熱風! PCゲーム… マニアだけで200万名,‘スタージャン’等、流行語も作って産業として発足
(写真/爆発的人気を呼んでいるスタークラフト.
30万コピー以上売れて、ゲームセンター特需を率先している.)
いまは夜9時,
帰途につきながら手がむずむずしている会社員K氏は‘バトルネット’で、格好な相手を探すためにソウル・新村のあるPCゲームセンターに入って、座った.
主人からCDロムを受け取って‘スタークラフト’を実行させたK氏は、シングル(single)とマルチ(multi)の2種類を選択するボタンで人と対決できるマルチをクリックする.
まもなく、インターネットの仮想戦闘空間のバトルネットの画面右側には、対決を望む未知のゲーマーたちが登場する.
ゲーマーたちの戦績を見回したK氏は、闘志が湧く相手を発見して、直ちに接続を試みた.
大田のあるゲームセンターにいた大学生N氏だ.
ネットワークゲーム人気に、ゲームセンターが雨後の筍
“どうしようか?力強く, 立派な実力があるようだ…. 1ゲームやることにしよう.”
(写真/最近 5ケ所にまで増えたゲーム学院.
ゲームと関連したプログラミング, グラフィックなどを教える.) 
間もなく、画面には相手方の応答が浮かぶ. “やりましょう.”
K氏はまた戦闘を行う部屋を作って,
部屋の番号とパスワードを報せてくれる. 続いて二人は‘GL’(good
luck) ‘TH Y2’(thanks you too)と、短く挨拶の言葉を交わした後、ゲームに入っていく.
普通、10〜20分程度もあれば終わるゲームだが、ふたりの実力が類似し、30分を越えてもなかなか勝敗がつかない.
‘テラン族’を
選択したK氏は、序盤相手方が選んだ‘プロトス族’の攻撃にてこずる.
K氏はこまめに資源(ミネラル)を採取し、バンカーを作って防衛戦を繰り広げながら,
資源をタンクとマリン(海兵隊), レース(戦闘機)等の戦闘ユニットにずっと転換し遂げた.
序盤は歩兵を利用して強力な攻撃を仕掛けてきた相手方は30分を越える頃から押され始めた.
ゲーム時間が40分をすぎる頃には戦闘ユニットが豊富になったK氏は、タンクとレースを全面に出して大規模攻撃を敢行して,
結局50余分で相手を制圧した.
久しぶりの激戦だった. K氏は‘GG’(good game)と挨拶し,
N氏もゲームには敗れたが満足したように、やはり‘GG’と答える.
最近若者達の間で爆発的な人気を呼んでいるネットワークPCゲーム‘スタークラフト’を利用するゲームセンターで行われる風俗図だ.
昨年、市場に発表された‘スタークラフト’の人気は、ほぼ1年たったいままで、少しも冷めずに燃え上がっている.
一人で娯楽室に座って、決まったプログラムどおりに動く、既存の電子ゲームと違い、生まれて初めて会う、見ず知らずのゲーマーとのオンライン対決という構造は人々を興奮させるのに充分だ.
このゲームは、1年もまだたたないいままで、韓国だけで30万コピーが売れる程に空前のヒットを記録している.
これまでの電子ゲームを知っていた多くの既成世代の認識をスタークラフトは一気に揺るがしてしまう.
スタークラフトの成功は、コンピュータとLAN通信網を揃えて、ネットワークゲームをできるようにサービスを提供するPCゲームセンターの成功につながっている.
昨年からスタークラフトの市場発表と共に集中的に生まれ始めたゲームセンターは、現在3500余を超えて今年中に5千余に達することが展望される.
このゲームの人気は、龍山電子商店街でも確認することができる.
ゲームCDを売るSコンピュータのある職員は“スタークラフトでないと売れない.
ゲームセンター特需ということができる.
大部分の新旧ゲームセンターが20〜30個ずつ一度に買っている”と話す.
同好会は基本, 大企業が後援する大会も
スタークラフトの人気とゲームセンターの増加は、お互い相乗作用を起こして、国内PCゲーム人口を増やしている.
ある統計資料は、昨年までスタークラフト人口が120万程度であり,
今年は200万まで増加すると見通している.
これまで青少年層に限定されていた観のあるコンピューターゲーム人口は、スタークラフトの人気に便乗して、小学生から会社員たちにまで急速に拡大している.
最近、一部の会社では、職員たちが終業後、事務室のLANを利用してスタークラフトゲームを楽しむ新しい風景も現れている.
伝送速度が遅い家庭用PCでは満足できないマニアたちが会社の速い通信網を利用してゲームに熱中するのだ.
すでに会社員だけを会員とする同好会まで生まれた.
スタークラフト同好会‘ソリギルド’のシソップ 呉スンテ(27・会社員)氏の説明.
“昨年9月、IMF寒波のために生じたストレスを解こうと結成されました.
現在、会員が130人で、大部分が会社員です. 女性も何名かいます. 25歳以上に限定したことが好評で,
最近でも問い合せがあります.”
ソリギルドは、夕方遅く、インターネット上に作られた会員だけの空間‘ソリチャンネル’に集まり、ゲームを楽しむ.
毎月一度ずつ定期的に会い、夕食を一緒にして、ソウル大前の行き付けのゲームセンターで激戦を繰り広げたりする.
“会員たちは、幼い時からゲームを楽しんできた人が大部分です.
会員は、会社のLANを利用してゲームを楽しむ場合が多いです.
大部分の幹部たちが退勤した後、ゲームをするのです.
最近では、ある会社のゲーマー 6人が団体で加入しましたよ. 33歳課長級もいます.”
