一日2千件以上上がってきている.小学生から年を召した人はもちろん、韓国と日本, 香港・米国等、地球村の隅々からせつなさが含まれた文が連なっている.

イ・スヒョン氏がむごたらしい事態にあったのは、1月26日午後7時18分頃.日本 東京 新宿 JR山手線 新大久保駅で泥酔状態の日本人 坂本成晃氏が線路に落ちると、彼はプラットホームから走って降りてきて、日本人 関根氏と一緒に共に坂本氏を救おうとしたが、電車に轢かれて共に亡くなった.

酷薄な世の中に、イ・スヒョン氏が行った自己犠牲は、言論に大書特筆されながら韓日両国で全く同じく感動を呼びおこし、‘イ・スヒョン シンドローム’へ広まる兆しだ.イ・スヒョン氏が高麗大 貿易学科 4学年を休学して、より広い世の中を見るのだと、日本の赤門会日本語学校で語学研修中、インターネットカフェでのアルバイトを終えて寮に戻る途中であり、韓日両国の架け橋の役割をすることを希望していたという理由には、日本人まで首をうな垂れた.

悲報を伝え聞いて日本に渡ってきたイ・スヒョン氏の父母,イ・ソンデ(李盛大・62)シン・ユンチャン(辛潤賛・50)氏に、日本政府 スポークスマンの福田官房長官が日本政府を代表して弔問し、彼を知らない市民たちも後を続けた.福田長官は、"日本政府の代表として、謝罪の意を伝える(註:原文通り)"としながら、"イ・スヒョン氏の死がむなしいものにならないように、韓日友好親善のために努力する”と確かめ合った.彼が通った赤門会の理事長である在日同胞 パク・シチャン(朴時賛)氏が中心となり、日本全国の240余の日本語学院が彼を追慕するための募金活動に入っていった.日本言論は、遺族へ弔意金を贈りたいという読者の問い合わせが殺到したことから、新聞社で受付けることにして、案内電話番号と入金口座を開設することもした.韓国の警察庁格の日本 警視庁も、イ・スヒョン氏の犠牲精神を賛えて、日本内閣は別途に賞を授けた.

青雲の夢を抱いて行ったイ・スヒョン氏は、日本で火葬されて、遺骨で故郷の釜山に帰ってきたが、彼の家の4代にわたった日本との奇異な縁は、韓国の現代史を圧縮したようで、より一層せつない理由で数多くの人々の心琴を泣かせた.イ・スヒョン氏の父は、“スヒョンの曽祖父は日本で亡くなり、おじいさんは徴用で引きずられて日本の炭鉱で非常に苦労したうえに、私は大阪で生まれて六歳まで住んだ”としながら、“スヒョンが日本で亡くなったので、4代が日本と因縁を結んだことになる”と惜しんだ.

一方、ポータルサイト ナウコムは、故 イ・スヒョン氏を永遠に賛えることができるように、5MBだったホームページ容量を無制限に増やし、永久保存することにした.

ジョ・ミョンファン記者 river@kdaily.com

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