2000年3月NEWS PEOPLE 411号

[軍事] 新世代将校 "泣きたいよ"

 
兵営文化が急速に変化している.禁煙をよく守る兵士に外出外泊のインセンティブ(許可)を与えるかと思えば、“寝床3線に整列”で象徴される緊急点呼まで消えている.恐怖の点呼時間にTVを見たり休息を取って、健康状態等の簡単な人員点検だけを受ければいいとは、往年の勇士たちが果して夢にも考えたことがあっただろうか.

これだけではない.日課時間後には、英語とコンピュータ学習はもちろん、各種サークル活動が連なっている.ビリヤード 卓球 ジャズ コンピュータ 演技 学習班など、ないものがない.過去、日課後の使役や内部班清掃に動員されてぶつぶつ言っていた時期とは全く違う状況だ.新世代兵士たちはこのような雰囲気を、当然喜んでいる.しかし、予備役を含む10年以上勤めた下士官や将校たちは、“軍は厳正な軍規によって戦闘力が培養される”としながら、“個人の私生活だけを配慮する組織が、ともすると崩れないかと心配になる”と憂慮する.

それなら、このような新世代兵士を指揮監督する将校たちはどうだろうか.特に新参少尉たちは兵士と同じ新世代という点で、より一層気になる.

これと関連して, 前方部隊に勤める将校たちは“大体適応をしているけれど, 特に新世代少尉たちがうまくできない場合が減ってきている”としながら、“新世代兵士たちを第一線で扱うのは、過去よりは何倍も大変なことと理解する”と皆が話す.

最近発生した、前方部隊初級将校自殺事件も、 部隊適応を上手にできないところから始まったことが伝えられている.もちろん、現在、軍当局が捜査中ではあるが、いろいろな情況から推測して、家族もそのように受け入れているようだ.したがって、他の‘疑問詞’事件のように長期化になる可能性はほとんどないということが、軍関係者の説明だ.

学士 34期出身の尹某少尉は、さる2月26日、初めて赴任地の ○○師団内で通信小隊長を受け持った.総じて、初任将校たちは赴任地で一定の適応教育を受けるようになっている.おりしも部隊は訓練中で、尹少尉は補佐職だけの状態で待機していた.ところが、皮肉なことに、待機中の状況で隊内に数種類の事故が発生した.自身の小隊員と関連していて、尹少尉はこれを収拾しようと努力したが、思うようにならなかった.その上、上司からは叱責を受けることになった.

普段、内省的で口数が少なかった尹少尉は、この時から苦悶に陥って、何日も夜の睡眠をとれなくなった.3月3日、彼は最後に、二人と携帯電話で話した.ひとりは、共に赴任してきた同期生であり、他のひとりは尹少尉のお母さんであった.
捜査関係者は“通話内容を追跡してみると、‘難しくてできない’‘寝ようにも眠られない’という、苦しさを吐露する内容だった”と耳打ちした.
結局、尹少尉はお母さんとの最後の通話を終えて、その日(3月3日)午後3時30分頃、隊内BOQ(将校宿舎)で首をくくった ことが伝えられている.

事件発生直後、捜査関係者は、具体的な遺言や遺書などがない関係で、速かに解剖検査を決定した.暫定的に下ろした結論は自殺だった.家族も、捜査関係者のブリーフィングに一旦同意して葬儀まで行った.最終捜査結果は、3月23日前後に公式発表になる予定だが、いままでの状況と異なることは特にないものと捜査関係者は伝える.軍当局も、尹少尉の事件を, 部隊適応のできないところから来る憂鬱症などが重なって自殺したとこと結論していることが伝えられている.

今回の事件を置いて、領官級将校たちは 新世代将校たちの脆弱な姿の‘典型
’とみることができると話す.首都圏 防衛隊で大隊長を受け持っているK中佐は、“最近の新世代将校, すなわち新参少尉たちは、兵士たちから意地悪されることがたびたびある”としながら、ここに加えて、上官に叱られる状況までが重なる場合、新世代の初級将校には、耐えるのが難しいという.こういう場合に自殺する脆弱な新世代将校たちもいくらかは居ると話す.

また別の前方部隊の大隊長C中領は、“過去、新参少尉が転入してくると、下士官たちが率先してよく適応できるように兵士たちとの橋渡しの役割をしたが、最近の下士官は数が非常に足りず、何もできないのが実情”としながら、何も知らない新参少尉が、無理に多くの仕事をしなければならない時が多い、と自ら分析した.彼はまた、“さる94年、‘小隊長調教 ’事件が暴露されて衝撃を与えたように、暗暗裡に上級者暴行事件が時々発生する”とし、こういう場合、新参将校はいっそ死にたい心情であることだろうと話す.

以前任官した陸士出身のある少尉は、“陸士で習った部隊の現実とはかなり違っていて目を丸くするけれど、一つ一つ学ぶ姿勢で一生懸命に”やれば、全く同じ新世代として、兵士たちとお互いに交感して、よく適応すれば自らの良い結果が生まれると、抱負を話した.

将校自殺事例も年毎に増えるという指摘だ.兵営文化の変化が始まった
さる93年の文民政府スタート以後、いままで自殺した陸海空軍の将校は、計35人であると伝えられる.死亡当時、これら将校の階級は少尉と中尉が、各々12人で最も多く、大尉8人,少佐2人などだった.

また、自殺した軍将校35名中に陸軍が26人と集計され、海・空軍は各々3人,6人 などだ.自殺将校中、陸士出身は98年4月手投げ弾で自暴したイ某中尉(陸士53期)1名だ.

当局の関係者は、“将校たちの自殺類型を注意深くみると、首をくくって亡くなったのが18人で最も多く, 銃器自殺は9人, 服毒自殺は2人であると現れた”とし、残りはアパート投身 列車投身 手投げ弾自暴等だと集計されていると明らかにする.

これらの将校の自殺事由では、業務負担 能力悲観 身上問題 等、兵営生活と直・間接に関連した場合が最も多く、その次に、精神疾患 憂鬱症 等、健康関連事由, 恋人変心, 過大な負債, 家庭環境悲観 などの順に現れている.

ある軍事専門家は、現在、韓国の‘軍モデル’がドイツ式をたくさん応用しているとしながら、200年の歳月をかけて定着したことを一気に受け入れると、副作用がたくさん生じると指摘する.


[キム・ムンギ記者]


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