99年6月 Cine 21 211号

スクリーンクォーター縮小措置への汎映画界の糾弾大会
註:"スクリーンクォーター"とは、韓国映画を興行的に外国映画から守るための保護措置.
各映画館は年間スケジュールの3分の1以上を韓国映画上映にあてなければならない(違反者には罰則あり).
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cine99_211_1.jpg (19836 バイト) (写真/パク・グァンス監督, チャ・スンジェ ウノフィルム代表, ジョン・ジヨン監督, ジャン・ソンウ監督, イ・ヨングァン 中央大教授(左側から)などが、非常対策委執行委, 韓国映画 製作家協会, 映画振興委, 監督協会, 学界等、各部門の代表格がまず落髪をした. 映画振興委 非常特別委員長を受け持っているジョン・ジヨン監督は、この日、落髪に賛同することによって米国訪問団から自動的に除外された. 米国側の感情を考慮し、米国訪問団は落髪しない人を送ることにしたためだ.)
(写真/非常対策委では落髪人員を70人程度と予想していたが、自発的に落髪の隊列に賛同するという人々が連なるという事態を引き受けた、ミョン・ゲナム氏は 'もう、定員一杯だから、自分のお金でやってよ'と止めなければならなかった. 歌手 ヤン・ヒウンさんは、落髪デモが進行する間中、<常緑樹><美しい人>等の歌で映画人を激励した.) cine99_211_2.jpg (21092 バイト)


落髪でスクリーンクォーターを守ることさえできるならば…

また始った、政府のスクリーンクォーター縮小の動きに、映画界が震撼している. 今回の‘クォーター事態’解決は、金大中大統領の手腕次第だという分析が出ながら、映画人の対応も超強硬路線を歩いている. 映画人は6月18日、光化門集会で大統領を狙う直撃弾を飛ばし, 韓-米投資協定反対と米国の文化覇権主義を糾弾するスローガンを掲げた. ある映画人が余談のように“反政府, 反米闘争という陽動作戦”を駆使しているわけだ.

何と、113名の映画人が削髪した. 世界映画史にもない、初めてのイベントであるため、海外トピックスにもとりあげられたほどだ. 映画人は、23日までに政府の公式立場を明らかにしろと要求した. 仮に満足できるようなないな返答が行われない時は、“その後の責任を負われない”と、脅迫もしておいた.

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(写真/老若共にコンクリート床に座り込んで 'スクリーンクォーター死守!'を叫んだ.<テルミー ソフティング>撮影中のハン・ソッギュ, <リング>のジョン・ジンヨン, 映画振興委 副委員長のムン・ソングン, イ・テウォン テフン映画社 社長. <顔>で映画界にデビューした、イム・ハリョンの顔も見える. チェ・ミンシク, ソン・ガンホ, キム・スンウ, シン・ヒョンジュン, イ・ビョンホン, キム・ジュンギ, ジョン・ジュン なども参加した.) (写真/ジョン・ギョンスン, チョン・ドヨン, パン・ウンジン, チェ・ジウ, シム・ウンハ, キム・ユンジン, ファン・シネ, イ・ミヨン 等、誇り高い女優たちも'国民の政府 目を醒しなさい!'と叫んだ. 監督協会は、俳優たちはこれからも活動をしなければならない現実的な状況を考慮し落髪をしないように勧告することに決定した.)

‘クォーター事態’について、いままで知らされたのは、政府が2002年からクォーターを段階的に減らして60〜80日まで縮小するという案を持って米国側と協議にはいるはずだという程度が全部だ. 政府はクォーター縮小を前提とした協議案自体を否認しないが、細部内容は公開していない. いろいろな情況を総合すれば、状況は既にだいぶ出鼻をくじかれていて、政府が確かな立場を再整理しない限り、遠からず‘決断’を迫られるものと見られる. とにかく“2002年までは再論しない”といっていた、前任 シン・ナッキュン長官の時期の文化部の見解は空手形になってしまったため, 映画人は“大統領の心を変えるしかない”と判断したのである.


“既に米国側とある程度調整が終わったのではないだろうか”という疑惑も起きている. “さる5月、大統領府で文化部と外交通商部の実務者が協議をしたことは政府の立場を事実上整理したと見るべきだ”ということだ. まだ米国側と本格的に交渉を始めるわけではないが、部処間協議を経た政府の統一案を作ったということで, 2002年から縮小を始めるということは既定事実という分析だ. 当時、大統領府協議で6月中に“韓-米投資交渉におけるわが方協議案の文案の手直しまで終えた”という伝聞もある. こういう主張は、事実上、韓-米投資協定を主導したことが知られた、ハン・ドクス通商交渉本部長とカン・ブンギュン財政経済部長官に力が集まる最近の政治圏の雰囲気に根をおいている.

全国を席捲した‘チョンプン事件’‘ウップン事件’のように‘ヨンプン事件’だという主張も目を引く. 大統領府側が関係部署と協議する過程で、政府の縮小案が既に映画界と交感を交わして作ったこととして受け入れたり, 実務部処で大統領府側に故意に誇張して伝達したということだ. 政府がさる5月、協議案を作る過程で、一部の映画人と接触した事実があり, この映画人は本意とは違い、映画界の衆智を集めて伝達したかの様に誇張されているということだ.

文 ジョ・ジョングク・写真 ジョン・ジンファン イ・ヘジョン記者, チェ・スンフン

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(写真/非常対策委 共同委員長のイ・テウォン社長, キム・ジミ理事長, イム・グォンテク監督とムン・ソングン、ヨン・ジンウィ副委員長が新しく非常対策委 執行委員長を任じられて、落髪するパク・グァンス監督を激励している. ヨン・ジンウィ構成と関連して不満をあらわにしたキム・ジミ理事長も参加して目を引いた.)