ソリギルド シソップ
呉氏は、勝負よりは親睦に重さをおくと付け加えた.
PCゲームの熱風は小学生たちも違いはない.
最近、小学校の子供たちの間で通じる隠語の中に‘スタージャン’というのがある.
スタークラフトの前2字‘スター’と, 最高という意味の ‘ジャン(JJANG)’が結びついた言葉で,
同じ教室の子供たちが、スタークラフトゲームを最も上手にやる子供を称する.
既にネットワークPCゲームが小学生たちの間でだいぶ人気を呼んでいるということだ.
何より、このゲームの人気を実感することは、プロゲーマーのために賞金が関わっている大会が盛況裡にひらかれている点だ.
名付けて KPGL(Korea ProGamer’s League:WWW.KPGL.NET).
子供パックネットゲーム事業部が作って運営する大会で、さる1月、第1回大会を終えて、現在、第2回大会が進行中だ.
スタークラフト 個人・団体戦とサッカーゲームのFIFA等、全部で3種目で構成されている.
大会の商業性を見て取ったのか、来る4月4日に始まる第3回大会には、ある大企業が後援したいと申し出た.
第2回大会には、全部で7千余名のゲーマーが出場した. 第1回大会出場者
1700余名に比較すれば、4倍以上に増えたのである.
ゲーム関連学科, 学院も門前市を成している
第1次大会 個人戦優勝者はイ・ギソク(19・ソウル ミョンモク洞)君.
優勝賞金として500万ウォンを受けた. 新村 ドウルネット スルギ(註:知恵)部屋の‘スルギギルド’で活動している李君はいわゆる‘ゲームマニア’だ.
7歳の時からゲームを始めた. 電子娯楽室(註:ゲームセンター)に通って、小学校の時は
‘ボーグルボーグル’, 中学校の時は‘ストリートファイター’,
高等学校の時は
‘キングオブファイター’で実力をじわじわと固めた.
そうこうしたあと、PCゲーム‘レッドオロス’に接してからゲームセンターとは絶交した.
“スタークラフトは昨年7月から始めました.
初めての感じからおもしろかったし,
時々外国人とも対戦して実力を積みました.”
“年を取ってもゲームをやめるつもりはまったくありません.
だが、今、すぐに賞金だけで食べて生きるプロゲーマーに専念するというのは、難しいようです.
まず、大学に入って勉強をした後に進路を決定するつもりです.”
李君の未来設計だ.
プロゲーマーのための大会は、韓国パソコン通信でも開催している.
この大会の決勝戦は、漫画専門ケーブルTVチャンネルの‘トゥーニーバス’で実況中継している.
これのみだけでない.
最近では、大学の電子ゲーム関連学科新設も相次いでいる.
昨年、ソウル・スンウィ女子大に初めて登場した‘コンピューターゲーム学科’は、今年、京畿道
利川のチョンガン文化産業大学にも新設された.
また、ゲームプログラミングとゲームデザイン,
グラフィック等、ゲームと関係ある全てのものを教える‘ゲーム学院’も、この1〜2年間で倍増した.
受講生もまた、1年間で倍近く増えた. PCゲームの底辺が急速に拡張していることを見せる大きな現象だ.
“さる97年には、受講生が150人程度であったのが、昨年は300人と、急激に増えました.
学院数も 一,二校だったのが、最近は5校程度に増えたのです.
こういう急激な増加趨勢は、就職難だけでは説明できません.
ゲームを好む人々の底辺が既に十分に広くなっているために可能なことなのです.”
さる93年からゲームを教えてきた‘ゲームスクール’ 金ジユン(31)
運営チーム長の説明だ. 受講生の指向も、だいぶゲーム指向的だ.
金氏は“受講生の年齢は、大部分20代中盤で、皆、ゲームを好きな人々です.
彼らがゲームを好むという事実は、この 1年間で中途に受講をあきらめる比率が以前に比べて顕著に低くなったということも分かります”と付け加えた.
だが‘電子娯楽’とは、‘退廃,
わがまま’等、暗い認識を思い起こす既成世代が多い.
娯楽室またはゲームセンターは、子供たちの学業にも悪影響を及ぼすだけでなく、精神健康にも悪いという認識がまだ去っていない.
しかし、多くの専門家たちは“こういう考えは杞憂ですよ”ときっぱり話す.
最近、ある子供教育機関は、いくつかのPCゲームプログラムが子供たちの思考力と創意性を育てるのに十分に効力があるとし、これらのゲームを教育に活用している.
遊びと学習を連結して‘エデュテイメント’と呼んでいることを教育に接続している.
このように採択されたゲームは、建設シミュレーションゲームの‘シムシティ’と育成シミュレーションの‘プリンセスメーカー’そして、戦略シミュレーションの‘三国志’などだ.
皆、子供たちの総合的な判断力を育てられるというのが、これを活用する人々の話だ.
“電子ゲーム 未来最高の産業になる”
PCゲームに対する一抹の否定的な見解とは関係なく、既にPCゲームの拡散と発展は大勢になってしまった.
スンウィ女子大とチョンガン産業大のコンピューターゲーム学科新設を主導したチュ・ジョンギュ(44)教授はこのように話す.
“電子娯楽またはゲームが持つ意味は、一言で可能性だ.
既に若い世代にとって、ゲームは生活の一部になった.
彼らが導いていく、遠くない未来社会で電子ゲームは、最高の付加価値産業になることが明らかだ.
ゲームは今後も仮想現実と立体(3D)ゲームで一層発展するはずだ.”
趙ソンゴンSUNGKON 記者
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ハンギョレ21 1999年 03月 25日 第250号 .
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