2005年12月14日 第589号
パッケージによらない独立旅行を望む30代旅行客たちには最適.今インターネットで予約すれば、来年2月にはクアラルンプール - バリ 片道が3万ウォン
□ キム・ヨンウ/<リフィニオン>編集長
tonykim@nomad21.com

新聞でしばしば‘バンコク・パタヤ 5日 29万9千ウォン’‘シンガポール・インドネシア・マレーシア 5日
39万9千ウォン’などの旅行商品広告を見ることができる.
安いという理由だけで商品を購買して旅行に出発するけれど, 現地に行って後悔する場合も少なくない. 飛行機から降りるやいなや始まるガイドのチップ要求,
記念品ショッピングと選択観光の圧迫で疲れるためだ.
外国では既にパッケージによらない独立旅行が一般化された. ‘free & easy tour’ あるいは ’free Individual
tour’と呼ばれる自由旅行は、旅行者が直接日程を作って, 宿舎を定めて, 航空便を予約して出発する,
先進国では既にかなり以前に普遍化した旅行方式だ.
このような独立的自由旅行のとても大きな武器として浮上したのが、まさに低価格航空だ.
ヨーロッパに行って‘ライオンエアー’や‘イージージェット’のような低価格航空を利用する人が多くなると,
今は低価格航空に乗ってアジアを楽しむ人々も増え始めた.
低価格航空に関心がある人はしばしば‘トランク族’と呼ばれる30代の会社員たちだ.
お金はなくて時間は多くある大学生バックパッカーよりは7〜10日の短い休暇を合理的な価格で旅行しようという人々に低価格航空は最適の交通手段である.

△ 低価格航空がアジアの空を縫っている.
短い休暇に合理的な価格で旅行する人々にとって、低価格航空は最適の交通手段だ.(写真/AFP)
バンコク-シンガポール区間を1万6千ウォンで?
短い休暇の間に2つの都市とひとつ程度のリゾート地を旅行するためには航空利用が必須だ.
しかし、現実的な費用の壁が小さくない.
例えば、‘ソウル-香港-シンガポール-プーケット-バンコク-ソウル’の日程を消化するためには、私達が知っている2〜3のメジャー航空会社を利用しなければならないのだが,
航空料だけで100万ウォン以上かかってしまい、夢で終わる可能性が大きい.
このようなインフラの貧弱さと費用の圧迫を一度に解決したのが、まさに低価格航空会社だ.
パク・ジソン選手が走っている英国マンチェスター ユナイテッド チームの公式航空会社でもあった‘エアアジア’は、2002年に設立された.
マレーシア国内線だけで運航したため, 設立初期だけでもマレーシア国籍航空会社であるマレーシア航空はサービス水準が違うという理由で,
周辺国航空会社であるタイ航空, シンガポール航空などは自国に特に影響がなくたいしたことではないと思った.
だが、エアアジアが2003年にマレーシア クアラルンプールとタイ プーケット区間を運行し始めながら状況は急変し始めた. それに続いてマレーシア
ジョホルバールとバンコク間に直航路線を載せ、タイ航空とシンガポール航空は緊張し始めた.
プーケットはマレーシアの人々が休暇シーズンに最も多く訪れる地域のひとつで,
ジョホルバールはシンガポールから1時間の距離に位置する都市であったためだ.
当時、‘バンコク-シンガポール’区間の片道運賃が250シンガポールドル(約16万ウォン)水準であったのだが,
エアアジアは‘バンコク-ジョホルバール’区間を59リンギット(約1万6千ウォン)で売ってしまった.
2時間かかる飛行時間を勘案するならば、これはほとんど‘爆弾’水準であったし,
人々はエアアジアに乗ってジョホルバールで降りてバスに乗ってシンガポールに入っていった.
‘誰でも飛ぶことができる’(Everyone can fly)というエアアジアの標語が実現する瞬間だった.
我が国にも外国から来た労働者が多いように、シンガポールにもタイから来た労働者が多くいるのだが,
シンガポールとバンコク間の22時間以上かかるバス旅行に比べても2倍以上低廉な価格は彼らにとってあまりにも魅力的だった.
