
討論の俎上に上がった‘祭事’に対する若者達の考え、ひとつ.“家族のための名節であって、名節のための家族ではないではないか.それなら、名節や、祭事とはなんだろうか? 祭事は、それまで会えなかった家族に会い、亡くなった方達を賛えるというのが正しい意味のようだ.”
‘祭事は家族のパーティー’と考える新世代たちがインターネットを通じて祭事を行なう‘先端サイバー
名節’を紹介している.彼らは既に、‘精神’は消えて、‘形式’だけが残っている名節や祭事が消える日が遠いわけでもないと主張している.
ソウル江南のEベンチャー職員のジョン・ヨンガンさん(27).9年前に父が亡くなったジョンさんは、お母さんと一緒に暮らしている.大学生の時、ジョンさんは年毎5〜6回ずつ、父や先祖の祭事と墓まいりのために釜山へ通った.クルマでも渋滞すれば、10時間以上もかかることは当たり前.ジョンさんは“父を懐かしがりながら賛える日であるのだが、祭事に対する負担感で母とひどく争う時が多かった”と話す.
ジョンさんは、こういう負担感を減らし、父が恋しくなるたびに父を訪ねることができるように、今年初め、仮想空間に
‘サイバー 墓碑’を一つ作った.‘父の部屋’と名付けた、このホームページには、父の生前の姿と、父に対する追憶,そして、さる正月にデジタルカメラで撮った父の墓の姿などがアップされている.
ジョンさんとジョンさんの親戚たちは、名節や祭事の時はもちろん、故人が恋しい時ごとにホームページに接続, 追慕の文や故人にしたい話を書きこんでいる.ジョンさんは
“何より、イタリアでの勉強のため、2年に一度ずつしか韓国に来れない姉が非常に喜んでいる”と話した.
日本ではこのような‘サイバー墓碑’が、90年代末から既に大きな人気を博している.日本の代表的な葬儀業者
リース(Liss)社は、加入顧客が随時コンピュータを通じて、先祖と家族などの墓を訪ねることができるサービスを提供している.リース社の‘サイバー墓碑’では、故人の人的事項
死亡日 趣味
遺言等はもちろん、生存当時の肉声と動きまで記録されている.
リース社の主な顧客は、故人の墓地が遠かったり、火葬をした人々.好きなときにリース社のホームページに接続して、故人の記憶を蘇生する.仏教コーナーを選択すれば、僧侶の読経を聞いて、厳粛な雰囲気の中で祭事を行うことができる.利用料は、加入費10万円に年間墓まいり費1万円.その他にも、寺の納骨堂に遺骨を安置した人々は、該当の寺の僧侶が読経する姿をインターネット生中継で見ながら法事を行なうこともできる.
韓国でも火葬文化が定着しながら‘サイバー墓まいり・祭事’が共に増加している.ソウル市
施設管理公団傘下の霊園業者は、このような趨勢に助けられて、昨年
2月、時間と場所に拘束されない‘サイバー追慕の家(www.mwmorial-zone.or.kr)’を開設した.サイバー追慕の家では、故人の写真, 生前の姿(動画像), 肉声などに接することができ、遺族が自身の家でコンピュータを通じて、故人に対して黙念をしたり法事を行なうことができる.
また, 故人に切ない追慕の趣旨を表すことができる‘空の国
郵便局’コーナーが用意されて、遺族や知人が故人に伝えたい言葉や事柄を手紙に書いて共に読むことによって、故人に対する切ない情を交わすことができるように運営されている.納骨保管期間(15年)は、ただで利用できる.霊園業者(031-960-0235)に動画像, 写真資料などを提出すれば、個人別に‘追慕の家’サイトを作ってくれる.
霊園業関係者は、“遺族や知人が海外出張等で納骨堂を訪ねることが出来ない場合、いつ、どこでても故人の形跡を感じることができるようにしようというのが、事業の趣旨”とし、“これを通じて、火葬に対して漠然と拒否感を持っていた市民も、自然に火葬に賛同できる契機になることができる”と話した.
さる南北首脳会談の折に、霊園専門会社が、既に故人になった北5道民(朝鮮には慶畿道や全羅道など、計8道ある)や北朝鮮に墓地がある離散遺家族にサイバー霊園
‘空の国(www.hanulnara.co.kr)’に、先祖の墓院をただで作っあげることもした.空の国も、故人の履歴・経歴と写真・音声・動画像をサイバー空間に応対して、
インターネットで献花・焼香・祭事までできるように組まれたインターネット仮想墓地だ.
空の国
カン・ドング社長は、“南北交流がアクティブになれば、北の墓地写真と影幀を入手し、サイバー空間に上げることができるようにする計画”と明らかにした.彼は“インターネットはどこからでも接続できるので、私たちの霊園が将来、南北に別れた離散家族間の生死を確認する場として利用されることを願う”と付け加えた.
故人を火葬せずに霊園に安置した場合にも、サイバー
霊園を通じて訪れて祭事を行うことが可能だ.カプサン公園霊園(www.kapsan.co.kr)は、代表的な例だ.そこでは、全季節の墓地の管理状態を確認することができる.また、頻繁に訪ねるのが難しい霊園を、インターネットを通じて故人の墓地をリアルタイムに訪ねることができる.
管理状態まで確認することができる.カプサン霊園のホン・スンウ理事は“故人の生前の姿及び肉声と履歴,
経歴,
追慕の文などを共に収めて、実際の墓地よりも親近感を持って故人を賛えることができる”と話す.
誕生日,
結婚記念日等、サイバー空間での祝賀行事を主管するファミリーコリア(www.familykorea.co.kr)でも、グラフィック画面で祭事を行なうことができるサービスを提供する.‘ファミリーコリア
暦’では、その日の祭事, 誕生日,記念日等、家族の小史 を入れる.個人のホームページを‘www.familykorea.com’に開設する場合、10ページ当たり20万ウォンだ.
献花もお供えも、皆にせ物だ?既成世代たちの中には、サイバー祭事が‘にせ物
’で法事を行なうことだと怒りを爆発する方達もかなりあるということだ.これに対して、ミッシー主婦
ジョン・フィヨンさんは、“写真さえ見たことがない方達の祭事をするために,
私がいない時はどうやって祭事を行うのでしょうか、一人でお供えの用意をしなければならない時、あまりにも不合理な気がします”としながら、“祭事が家族と共に故人を賛えることに意義があるならば、両膝を曲げて整える祭事とサイバー祭事には、どんな違いがあるのでしょうか?”と吐露する.
‘サイバー祭事’礼讃論者は‘サイバー祭事’が便利で容易だという以外に、故人に対する親近感を一層高めてくれて、また、生きている家族たちの情もより一層深くすると主張する.動画像や肉声等で故人を忘れないし、家族とはコメントを交換したり、チャットを通じて、お互いの考えをよりよく伝えることができるためだとのことだ.また、仮想空間に葬られた故人は、半永久的に数十代の子孫も訪ねることができる長所があるという.子孫たちにとって、家計面でも教育面でも良いというのが関係者の説明だ.
何より、誰でも訪れることができて、共に祭事できるという点が魅力的だ.普段、周辺の、愛したり尊敬した人や、家族でなければ、場所や時間上の問題で故人を追慕するというのは難しいことだ.しかし、仮想空間にある故人には、誰でも訪ねて見ることができて、献花と弔問録に追悼辞を記録できる.
イ・ジンア記者[jlee@kdaily.com]
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