CAR LIFE 97年5月号

自動車, もう一つの韓日関係


‘清算しなければならない過去’. われらは、しばしば日本とのよくなかった関係をこのように呼ぶ. 歴史と社会はもちろん、あらゆる部門に残っている日本の残滓をなくそうという意味だ. 主張と実像は大きい差を見せている. われらは、多くの部分を日本に蚕食または依存する状態を抜け出すことができずにいる. 私たちの貿易収支が小さいままである最も大きい原因は、対日本貿易赤字のためだ. われらは1年に100億ドル以上も日本に赤字を出している. 産業部門だけでない. 文化でも、日本の侵入は深刻だ. 最近、日本の侍映画がソウルで上映されて数多くの日本の漫画, 雑誌が羽が生えたように売れる. 特に、日本に対して特別の感情がない若年層を中心に、日本文化がそのまま受け入れられている. ‘米国やヨーロッパはかまわなくて、敢えて日本だけが悪いのか.’この質問に答えることはむずかしい. しかし、過去の歴史を問題にする前に、私たちの経済と文化が日本に過度に従属することが 望ましくないということだけは明らかだ. これは、日本でない他のどんな国であっても同じだ.


・地理,文化的に宿命の関係

自動車産業で、私たちの対日依存度は非常に高い. 国内に自動車産業が胎動した草創期には、日本は私たちがやむを得ず頼った‘不便なパートナー’であった. いまは、相当部分が日本メーカーと似た地位に至ったが、水準差と技術依存度はいまだに大きい. 国内メーカーが日本に依存するしかない理由としてはいくつか挙げられる. まず、地理的な位置だ. 日本は非常に近くて、人的,物的交流が やさしく、費用が少なく済む. アイロニーではあるけれど、長い間の歴史において、敵対的でも友好的でも、密接な関係を維持してきた点も、日本と容易に会うことができるような土台になっている.

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二つ目,日本は自動車分野で世界的な技術先進国だ. 米国,ヨーロッパと共に世界3大自動車の軸をなしていて、私たちが発展の底辺に有る時に有利な条件を揃えた. 自動車のみだけでなく、多くの産業部門の先端精密技術で、われらは日本に依存している. 国内メーカーの自動車組立,製作,デザインの水準はだいぶ高くなったが、部品開発と電子,精密先端技術では遅れをとっていることは事実だ. 三つ目,日本企業の特性と自動車の趣向が私たちと似ている. 繰り返して言うが、日本は歴史,文化,宗教で私たちと多くの共通点を持っている. 実際、ビジネスでこれは非常に重要な要因だ. 交渉を繰り広げながら、言語と文化が異質的ならば、意志疎通に限界があるほかない. また、企業の意志決定構造もお互いに似ている. 四つ目,米国やヨーロッパに比べて日本車は、品質に対して値段が 安い. したがって、韓国が南米やアフリカにあったとしても、日本をパートナーに決めただろうということが専門家の話だ.

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こういう理由の外に、考慮すべき要因がひとつある. 韓日関係で、合理性や利潤動機より、より一層重要な要因は、直ちに日本に対する‘国民感情’だ. 60年代、われらは対日関係で多くの変化を体験した. 65年朴正煕政府は、多い反対デモをかえりみず、日本と国交を結んだ. この時と前後し、国内では草創期の自動車産業が芽生え、日本車との因縁が始まる. 自動車を作り始めた初期, 国内メーカーは技術導入のために、日本メーカーと提携を結ぶ. 62年にお目見えした国内最初の本格乗用車セナラは、日産ブルーバードを取り入れて組立生産したものである. 65年セナラ自動車を引き受けた新進自動車は、トヨタと関係を結んで、やはりコロナを72年まで組立生産した. 起亜も、やはり、日本の東洋工業と3輪自動車のための製造技術を入れて、組立生産する等、60年代初期、自動車は大部分が日本モデルの組立生産だった. こういう状況から、韓日国交が樹立した後に対日世論が悪化しながら、60年代末、技術提携先をヨーロッパと米国にひろめるようになる.

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68年、アジアはFiat,現代はフォードと 技術導入契約を結んだ. 経済性でも、合理性を離れて国民感情を考慮した側面が多い選択だった. しかし、先に挙げた理由で、日本への依存度は順次大きくなっていった. 60年代、国内自動車文化は歩き出した段階であった. 需要が少なかったことはもちろんだ. したがって、車体開発よりはモデル導入がはるかに経済的であり、やむを得ず日本をパートナーに選択した. 今でも、これは国内メーカーが日本に依存する重要な要因になっている. 現在、新しいモデル開発にかかる純粋な開発費用は300〜500億ウォンで、ライン増設のために工場を建てれば、費用は数千億ウォンに増える. 途方もない投資を回収するための需要が不足しているために、直接開発よりはモデル導入がより有利な点が増えたことである.



・日本を抜け出すことに加速度をつけて

30余年間、日本に依存してきたが、今われらは世界5位の自動車生産大国の位置に上がり、日本を威嚇する位置に至った. 国内メーカーの成長に、日本メーカーの技術提携が後押しになったことだけは間違いない. 国内メーカーは、最近、アジア,南米,東ヨーロッパ等の後進地域に、過去、日本が私たちにしたことと似た方式のプラント輸出を拡大している. しかし、この間、日本は世界最大の自動車大国に成長した. 私たちだけが、別に大きくなったということではない.

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核心技術の多くの部分を日本に依存していて、国産車の生産,輸出が増えるほど日本メーカーに戻るロイヤリティーも増える共生の関係を結んでいる. もちろん、国内メーカーの独自モデルと固有技術開発も早く進行していて、‘日本から抜け出すこと’に速度がついたことも事実だ. 日本の外に、ヨーロッパと米国メーカーと手を取合う場合も多い. だが、日本に比較すれば、その程度は微小だ. 今、日本車が国内メーカーのパートナーか,ライバルかと尋ねるならば、まだ‘依存的パートナー関係’という返答が出てこないか.