スクリーンクォーター 関連日誌

98年

4月7〜8日: 米国映画協会(MPAA) ジェフリー・ハーディ アジア太平洋担当副会長が文化観光部と産業資源部を訪問し、“スクリーンクォーターを緩和する場合、5億ドル程度を投資し、全国20地域にスクリーン10枚型のマルチプレックス劇場を建てる”と提議.

6月10日: ワシントンで行った韓-米 首脳会談, 韓国側要請で、米国の韓国に対する投資拡大のために、韓-米投資協定を結ぶことに合意.

7月21日: ソウルではハン・ドクス通商交渉本部長, シン・ナッキュン文化観光部長官を訪問‘スクリーンクォーター廃止が望ましい’という意見を提示, シン・ナッキュン長官は“時期尚早”として拒否. 同じ日、ワシントンでは 韓-米投資協定第一次実務会談を開く. 米国側, スクリーンクォーターが両方の業務投資協定標準文案から外れると指摘.

7月23日: 文化観光部“スクリーンクォーターは、韓国映画産業保護と私たちの文化の正統と実体性を守るために必ず必要な制度で、韓国映画が国際競争力を備える時まで維持されなければならない”という公式意見を発表.

7月30日: 非常対策委 主催, 政府総合庁舎で映画界の500余名が参加して、スクリーンクォーター死守及び妄言糾弾集会とデモ行進.

11月15〜20日: ワシントンで開かれた 韓-米投資協定 第3次実務協定で、米国側は、廃止協力要求(韓国交渉団が縮小を前提とした修正案を提示することが 26日明るみになる).

11月26日: 文化観光部, 映画人を招請して非公開懇談会を開いて、米国側にスクリーンクォーター縮小案を出すことを事実上認め, 米国側は今後の完全廃止日程を要求したと明らかにする.

12月1日: 光化門ロータリーと政府総合庁舎で、映画界の1千余名が集まって‘韓国映画圧殺陰謀 糾弾大会’を開いて、明洞聖堂までデモ行進. 徹夜の座り込み開始.

12月4日:‘私たちの映画を守る 市民社会団体 共同対策委’(共同対策委員会) 構成. 光化門ロータリーで、映画界の1千余名が集まり、2次糾弾集会. 米国大使館 抗議 訪問.

12月10日: 光化門ロータリーで、市民社会団体, 映画人等 700余名連帯集会. シン・ナッキュン文化観光部長官 面談. シン長官“スクリーンクォーター現行維持のために最善を尽くす”と答弁.

12月11日: 文化芸術の146人 支持宣言発表. ドンスンアートホールで‘文化人連帯’98- 韓国映画を守る’行事, ろうそくのあかり行進, イム・スンレ監督 落髪.

12月16日: シン・ナッキュン長官、国会常任委で“現行通り維持する”と公式立場発表.

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(写真/落髪の列が伸びる中にいた俳優たちは目がしらを赤くした. 左側から シム・ウンハ, チョン・ドヨン, ハン・ソッキュ. チョン・ドヨンは、16日ドンスンアートホールで開いた闘争宣布式に続き、'大痛哭’をした.)


99年
1月5日: スクリーンクォーター制 現行維持要求決議案 国会本会議 通過.

1月22日: 政府当局者, スクリーンクォーター問題を米投資協定交渉の議論の対象から除外することを米国側に要請することにしたと明らかにする.

1月29日: 外交通商部当局者, 米国との非公式接触で、スクリーンクォーター縮小問題を解決しなくては、議会の承認を得るのが難しいという点を上げてスクリーンクォーター問題を分離して交渉しようという韓国側提案を受け入れなかったと明らかにする. 二国間マルチプレックスについて、適応スクリーンではない該当映画館に対して、スクリーンクォーターを適用する方案と40日の軽減日数を拡大する方案等について議論したことが知らされる.

2月2日: 映画人 12月1日から65日間繰り広げてきた徹夜座り込みを解散.

3月25〜28日: ウィリアム・デイリー米 商務長官, ジャック・バレンティ米国映画協会 会長 来韓. “スクリーンクォーターを廃止することが韓国映画産業発展に寄与すること”だと主張. デイリー 米商務長官, ジャック・バレンティ、金大中大統領 面談. ジャック・バレンティ“スクリーンクォーターを現行より大幅に減らし、延べ50日程度が適正だ”と主張.

5月 中旬: カンヌ映画祭の現場でスクリーンクォーターを守る 運動関連リーフレット配布.

5月21日: 金大中 大統領が外信記者懇談会で“スクリーンクォーターをすぐに廃止することは難しいが、徐々に緩和させて行く”としながら“関係部処の実務者が大統領府でスクリーンクォーター縮小方案を本格的に議論していて、2004年には、年間50日水準に大幅縮小する方案を検討している”と明らかにしたとSBS報道.

6月 初め: スクリーンクォーターを2002年から、60〜80日まで段階的に減らす案で、6月韓-米投資協定締結するという政府方針 拡散.

6月11日: 非常対策委 執行委, 運営委 連席対策会議, 映画振興委 非常対策特別委 構成.

6月16日: スクリーンクォーター縮小陰謀阻止のための闘争宣布式, カン・ジェギュ, イ・ウン, ミョン・ギェナム, イム・スンレ, クォン・ヨンラク, キム・ドンウォン, イ・チュンシク, イ・ミンヨン等 8人落髪.

6月18日: スクリーンクォーター縮小阻止のための汎映画界の糾弾大会, 101人 落髪.


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