2013年6月ハンギョレ21 965号

BGM ニュース

 [2013.06.17 第965号]

正月や旧盆時などのTVショーで乱発されるコンセプトではあるが, それでも筆者は個人的に‘外国人が韓国を見た時m最も○○したことは?’のような話題をかなり好む.
そのような話を聞くと、なぜか韓国という国に無料で旅行にきたような気がする. 航空料も宿賃も時差適応も無しで.
そのような話の中で, 最近聞いたのはこれだった.

‘韓国の野球場でだけ見られる、最も珍しくおもしろいことは?’

ヒントを出せば, この話をした外国人は男性だった.
それなら明らかだ.
答は当然‘チアリーダーの存在’だ.
もちろんその後に‘世界最大のカラオケ’とか‘韓国特有の独特な集団応援文化’とか、煩わしい弁解などなどが連なったが, 筆者は既に十分共感していた.


≫ イラスト/キム・デジュン

これとちょっと似たバージョンだが, 異なる話がひとつある.

‘韓国のTVニュースを見た時に感じた、もっとも大きな文化的衝撃は?’

がそれなのであるが, 筆者が出した答えは‘食べ物関連のニュースが他国のTVニュースに比べて圧倒的に多く, その後に必ず新種ダイエット関連情報が続いている’だったが, これは正答ではなかった.
答えははるかに簡単だった.

‘韓国のTVニュースには背景音楽(BGM)が流れる’だった.

何の音なのか? BGMとは? 最近のニュースではデパートの売り場のように大統領府関連 ニュースに歌でも流れているというのだろうか? そのようなことではなく, ニュースの締めに記者がエンディングを整えようとすると、突然に慇懃に流される音楽をいうのだ.

例えば、‘終生露店で稼いだお金を奨学金に拠出したおばあさん’とか‘学校暴力の被害者と加害者の立場を変えることを通した理解と赦し’のようなニュースを考えてみよう.
このようなニュースの最後には、しばしば“世知辛い世相に穏やかな響きを残しています”とか, “私たちの未来は暗いだけではないはずです”とかという感動圧出用KS標準コメントが登場し, それに合わせて流れるのだ.
このような大きなテーマでは総じて記者の壮厳無双なコメントに合った壮厳ミュージック(風)が流される.

そう見ると、‘北朝鮮ミサイル.また実験’とか‘集中豪雨ものすごい被害’のようなセットニュースの導入部画面でもBGMが流され, アクション映画の悪い奴出没場面やホラー映画の殺人魔登場場面で使われるような音楽が出るという点だけが前者の場合と違う.

とにかく, 少なくとも筆者が行ったことのある国々にはこういう方法でニュースにBGMを流す国はどこにもなかった(あるのですか? あるならば報せてくれるようお願いします).
ニュースに出てくる音楽といえば、ひたすら広告が出てくる直前と直後のシグナルミュージックが全部だった.

それなら、こういう音楽の存在理由は何か? 彼はもちろん‘このニュースを見て、このような感情を抱くことになる’というメッセージを出すことなく確定判決を出すものだ.

そうだ. 言葉だけでは不足したのである.

最小限、音楽程には, 特定の事件に対して記者が抱いている気分・態度・感情(‘情報’では絶対ない)が生き生きと伝えられるものだ.
ひょっとすると, この趨勢通りならば、今後はニュースの仕上げコメントごとにコンピュータグラフィック(CG)で作りだした夕焼けに染まった桃色雲とか, 五色太極紋を青空に縫い取る曲芸飛行団のようなことを見る日も遠くないかもしれない.

この話をしたその外国人は純真無垢な目を輝かせて、‘韓国ではニュースの客観性や中立性のようなことが問題にならないのか’と尋ねた.

筆者は考えた.

BGMはほんの一部に過ぎない.筆者は彼が韓国TVニュースの内容をほとんど理解できない韓国語初心者であることを真に幸いに感じた.


ハン・ドンウォン 作家