21世紀最大の厨房家電市場に浮上… 三星,LG等 '先発マンド'総力

(写真/龍山電子商店街に陳列された各 社のキムチ冷蔵庫. 消費者を捕まえるための各種のアイディアが目立っている)
最近の家電業界では、キムチ冷蔵庫をめぐる販促競争が熾烈だ. 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、ビデオ等は世界共通の家電製品だ. 炊飯器にしても、日本で多く使用されている. しかし、キムチ冷蔵庫だけは、韓国の他では見られない家電製品だ.
2000年の市場規模は5千億ウォン台
“韓国にだけ存在する家電製品の市場がどれくらいであって、家電会社がそんなに大騒ぎするのか?”と疑問を持つ人もある. しかし、市場を注意深くみれば、家電会社が何故そのように動いているかがすぐに理解できる.
キムチ冷蔵庫は95年、‘ディムチェ’が出た後、爆発的人気を呼び、外国為替危機で消費が失速した昨年でも前年より販売量が3倍以上増えた. こういう販売急増勢は今年も続いた. 特消税引下げが予定されながらも、大多数の家電製品の販売には楽観できないが, キムチ冷蔵庫だけは例外だ. 昨年25万台だった販売量が、今年に入って10月までにすでに35万台に達した. 業界では、年末までには61万台に, 来年には90万台にまで増加すると見通している. キムチ冷蔵庫を持っている家庭は、まだ国内全体1400万世帯中の5%程度の70万世帯にすぎない. 専門家たちは、キムチ冷蔵庫市場が、来年には5千億ウォンに達し, 普及率が20%を上回る2001年からは最大厨房家電市場になると見ている.
キムチ冷蔵庫需要が爆発的に増えたのは、この製品がいち早く‘必須家電製品化’しているためだ. キムチ冷蔵庫は、初期には限られた富裕層でだけ使われる高価格な家電製品だった. またキムジャン(註:キムチを漬ける季節.冬.そのためのボーナス-キムジャンボーナス-が出ることもある)にだけ、よく売れる季節商品でもあった. しかし、アパート居住者とツインカム(註:共稼ぎ)夫婦などを中心に、キムチ冷蔵庫は季節と関係なく、着実によく売れる製品になった. さる9月、LGホームショッピングが主婦500人を対象に電話調査した結果、キムチ冷蔵庫は食器洗滌器と電磁調理器, 電子圧力保温炊飯器などを押しのけて、主婦が最も持ちたい家電製品に選ばれた. ケーブルテレビ ホームショッピングでも、最もよく売れる人気賞品の隊列に加わって, 今年最大のヒット商品の位置を占めた. 家電業界は、95年以前に400リットル未満の冷蔵庫を購入した35〜45歳の中産層家庭が核心顧客だと判断する.
キムチ冷蔵庫に対する需要が爆発的に増えると、三星電子 LG電子 大宇電子等の家電3社はもちろん、東洋マジックとチャンホナイス, デウォン電器 ハンイル産業などが先を争って市場に進出し、20余業者が‘キムチ冷蔵庫戦線’に参加している. キムチ冷蔵庫が冷蔵庫市場全体の30〜40%程度を占めるため家電会社では、のがすに惜しい市場になったわけだ.
後発業者中で、キムチ冷蔵庫市場に最も意欲を見せているのは、三星電子とLG電子だ. ‘タマッ(註:多味)’という製品で97年にキムチ冷蔵庫 場に飛び込んだ三星電子は、後発業者の限界を克服するためにモデル数を7つに増やして、最高27%まで6回無利息割引販売も実施している. 三星はタマッがキムチの長期保管に有利なだけでなく、節電効果も卓越していると主張する. また、抗菌作用, 遠赤外線機能を発揮するキムチボックスを使用, 保管するところが2ケ所に分れていて、熟成したキムチと、今しがた漬けたばかりのキムチを一緒に保管できると強調する. 三星は今年17万台程度を売っている.
引出し式, 黄土容器等、アイディア満開
LG電子は、今年8月、引出し式の‘キムジャンドク’で、キムチ冷蔵庫戦線へ行く幌馬車に乗った. LGは他の会社のキムチ冷蔵庫の場合にドアが上の部分に設置されているために、下の方のキムチを取り出そうとすると、上側のキムチボックスをまず取り出さなければならないが, 自社の製品は引出しのように開くことができ、取り出しが容易だと主張する. LGは特にシンク台の下に押込むことができる大きさに作ったために、既存製品のようにベランダ等、厨房以外の場所に置かなければならない不便さもないと強調する. LG電子もやはり、先発走者に追い付くために、初めて製品から30%割引販売をしている.
最近は、東洋マジックも騷音を減らす水平調節機能と移動用キャスター , そして、子供による事故を予防する‘チャイルドロック’ などの付加機能を強調しながら市場に飛び込んだ.
しかし、三星とLG などの挑戦は、まだ 市場を根本的に変えるものではないようだ. 今年に入って、10月までに三星とLGは各々7万5千台と2万台を売ったが, マンドウィニアのディムチェは、22万台が売れた. マンド側は“120リットル大容量の場合、注文が出されてから3〜5日ずつ遅れて出庫になっている”としながら、年末までに35万台程度を売ることができると自信を持っている.
マンドは、ディムチェがこのように大型家電企業たちの物量攻撃にも市場を失わないでいることについて“市場先行獲得にともなうブランドイメージと技術力で先んじているため”と話す. すなわち、他の製品よりも2〜4年先立って市場に出てきたために‘代表商品’という認識が浸透しただけでなく, 同じ容量の他社製品に比べてキムチ保管量が最も多く、電気消費量も飛び切り低いということだ. 同じ容量のキムチを基準とする時、占める空間と電力消費で他社製品をはるかに圧倒するという話だ. マンドは、また、保管容器もやはり業界で最初に一般プラスチックの代わりに黄土が多く使われている‘黄土容器’を使用していると強調する.
しかし、マンドもやはり、三星とLGの追撃がとても負担になってきている. 市場先行獲得効力も、時間が経つほど弱まっている. このために、三星とLGの破格的割引販売政策に対抗し、10月まで最高20%割引に10ケ月無利息で最高20%割引販売を実施して, 今でも6ケ月無利息割引販売を続けている.
家電企業等はキムチシーズンの12月初頭から特消税が廃止になり、キムチ冷蔵庫の需要が大きく増えると見て、販促戦線を大きく拡大している.
特消税廃止になる12月を狙って販売戦熾烈
専門家は、韓国人だけが使用する家電製品をめぐって韓国企業間で繰り広げられる‘妙な市場争い’の結果を注目している. 市場を先行獲得したマンドが、技術力と資金力, 流通網等で絶対的優位を見せている大型家電企業等の追撃を振り払うことができるかに関心が集まっている.
シン・ヒョンマン 記者
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ハンギョレ21 1999年 12月 02日 第285号 .
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