男性中心の
軍隊社会に ‘女性 用心令’が下された.最近発生した現役師団長セクハラ事件で、軍当局は、緊急指示を全軍部隊に下し、セクハラ事件再発防止を積極的に進めている.
また、陸軍当局は、夫婦同伴会食席等の一部会食文化の弊害を根絶するための禁忌事項を用意,
各部隊に訓令をおろした.7月1日からは、セクハラ関連者が強度が高い処罰を受けることになり、男性軍人は、今後、‘女性を格別に用心しなければならない境遇’に置かれている.合わせて、軍隊内の長い間の慣行のように考えられてきた、会食文化も相当に変わるものと見られる.
前方部隊の領官級将校たちは、“今回の現役師団長のセクハラ事件は、将校社会に少なくない衝撃を与えた.特に、兵士たちが将校社会をどのように眺めるだろうか”としながら、“今後は夫婦同伴の会食の席を避けることはもちろんで、身の振り方により一層神経を使うべきだ”と話した.
今回の軍將軍のセクハラ事件も、通常的な夫婦同伴の会食の席で発生したという
点で、軍隊会食文化の弊害を端的に見せている.その状況を詳細に振り返ってみると、こうだ.
さる6月7日夕方.鳥致院 附近のある動員部隊長 ソン某(54.陸士27期)准将は、部隊訓練を終えた後、部隊内の将校食堂で会食の席を持った.たいていは、訓練が終われば“ご苦労でした”と、部隊別に会食の席を持つことは通常的なことだ.この日は、師団長が部下の指揮官を師団本部に呼んで、連隊長大隊長、そして連帯参謀たちと共に、酒を呑みながら食事をした.師団長は、部下の将校たちに“訓練は成功的だった.たいへんご苦労だった”と、酒を1・2杯ずつ薦めた.
そのように2時間余を過ぎると、雰囲気が一度に高まった.予定になかった‘2次会’の話が突然飛出してきた.夜10時頃、彼らはその場に参加していた某大隊長官舎に席を移した.いまではかなり変わったが、過去、一心会出身等、いわゆる生え抜きの‘大隊長’たちは、別荘にも劣らない程のもっともらしい雰囲気まで揃えた官舎で暮らすこともあった.壁一面に広く設置された窓ガラスに、広いフロアで、ダンスの手並みを発揮することもできる、ということだった.
この日の某大隊長官舎でも、そのような雰囲気が演出された.2次会に参加した人は、領官将校6人とその婦人たち、計11人だった.彼らは、洋酒を互いに注ぎ合って、ほろ酔い機嫌になると、誰ということもなく、‘ブルースタイム(註:韓国ではいわゆる"チークタイム"をこう呼ぶ)’が、自然に演出された.歌がさりげなく流された.ソン某准将も、ある領官将校の婦人に迫り、“踊りましょう”と言った.夫の直属上官の要請であるから、拒ばめないその婦人は、夫の表情をちらりと見て立ち上がった.フロアには、師団長と部下将校の‘ブルース舞台’が広げられていた.ところが、この時、誰かが立ち上がると、床の照明灯を‘サイケデリック照明’のように消したり点けたりした.
酒に酔っていた師団長は、自身の夫人と錯覚(?)したのか、部下の将校夫人の顔に唇を押しつけ、‘密着’の強度を高めた.手は既にお尻を撫でていた.うろたえていた部下将校の夫人は“おやめください”と、手で押し退けてやっと抜け出した.すると、師団長はまた違う将校の夫人を呼んだ.そして、これと似た状況がまた行われたのだ.突然そんなことをされた夫人2人は、不快な気分を努めて隠して席を立ってしまった.酒に酔った師団長は、部下将校たちに、その婦人を連れてこいと叫ぶこともした.
この光景を見ていた他の将校たちは、師団長に対し、“これはあまりにひどいことではありませんか”と、抗議をした.しかし、酔中の師団長の耳に入るわけがなかった.
気まずくその席を終えた時間は、明け方3時頃.師団長にひどい目に合わされた夫人は、まんじりともしないで夜を明かした後、翌日、軍捜査機関を通じて陳情をするに至った.
だが、その婦人は途方もない組織の前に、もう一度泣かなければならなかった.陸軍首脳部は、このような事実を隠してきて、さる6月26日、情報提供を通じて言論に報道されると、“淫らな行為はなかった”と否認する等、事件を縮小するのに及々とした.ソン・ヨンジェ陸軍参謀次長は、“ソン准将が酒癖が悪く、部下たちに常習的に暴言を言って、部下の信頼を失ったし、師団長の命令が執行されない等、部隊掌握力が落ちたので、早期交替することになった”と、解任理由を弁解することまでした.
陸軍当局は、6月27日午前に事件当日の真相を公開することを求める出入記者たちの強力な抗議を受けて、事件内容をブリーフィングすると約束.
特に、一部陸軍関係者は“酒に泥酔した状態では、歌を歌って、手の甲にキスして、頬を寄せたことは十分にありえることではないだろうか”
“それを淫らな行為といえるだろうか”と反問,
相変らず時代錯誤的な考え方に染まっていることをあらわした.
より一層せつないことは、事件が行われた日は、殉国及び護国英霊を追慕する顯忠日翌日のことであり、南北首脳会談を控えて、政府各部処と全軍,
全警察に非常勤務指示が下されていて、大部分が勤務者勢を整えていた状況であったという
点だ.そのような状況で、たとえ後方でも、師団長と連隊長 大隊長
連隊参謀たちが酒に泥酔したまま、翌日の明け方まで歌を歌って踊っていたことは、軍会食文化の暗い断面という非難が少なくない.
これと関連して,
ある領官級将校夫人は、“師団長など、夫の直属上官が無理に酒を薦めたり、踊ろうといえば、断固として拒むのはほんとうに難しいです”としながら、“でも、以前はそのような会食が多かったのが、最近になってからはかなり減ってきています”と
耳打ちした.彼女はまた、“軍は階級社会であるために、夫の進級のためには、相当な屈辱もやむを得ず耐えなければならない時が多いのです”としながら、今回の事件を契機に、楽しく健全な会食文化に変革すれば良いと付け加えた.
Copyright (c)1995-2000, 大韓毎日新報社 All rights reserved.
E-Mail: webmaster@seoul.co.kr
|