その上、幼いころから一回は夢見る‘飛行機に乗る夢’まで実現できるので(我が国にも飛行機に乗るのが夢だという人がいるのだが, タイはどうだろうか?),
一石二鳥の効果を上げることができた.
このような爆発的な声援に助けられてエアアジアはタイに現地法人まで整えた. エアアジアは、シンガポール, インドネシア,
香港と中国まで路線を拡張した巨大航空会社になった.
これに刺激を受けた各国は競争的に低価格航空をスタートさせるのに焦っている. シンガポールのタイガーエア, ベルエアとタイのワン・ツーゴー,
サビエアなどが飛行機を飛ばして価格競争に突入した.
アジア低価格航空はどのように運賃を減らしているのか?
まず、サービスを最小化する.
彼らは機内食は論外で、冷たい水一杯も与えてくれない. 腹がすいて喉が渇いたら買って食べなければならない.
エアアジアの場合、‘スナックアタック’(Snack Attack)といって別途の機内食を金を受け取って販売する.
そんなに高くないながらもメジャー航空の機内食より良い時もある. 特に韓国人はエアアジアのカップラーメンを楽しんで食べるのだが,
我が国のお金で1800ウォン程度だ. コーラも1缶1200ウォンで、根拠もなく高いわけではない.
そして、インターネットとコールセンターに基盤を置く営業で原価を節減する.
最近我国で流行しているインターネット自動車保険が流通マージンをなくして低い保険料を策定するように,
低価格航空もインターネットだけで予約を受けて決済することによって運賃を低くする.
航空会社代理店も空港にしかない. 大型航空会社が旅行社にマージンを与えてそこで予約するようにして,
市内のあちらこちらに事務室をおいて多くの費用を支出することとは裏腹だ.
また、低価格航空会社は明け方から夜中まで飛行機を最大限頻繁に運航する. 1機の飛行機で最大の効果を狙うのだ.
朝早くクアラルンプールを出発した飛行機はコタキナバルでたったの20分間だけ係留場に居る.
ただの20分で乗客を降ろした後, また新しい乗客を乗せてクアラルンプールに戻る. また20分の間にすべての乗客が乗って降りて,
飛行機はプーケットへと飛んで行く.
飛行機は一日の終始、このような‘労働’を反復して、朝7時に始めた飛行は夜11時になって終わる.
安全を心配する人もあるが, 毎月‘Aチェック’と呼ばれる基本整備をして、毎年2-3週間全体整備をする.

△低価格航空は大部分が中・小型機を運航する.
低価格航空であるエアアジアがメジャー航空であるタイ航空旅客機の前に立っている.(写真/EPA)
短所があるとすれば、一度延着するとそのまま時間が押されて後は1・2時間以上延着するということだ.
私はジョホルバールからクアラルンプールまで行くエアアジアを2時間以上待ったことがある. 飛行機がアジアのあちらこちらを回るために起きる現状だ.
超低価格運賃が誕生する背景には弾力的価格政策が大きな役割をする.
一般航空会社の運賃は、盛需期と非需要期に分れていて、1人が乗る時期と100人が乗る時期では異なる値段を設定されている.
そして、昨日予約した人も1年前に予約した人もほとんど同じような料金を納める.
しかし、低価格航空の場合には初めの何人かは1万ウォンにもならない価格で, その次の何人かは何万ウォン水準で,
その次の何人かはもう少し高い価格になる. 座席が埋まるほど運賃が上がるのだ.
クアラルンプールからバリまでの2006年2月の航空便を検索してみると, 片道3万ウォン程度にしかならない価格が出る.
クアラルンプールからバリまで約2時間がかかるのを勘案する時(ソウル-東京間も2時間かかる), 本当に安い価格だ.
同じ路線のマレーシア航空の料金は約15万ウォンだ.
窮屈な運行スケジュールで延着することも
実は、アジア低価格航空に初めて乗った時は心配したというのも事実だ.
‘プロペラ機ではないのか?’などと想像しながら初めて搭乗したエアアジアは、意外にもボーイング社の737機だった.
