さる19日午後2時、梨花女子大
大講堂.延世大・高麗大・成均館大・梨花女子大
・西江大・漢陽大・慶煕大等のソウル地域7大学の合同入試説明会は、学父兄と受験生4千余名で大混雑した.
大講堂の3千席でも不足し、簡易椅子が動員されて、階段にまで足の置き場がないほどだった.
説明会が始まると、受験生と学父兄は、大学側の選考方法及び同点者処理基準などを一言も聞き漏らすまいと神経を尖らせた.大学側も参席者たちのいらだちと不安感を意識していたようで、与えられた時間を最大限活用,
誠実に説明した.
‘点数インフレ’を作り出した‘2001学年度大学修学能力試験’の後遺症をそのまま見せる現場だった.さる17日、中央教育振興研究所・鍾路学院・大成学院等、私設入試専門機関は、各々全国6万余名ずつの受験生を対象にした‘修学能力仮採点結果’を出した.
仮採点結果発表は、直ちに受験生と学父兄たちに‘修学能力ショック’として受け取られた.
修学能力試験以後、簡単だったという分析が大勢だったが、全体の平均が20点以上も上昇するとは、想像さえできなかったためだ.
修学能力試験当日、大部分の私設入試専門機関等も‘容易に出題された’と分析しただけで、‘どの程度簡単か’具体的に計ることができなかったのだ.
試験が終わると、‘この程度なら…’という受験生と学父兄たちの浮き立った気分は、二日後には‘どの大学に行くことができるのか…’という不安感に変わった.
大学も“高得点者が押し寄せるのに、なにを見て受験生の当落を分けるのか.弁別力がない修学能力試験を、なぜ行うのか”としながら、政府に向かって‘修学能力試験無用論’まで持ち出している.
大学修学能力試験は、さる93年に大入学力考査を廃止して導入された.
94学年度から‘修学能力世代’が始まったわけだ.修学能力試験は、言葉そのままに、大学での修学能力を測定する試験だ.
導入趣旨は、学生達の受験負担を軽減することと、高校教育過程の正常化を成し遂げることだ.
導入初期の93〜95年まで、修学能力試験は、本考査と併行された. 96年から本考査が廃止されながら、修学能力試験以外に、論述と面接試験だけが実施できるように制度化した.
修学能力試験は、96年までは概してむずかしいという評価を受けていた
.年毎に、全体平均が7〜10点程落ちていた.
ところが、97年、すなわち98学年度を基点に、全体平均点数は大きく上がり始めた.
何と、前年度に比べて、10.45点も上昇した53.13点にまでなった.当時、容易になった修学能力試験は、課外費軽減,
公教育の強化等の助けになることであり、学父兄と学生だけでなく、市民団体までが歓迎を表した.
99学年度の修学能力全体平均点数は60.1点で、前年度には62.4点に上がっていた.
2001学年度には、70点台に肉迫するものと見られる.
もちろん、私設入試専門機関が分析した数値だ.
2001学年度の系列別点数(400点満点)上昇幅は、前年度と比較して,
人文系23点・自然系20点だ.4年制大学に入ることができる上位50%上昇幅は、人文系24.7点,
自然系23.7点だと予測される.途方もない‘点数インフレ’だ.
したがって、99学年度とその前年度に1名ずつに終わった満点者が、数十人に達するはずだという推定も頻繁に生じている.そのため、ソウル大法科や
医科の予科等に志願した満点者が、ともすると内申書のわずかな点差で不合格になる可能性もなくはないという観測も信憑性を得ている.
修学能力試験を総括する韓国教育過程評価院の朴道淳
院長は、試験当日のさる15日の記者会見で、“難易度は前年度と似た水準を維持か、多少低くなる”と明らかにした.
前年度の上位50%の平均は、77.5点だった.
修学能力出題委員長を引き受けた金任得
漢陽大師範大学長も、やはり、“上位50%の平均は、66.8点〜77.5点になる”とし、朴院長の話をより具体的に説明した.彼らは、“予測の正確度は70%程度”としながら、“難易度は受験生だけが理解する”という但し書きを付けた.
