99年2月247号ハンギョレ21 hangyore2198_11_12fr.jpg (5571 バイト)

ハングルだけを使う国民は生意気だというのか?

カバーストーリー .

ハングルだけを使う国民は生意気だというのか?
漢字併用に潜む権威意識と支配論理…やさしいことばは生きた情報民主主義の第一歩


hangyore99_247_1.jpg (16764 バイト)(写真/漢字併用政策に抗議して削髪するウォン・グァンホ 韓国正しい言葉研究院長. 漢字選好には権威意識が根底にあるというのがウォン院長の指摘だ.)

さる96年、第15代国会が構成されるにあたって、国会議員名牌(註:机上で氏名を示す名札)をハングルで表記しようという署名運動が広がった. コンピュータ通信網のハングル同好会を中心にして進行した、この運動は若年層の大きな賛同を得たが, 国会は以前通り漢字で表記した名牌を急いで製作することで対応した. これに先んじ、14代国会初期にも、ハングル運動団体が直接ハングル名牌を作って国会に送ったが、無駄骨であった.

国会で受難にあったハングル名牌


選挙用広報物に漢字を使う国会議員候補はいない. しかし、当選してしまえば、直ちに漢字で書かれた名刺を作って使う. 国会議員の漢字選好は格別だ. 国会で投票する方式は、賛成ならば、ハングルで‘ka’か、漢字で‘可’と書き、反対ならば、ハングルで‘pu’か、漢字で‘否’と書く. 検票をしてみると、ほとんどが漢字を選択しているのが分かるのだが, 誤字や、なんとなく似せて書いた粗雑な文字が退屈しない程発見されるらしい. 無記名・秘密投票なのに、敢えて自信のない漢字に固執する意識の底辺は何だろうか.


(写真/ハングルを探し出すのが難しい、国会と漢文だらけの法令. 権力機関であるほど漢字をたくさん使用する.) hangyore99_247_2.jpg (28693 バイト)

最近、文化観光部の漢字併用推進の動きに落髪で抗議した ウォン・グァンホ韓国正しい言葉研究院長は、第14代国会でハングル名牌を使用する同僚議員たちから‘ドンキホーテ’的取扱を受けた人物だ. 彼は“国会で、自分の国の言葉による名牌を作って付けたという理由で非難されるなどということが道理に合うか”としながら、“こういう漢字選好の底辺には、権威意識が潜んでいる”と指摘した. ‘家政婦は昼寝を、社長は午睡を楽しむ’という、笑うことができない表現のように, 文字や用語を別にすることによって、社会的地位の差を現わそうという意識が事実上作用しているということだ.

文化批評家洪ソンテ氏は、ハングル創製を“少数エリートに独占された情報・知識を万人に公開した文化革命”だと評価し、“大衆教育の成功も、まさにハングルに助けられた”と話した. 文字に対しての貴族主義と、民本主義の対立を見せてくれる克明な事例を、崔萬理の訓民正音(註:ハングル)反対上疏文で見つけることができる. 訓民正音が作られた当時には、民衆が難しい刑罰法規のために、不当な処罰を受けても、それが不当であるとはわからずに甘んじさせられていた事が多かったようだ.

“人を処罰するにあたって、処刑や投獄の事実をそのまま正音字(訓民正音)で書いて、無知な民に報せれば、不当な刑罰に服従することがないとは言えない例として, 中国では文字と言葉が同じのにかかわらす、不当な裁判がある. 裁判の不公平は言葉と文字が同じではないから生じるものではなく、すなわち、言文で裁判の公平を期するということは正しくない.”


ハングル判決文は権威がない?


国民の人権よりも文字の権威を全面に出す、こういう態度は、現在でも完全に消えていない. これまで‘公文書はハングルで書かなければならない’というハングル専用法と、政府の事務管理規定にもかかわらず、大部分の法令は漢字だらけで残っている. 例を上げるとこのような感じだ(註:以下に挙げる例は、漢字の部分は原文でも漢字表記、かなの部分はハングル表記).


憲法 第10條 【人間の尊厳性と基本人権保障】あらゆる国民は、人間としての尊厳と価値をもって、幸福を追求する権利をもつ. 国家はこじんが持つ、不可侵の基本的人権をかくにんして、これをほしょうする義務をおう.

