2000年3月NEWS PEOPLE 410号

[新しい流れ] '英語の世の中'に、なぜ漢字旋風?

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‘漢字は、新しい千年の競争力?’
インターネットには英語があふれ, 新聞紙上には、連日、英語公用化論議の声が高いこの頃.その‘英語の世の中’に、漢字が復権の声を上げている.世人の関心があれほど薄かった‘つまらない’ 漢字. しかし、今は‘私も21世紀の競争力’という旗を掲げ、大衆の内側に食い込んでいる.

大学街での特講中で、一番人気のある科目は? 英語であると考えるのは間違いだ. 最近は漢字に関わる科目が浮上している. 一度講義が開かれれば、100余名以上が流れ込む. せいぜい20人程度が受講申請していた以前に比較すれば、隔世の感だ.

“漢文特講の場合、平均出席率が80%であるのに比べて、英語はわずか20%に過ぎない” 99年、冬休みの間に外国語大,東国大等、ソウル市内の5大学で漢文を講義したソ・ヨンチョル氏(38.成均館書堂長)は、変化した大学街の風俗図をこのように伝えた.
漢字を知らなければ、大学の卒業証書も手にできないかのようだ. インハ大をはじめとする、一部の大学は一定水準の漢文力を修めれば卒業できるように思い切った制度的改定をした.   トクソン女子大,キョンウォン専門大等は、漢文を正式科目に採択した.
漢文の実力が飛び抜けた学生は、これからは試験を受けなくても堂々と象牙の塔に入城する.
昨年、慶北大は、漢文学課をはじめとする関連学科に、漢文力が飛び抜けた学生を特別審査で選抜した.漢字をたくさん知っているということも、今は実力としての待遇を受ける時代になったのである.

漢字に対する新たな関心は、単純に大学街だけの現象ではない. ソウルの大型書店でも、これまで注目されることがなかった漢字コーナーが、少し前から陳列台正面に堂々と進出している. それだけ求める人が多くなったという声だ. この、コーナーの前進配置は、もっぱらキム・ヨンオク氏によって触発された東洋学熱の影響が大きい. 東洋学が漢文を知らなければ‘絵に書いた餅’であることは、聞かなくてもわかることだ. 東洋学に魅力を感じた人々が、その東洋学のために、漢字学習策に取りかかった.

こういう現象は、昨年11月、韓国語文教育研究会が主催した漢字能力検証試験にも現れた. 前回に比べて、受験者の数がおよそ2倍以上に増加する異常現象を見せた.
そのおかげで、塾もにぎわう. 一時は小学生たちに漢字やら何やらを教える、児童学院程度として見下げられていた学習塾.今は、学習塾におとなたちが追い立てられている. 大学生はもちろん、会社員, 主婦までが漢文に関心を持つ.
京畿道 果川の果川学習塾には、子供よりもおとなが多い.おとなだけのための学習塾も生まれている. さる2月、ソウル 仁寺洞に‘イテクジェ’という、おとなのための学習塾が門を開いた.

大学生や会社員たちが漢文に熱中する理由は? その背景は極めて現実的だ. 大韓航空をはじめとする多くの企業体が、入社や人事考課に漢字の実力を反映させているためだ. 企業が、改めて英語でなく、漢字に関心を注ぐのは、中華経済圏の浮上と密接な関連がある.中国をはじめとする、東南アジアを特徴づけているのは、まさに‘漢字’.その漢字が、中華経済圏を攻略するための卓越した手段なのだ.

学習塾に子供を送る父母たちも、漢字を手段だと認識しているのは同じことだ. しかし、次元がちょっと違う. 彼らは、子供達が漢字をいかに知っているかということには関心が薄い.それよりは、漢字で書かれたれた古典を読んで、正しい人間になればいいという雰囲気がとても大きい.

ソウル 上渓洞に住むパク・ジェイル(44)さん .彼はちょっと前に、小学校6年の娘を学習塾に送った. パクさんが娘を学習塾に送ったのは、異常な世の中のためだ.
‘保険金をもぎとるために父を殺した娘, お小遣を上げないからと母を殴った息子, 先生を告訴する学生と父兄、等’,新聞を埋め尽くす非人間的行為の記事を見て、不安が襲ってきた.

“最近は教権喪失であるとか, 父権喪失であるとか、うるさいほどです. 一言で、価値観喪失の時代像です.こういう時は、父母の力だけでは子供たちの心を握るのが難しいですよ.‘銘記宝鑑’のような文章を読んで、‘ああ! 昔のおとなたちも、両親と全く同じ話をなさったんだなあ’と、感じるようになってほしいのです.そのような過程から、正しい価値観が自ずと形成されることでしょう”
果川 アパート群に入っている果川学習塾(院長 パク・ドンチュン). そちらでは ‘童蒙先習’を読んでいる子供たちの声がとめどない.‘童蒙先習’は、人間が獣とは違う理由を、五倫があるためだと説破する.そして、父子有親, 君臣有義,夫婦有別,長幼有序,朋友有信 などの五倫について、詳細に説明している.このため、朝鮮時代の学童たちの必修教養であった.果川学習塾の子供たちも、朝鮮時代の学童のように、漢字でできた‘童蒙先習’を読む.時代は変わったが、人間が人間である理由は変わらなかったためだ.子供たちは、この漢字でできた本を読んで、正しい価値観と正しい人性を育てる.

漢字は‘21世紀の競争力’でもあるが、私たちの重心を取る手段になりうることを見せる、大きな課題だ.
一時、私たちの生の一部であったハングル専用運動等に押されて忘れられていた漢字 .理由はどうであろうが、その漢字が、また私たちの生活の中深く入っている途中だ.それも‘英語の世の中’という、大きな海を切り開いて.

ソ・ヒョンスク記者[rebirth@kdaily.com]



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