出発から話題を集めた、ソウル警察庁
‘女警機動隊’は、それまでの一部の憂慮を完全に洗い流して、今は堂々とした国際的‘スター’になった
.その憂慮とは、女性には難しい機動業務をうまくやり遂げることができるかという点だった.
さる10月20日、アジア・ヨーロッパ首脳会議(ASEM)が開かれたソウル
三成洞一帯.
デモとテロ防止のために戒厳令を彷彿させる警護・警備作戦が繰り広げられていた.
ところが、会議場に入る各国の首脳たちが一様に視線を止める所があった.
まさに、会議場周辺に配置された美貌の女性警察官たちだった .彼女たちは、ソウル警察庁
女警機動隊所属で、青い制服の端正な姿に明るい微笑で、会議参席者の安全を図っていた.
ASEM会議を取材するために参加した各国の取材陣も、韓国の鉄桶のような警護・警備作戦を取材しながら、“明るい微笑の女性警察官たちが会議場周辺を守っていて、会議はより一層安全で穏やかに進行している”と、女警機動隊の活躍を世界各国に打電した.
これのみではない.
会議場周辺を出入りした各国の首脳たちも、彼女たちに親指を示して激励をしたかと思えば、警護責任者に女性警察の運営方式に対して特別な関心を見せることもした.
このように、女警機動隊はASEMを通じて、世界各国の首脳たちに広報は勿論、良い印象を残す決定的な契機になった.
昨年5月21日午後.女警機動隊の活躍が米国のCNNにより、全世界に生中継された.当時のCNN放送の中継内容はこうだ.
“過去、韓国のデモはたびたび警察とデモ隊との暴力的な状況でしたが、最近では全く変わっています.
催涙弾を発射する警察ガス車, 石と火炎瓶を投げるデモ隊,
黒い色の鎮圧服で武装した機動隊員たち,
このようなイメージは、韓国のデモの姿と関連される場面です.
しかし、いまはこういう姿を見ることはありません.
すっきりした服装の女警機動隊員たちが、デモ隊と同時に歩いています.
デモ隊のために必要とされるときは、交通を遮断したり、デモ隊に向けて行進を誘導する放送をすることもします.
女警機動隊員たちは、平常時はそれぞれ他の部署で勤めていて、少ない数であるのに、その重要性は男性よりも小さいということはありません.
女警機動隊員たちは、今後、秩序維持次元で重要な役割をすることと思えます….”
この日、CNNは異例的に、2時間間隔で4回放送を送りだした.また、日本
NHK, フランス ルモンド紙,ドイツ 放送, 香港 スターTV
などでも詳細に報道した.
これ位になれば、韓国の女警機動隊は、これ以上説明が必要ない程に国際的に有名になったと言える.
ソウル警察庁 女警機動隊は、昨年3月2個中隊273人で創設された.年齢は満40才未満に、皆テックォンド
合気道等の武術有段者で構成された.
創設目的は、新しいデモ文化の定着のために,
すなわち、デモ隊と一般人とのポリスライン構築で、平和的なデモ文化を誘導するためであった.
女警機動隊長はキム・ヘギョン警監(ボックス記事参照).中隊長は2人であり、中隊別に3小隊ずつ編成されている.また、273人全員が常に動くわけではなく、平常時には1個小隊,
すなわち56人だけが機動任務を受け持っている. ASEM等、重要な行事やデモ発生時に273人全員が投入される.
彼女たちは、昨年3月14日の龍山駅‘公共勤労連盟集会’を始め、これまで147回緊急動員された.
女警機動隊
関係者は、“先般のソウル駅‘メーデー’集会を平和デモとして先導するなど、女警機動隊は99年と2000年を催涙弾のない新しいデモ文化を定着させるのに一等功臣の役割をした”と話した.
また、別の関係者は、“ASEM行事時、女警機動隊員全員が動員され、NGO等の非政府機構の示威を平和デモとして誘導することによって、国内外の行事関係者たちから大賛辞を受けた”としながら、女警機動隊を高く評価した.
結局,
このような女警機動隊の活躍で、“女警たちの軟らかい力が、物理的な力よりも強さを見せた”というのが、警察内外の一様な評価だ.
しかし、彼女たちの‘痛み’もある.
主にデモが週末に発生する現象のためだ.
一週間を通じて各部署所属の本来業務を遂行している途中で、週末午後にデモ隊に投入されることによって、母親として,
夫人としての役割を正しく出来ないという‘二重苦’を体験していることだ.
また、過激なデモ隊に出会えば、万一の事態(罵声とセクハラ等)にともなう突発状況も甘受(?)しなければならない.
彼女たちは、また、単純にデモにだけ出動するわけではない.
性犯罪を予防するために、女性高等学校に出張,
護身術などを教えることもする. これまで14校 7千余名を対象に実施したし、既に61校が護身術講義申請をしている.
このように、昨年スタートした女警機動隊は、警察内部だけでなく隊内外でも多くの人気を呼んでいる.
◆女性警察官 沿革◆
・46年7月1日 公安局 女性警察課設置
・47年1月 女警500人 第一線警察署配置.2月には女性警察署創設.
・57年7月 女性警察署廃止.各警察局 保安科に女警係設置.
・61年5月 女警係廃止, 一般編成に吸収.
・84年 182センター女警配置
・99年 3月 112司令室 60余名女警配置.
・99年 3月 女警機動隊 創設.
[キム・ムンギ記者]
[インタビュー] ソウル警察庁
女警機動隊長 キム・ヘギョン 警監

“わたしたちは、平和的なデモ文化定着のために最善を尽くしています.昨年と今年だけを見ても、催涙弾の臭いはもう味わえません.”
ソウル警察庁 女警機動隊長 キム・ヘギョン(40 金海敬)
警監は、とても難しいことではあるが、韓国デモ文化を変化させたということに、大きなやりがいを感じると話した.
キム警監はまた、“隊員達の中には家庭を持った女警たちが多いけれど、彼女たち皆が同じ点で相当な自負心を持っています”と説明した.
巡査出身で、さる80年に警察の制服を着た彼女は、華麗な勤務経歴を持っている.大統領府
令夫人警護を8年間担当した.イ・スンジャ・キム・オクスの、二令夫人に影のように随行した.朝の出勤から大統領官邸に退勤する時まで、密着警護を専担した.
警護室で主管する射撃大会でも、数回特等射手として認められた.武術の実力もまた卓越している.合気道4段,テックォンド4段,特功武術2段だ.大抵の男の4,5人程度は、まばたきする間に制圧する程だ.
“今後、女警機動隊の活躍に多くの激励を送ってください.” |
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