朴院長は、さる10月17日、出題委員たちが修学能力試験出題本部に入っていく直前に、次のように明らかにしたことがある.
“今年の修学能力試験の難易度は、昨年と全く同じ水準で出題してくれと出題委員たちに要請した.
やさしかった領域はやさしく,
難しかった領域は難しく出せということだ. 2002学年度には、新大学入試制度が施行されるだけに、弁別力にも大きく神経を使わないだろう.”
朴院長が注文した難易度と出題委員たちが出した試験の難易度には、明確に大きな差がある.
前年度最も難しかった言語領域と数理探求T領域は、あらゆる受験生の‘点数畑’になった.
言語領域は、前年度に比べて18〜19点程度上昇して現れた.上位圏の受験生たちは、“数理探求Tでは、80%が公式だけ代入すれば機械的に答が出てくる程の中学校水準の問題ばかりだった”と話す.
ここに、‘質問項目がやさしくても、核心的で基本的な内容を問う質問項目は高く(3点),
相対的に難しい質問項目や教科課程上比重が低い質問項目は低く(2点)点数をあたえる‘差別配点制’が、修学能力点数を膨らませるのに大きな役割をしたという、第一線の教師たちの主張がある.
朴院長は、これに対して、さる18日“学生たちに学業の興味を与えるために‘差別配点制’を実施したし、弁別力にも大きな問題はない”としながら、“来年も、修学能力はやさしく出題されなければならない”と強調した.
“弁別力は単純に数値で表すことではなく、能力で是非を判断しなければならない.380点は合格で、379.5点は落ちるなどという話が道理に合うだろうか.修学能力試験が大学入学学生選抜のための絶対的な基準になってはならない”
朴院長が修学能力の弁別力がなくなったと主張する大学に向かって言った言葉だ.
実際、2002学年度から修学能力成績は9等級に分けられるうえに、少数点以下の点数も与えられない.
教育部関係者も、“大学自らが修学能力自体にだけ依存するのではなく、修学能力の領域別加重値,
受験生の素質・適性等、多様な選考資料を開発しなければならない”としながら、“大学選抜基準が多様化になれば、自然に弁別力問題も解消する”と繰り返し明らかにした.しかし、学生を選ぶ大学と、進学しようという学生側から見れば、朴院長と教育部側のこのような立場は鬱陶しいばかりだ.
特別上位募集で修学能力成績だけで100%選ぶ84大学中の相当数の大学は“今年の修学能力試験は選考基準としては、事実上価値を喪失した”と評価する.大学関係者たちは“現実的に、修学能力成績以外の他の選考要素で選抜するのはふさわしくない”と率直にさらけ出している.
“学生たちを選ぶことができる定規の中で、客観性と公正性を持っているのは、修学能力試験しかない.
内申書は成績を膨らませていて、信頼性が低く,
心証面接をするにしても、390点を取った学生と学父兄が、387点を取った学生よりも面接で落ちたとするなら、納得するだろうか”としながら、大学側の不満は並大抵ではない.
ソウル大
クォン・ドゥファン教務所長は、“修学能力領域別加重を適用しても、領域別満点者が2%にもなれば、全国的には2万名近くになり、弁別力がないのと同じ”と話した.
ソウル大側はこれと関連,
最近、弁別力を失った現・修学能力試験制を全面改編,
平易な水準の修学能力Tと難易度の高い修学能力Uに2分化し、弁別力問題を解決しなければならないとしながら、公式的に対案を出した.
一部の大学は論述考査以外に禁止されている紙筆考査を解禁して、学生選抜に弁別力を備えるようにするべきだという主張も提起している.
修学能力試験に対する弁別力問題をめぐる教育部側と大学側の、このような攻防は容易に溶解しない展望だ.
パク・フンギ 行政ニュースチーム 記者 hkpark@kdaily.com
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