99年4月253号ハンギョレ21

文化 . 大衆音楽/忘れられたフォーク, 再起の日々


1969年 9月, 1年前 米国から帰国した ハン・デスが、南山ドラマセンターで初めてコンサートを開いた. その頃、ソン・チャンシクとユン・ヒョンジュで作られたデュエット、ツインフォリオは <ツインフォリオ リサイタル>という初めての翻案レコードを出した. これで、はじめて韓国フォーク音楽の歴史が開始したと評価される.

hangyore99_253.jpg (6160 バイト)ハン・デスとツインフォリオの登場以後、フォークは70年代と80年代, 90年代を経ながら、大きな変化の姿を見せた. 70年代、ギターを担いだ若いフォーク音楽人は、一種の文化革命、いわゆる‘青年文化’の土壌をすき起こした. 当時の多くの若者達はギターをかきならし、フォークを歌って, 髪を伸ばし, ビールを飲んで, ゴーゴーを踊った.

米国の白人文化指向であり, アマチュアリズムとエリートイズムだという批判を受けることもあったが, 本質的に青年文化は戦後世代の自意識表現だった. 彼らの自覚から、韓国大衆文化の近代が開始したと見るのが一般的だ. 音楽的にも、作曲家と歌手が別で、演奏者と歌手が別になっていたシステムから、両者が統合された形態の自作曲歌手, 自ら演奏する歌手が登場したという点は画期的だった. 特に、韓国大衆音楽がメロディ中心から和声中心に, ‘歌うこと’から‘話すこと’に変化したことは、革命に近かったと評価される.

70年代、フォーク音楽はキム・ミンギに出会い、自分ノ正体と実体性を確立するに至る. ハン・デスのフォーク音楽が非常に前衛的で独創的であったことにも、西欧的な感受性からまだ抜け出されなかったという批評を受けた反面, キム・ミンギは、翻案フォークにも, ラブソングにも, 西欧中心にも陥らない所に、韓国フォークの巣を開いた. 70年代前半、数多くの変化を引出したフォーク音楽は、75年大麻事件で一大打撃を受ける.

80年代はフォークの絶頂期であった. 80年民主化の春をたどったフォーク音楽は、2種類に分岐し、発展していった. ひとつは、70年代に中断したキム・ミンギの問題意識をそっくり含んでいた民衆音楽だった. 民衆音楽が80年代中後半、荘厳なロシア行進曲風に傾くまで最も甚大な影響を与えたのは、キム・ミンギのフォーク音楽だった. 彼の磁場のなかで活動して, また、ここでムン・スンヒョン、ムン・デヒョン、アン・チファン、キム・グァンソク 等、傑出した音楽人が出てきた.

キム・ミンギの影響下にはいなかったが, より進んだ問題意識を持って運動圏に転向した歌客 チョン・テチュンは韓国的なフォーク音楽の高峰を作った. キム・ミンギと大別される流れは、いわゆる世捨て人たちとして描写される、チョ・ドンジン サダンだった. 別にまた同じく, シイングァチョンジャン(詩人と村長), オットンナル(どんな日)等は観照と瞑想を通じて、フォーク音楽を高い芸術の域に押し上げた. また、洗練された都市的感受性で武装したトンムルウォン(動物園)は、70年代前半以後、ほとんど初めてフォーク音楽を人気があるジャンルにした.

90年代、フォークはチョン・テチュンとキム・グァンソク, アン・チファンの奮闘にもかかわらず、衰退を体験した. チョン・テチュンの孤独な場外闘争とキム・グァンソクの死, アン・チファンのロック転換で空いたフォーク音楽の席には、イルギイェボ(天気予報),ユリサンジャ(ガラス箱), イ・ジョンヨルなどが落ち着き始めた.

このようなフォーク音楽の沈滞をぬぐい去って、過去の栄光をとりもどそうというように, 今年で30周年を迎えるフォーク音楽の歴史を整理して、新しい方向を探すコンサートが連なっている.

フォーク音楽30年を記念するフォークフェスティバル ‘浪漫の革命, 革命の浪漫’は、4月9〜10日 梨花女子大 大講堂で開かれる. 70年代のソ・ユソク、ソン・チャンシク、ジョ・ドンジン、イ・ジョンソン、パク・ウノク、チョン・テチュン、イム・チャンジェ、80年代のキム・チャンワン、シイングァチョンジャン、シン・ヒョンウォン、ジョ・ドッベ、90年代のパク・ハッギ、ジャン・ピルスン、トンムルウォン、ハン・ドンジュン、アン・チファン、イルギイェボ、ソ・ウヨン、イ・ジョンヨル、オム・テファン、ユン・ドヒョンなどが参加する. 9日 午後 7時30分, 10日 午後 3時・7時30分.

また、4月19日から5月2日まで湖巖アートホールではゴールデンフォークシリーズコンサートが開かれる. 14日間、22チームが参加するこの公演は、70年代のセシボンやシェルブール等の音楽喫茶の伝統をつなぐという意味も帯びている. この公演にはフォークフェスティバルに 参加するチーム達の他に、サウォルグァオウォル(4月と5月)、キム・セファン、ユ・イクチョン、チョ・ギュチャンなども加わる. 平日午後7時30分, 土・日 午後3時・7時30分, 金・土 深夜 コンサート 午後10時30分.

この二公演が終わった後にも、6月、99世界フォークフェスティバル, 9〜10月 アコースティックギター全国ツアー, 10月 コンサートラマ(コンサート+ドラマ), ニューミレニアム アンプラグト フォーク コンサート, 11月 ノレグッ(註:ノレは歌.グッは巫俗での祭式) <工場のあかり> カラー コンサート, キム・ジョンホ メモリアル コンサート等、大規模フォーク公演が連なっている. この他に、6月 青年文化シンポジウム, 7〜8月 アコースティックギターキャンプなどの行事も開かれる. これらの行事を開く韓国フォーク音楽30周年記念事業会は後援者等も募集している. 02-312-3384.

キム・ギュウォン 記者


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ハンギョレ21 1999年 04月 15日 第253号 .

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