刑法 第140條 【公務上秘密表示無効】@公務員がその職務にかんして実施する封印または押留そのた強制処分の表示を損傷または隠匿したり、そのたの方法でその 効用を害する者は、5年いかの懲役または700万ウォン以下の罰金に処する.


漢字をそこそこに関心を持って身につけていなければ、目に入らないこれらの文章の行間には、‘文字を知らない国民は法律のことをいちいち知らなくてもかまわない’という認識が潜んでいる. 日本のしたことをそのまま模倣した韓国法律の誕生過程がそうであるように, 難しい漢字がまぜこぜになった法條文には日帝時代の支配論理が継承されているわけだ.

法條文のみだけでなく、判決文にも難しい漢字がそのまま使われ、61年ジョ・ジンミン当時大法院長が判決文をハングル化する大法院規則を発表した. すると、大韓弁護士協会からこれに反対する建議文を出したかと思えば, 法曹人たちの間から“判決文をハングルでだけ書くことは判決文の権威を落とす”という反発が出たりもした. 判決文はまだ表記がハングルよりも難しい漢字語や法律用語を頻繁に使っていて、必要以上に長い文章が読み取りを難しくしている.

権力機関と共に漢字使用に先頭に立ってきたのは言論だった. 公文書がハングルでだけ書かれてきた間にも、新聞には漢字が堂々と使われたし, 文章中に漢字をそのまま露出させる漢字混用で、ハングルと漢字を並べて書く併用に変わったのも最近のことだ. ‘漢字を知らなくて新聞も読めない漢字文盲が多い’という論理がこれまで漢字擁護論者たちの有力な武器になってきたのも事実だ.

50余年前、法律でハングル専用(註:専一使用)を打ち出しても漢字がこのように揺るぎ無い生命力を得た背景には、こういう非民主的なイデオロギーとともに、漢文教育を受けた世代が感じる漢字に対する郷愁が位置を占めている. 漢字は、それを知っている彼らには魅力ある字だ. ハングル専用論を率いているホ・ヨン ハングル学会理事長さえも、漢字の弊害を強調するのに先立ち、“実に漢字は中国人民の知恵を証明する良い手本”と、まず言い出す程だ. どうかといえば、この世代のからだと精神に染み込んだ習慣の作用の場合もある.

しかし、これは、過去の漢文教育を学んだ人々の嗜好の問題であるだけだ. 特に、彼らが主に日帝時代に教育を受けた世代だという点は、示唆するところが大きい. ハングル文に漢字を混ぜて使う文体自体が、日帝の言語同化政策と関連があるという事実は、また違う深刻な問題点を投げかける.

開港期以前、韓国の文章は漢字だけで書く漢文体と純ハングルでできたものとの2種類であった. <漢城旬報>を作った日本人 井上が 1885年からこの新聞にハングル・漢字混用体を使い始めた. 井上は“私は朝鮮の言文を使って、日本のかなと通じる文体を創始したが、これを普及し、朝鮮人が使用するようにすれば、彼我両国は同じ文体の国になって、これで文明知識を一緒にできる”と主張した.

文化観光部の漢字併用発表直後に開かれた 韓-日 外相会談で 小村 日本外相が“漢字の公式略字を定めるのならば、日本式に作ってくれ”ともちかけたり、最近ハングル専用論者たちの抗議デモに日本言論がひとかたならぬ関心を見せているのも通常でない姿だ. ハングル専用実践推進会は、こういう日本の態度を、韓国文化市場を攻略するために漢字併用を事実上そそのかすことだと分析している.


“知的優越感を得るための暴力”


敢えて事大主義を恐れなくても、完全なハングル世代の若年層の反応は漢字併用方針の立つ場所を失わせる. 政府発表以後、各コンピュータ通信網を騒がせた賛否討論では、反対意見が圧倒的な傾向を見せている. あるネチズンは、漢字使用の主張に対して、“それは一般人に高級数学を強要するかの様に、非効率的で無意味なこと”とし、“エリートたちが知的優越感を得るための暴力にすぎない”と抗議した. 何らの不便なしにハングルを書き続けた彼らに、政府の一方的な政策決定は権威主義を超えて、一種の暴力として迫るようだ.

パク・ヨンヒョン 記者
piao@mail.hani.co.kr


ハンギョレ21 1999年 03月 04日 第247号 .


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