ボーイング737は世界的に短距離路線に最も多く利用される航空機だ.
タイガーエアやベルエアなどは思い切ってエアバスの最新320モデルを買い入れて使用して, むしろ我が国の国内線よりずっと快適で安楽だった記憶もある.
エアアジアも5年内にエアバスの最新320機に全ての航空機を変えて100機まで保有数を増やす計画だという.
旅行のパターンがますます長期化・複線化になる趨勢に、低価格航空はこれから他の国の旅行者恩恵ではなく, まさに私たちも利用できる手段になっている.
全く同じ旅行地で会ったある外国人は、1万ウォンの飛行機に乗ってきたのに私は20万ウォンも払ったとすれば、これはだいぶくやしいことで,
このような時、わたしたちは情報がお金だということを骨に染みるほど実感することになる.

△エアアジアの内部.
メジャー航空会社の旅客機と違わない.(写真/AFP)
韓国, 中・小型機を飛ばすのは難しい
潜在力は高いが、国内外の航空会社は事業計画なし
□ ナム・ジュンヨン記者
fandg@hani.co.kr
韓国に就航する低価格航空は、タイのオリエントタイとタイスカイ, 日本のスカイマーク程度だ.
最近は仁川-バンコク間の往復航空券がダンピング価格である9万9800ウォン(エアポート・タックス除外)で出てくることもある.
しかし、彼らが韓国に就航する時は、正統低価格航空方式で営業しない.
インターネット購買システムではなく、旅行社を挟んで一般割引航空券として売るのだ.
このような点で △購買日にともなう価格差別化 △インターネット予約などで大別される国際低価格航空市場が国内に形成されたと見るのは無理だ.
それなら、低価格航空会社が韓国市場に関心がなかった理由はなにか? これは、国家的進入障壁と地理的障壁のためだと見られる.
国際航空路線の運航回数は、一般的に両国政府の航空協定によって決定される.
運航回数が一般航空会社によって飽和された状態ならば, 低価格航空は進入する余裕がない.
建設交通部関係者は“これまで外国低価格航空会社が韓国就航を打診したことはなかった”としながら、“国籍航空会社の競争力と内外国人乗客比率までもを几帳面に正して航空協定に臨むために、路線増便は容易なことではない”と説明した.
また、韓国がバンコク, シンガポールなど、東南アジアから3千km以上離れていて,
低価格航空の主機体である中・小型航空機が飛ぶのが難しいという理由もある.
それでもアジア低価格航空が韓国市場に進出する潜在力は大きい.
現在、仁川-北京間(907km)の往復航空券が45万-70万ウォン(エアポート・タックス含む)で販売されているが,
金浦-済州間(446km)の場合、運航距離は仁川-北京の2分の1ながらも価格は3分の1人の17万ウォンで販売されている.
アジア低価格航空が国内航空会社の国内線水準の距離当たり料金だけを受けても30万ウォン台で北京航空券をだすことができるという計算が出る.
しかし、エアアジアのトニー・フェルナンデス社長は、去る11月アジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会談期間に行った韓国言論とのインタビューで、“韓国は低価格航空会社の未来にとって明るい市場”としながらも“現在では韓国に進出する計画はない”と明らかにした.
ハンソン航空など、国内低価格航空会社もまだ具体的な国際路線就航計画は建てていない状態だ.
英国の航空業界専門紙である<オフィシャルエアラインガイド>(OAG)によれば,
今年4月、全世界227万航空便中の30万便が低価格航空だった.
低価格航空会社は全世界のあらゆる定期航空便8便中の1便, 航空座席7席中の1席を供給している.
|
|
とにかく‘ハブ都市’をおさえろ
エアアジアはクアラルンプールとバンコク, タイガーエア・ゼットスターアジアはシンガポール…
□ ナム・ジュンヨン記者
fandg@hani.co.kr
アジア低価格航空はトランク族を中心に広がっている.
トランク族は日程と宿泊, 交通の便を自ら決定するという側面ではバックパック旅行者と似ているが,
支出にある程度余裕があるサラリーマンが大部分だ.
バックパックの代わりにトランクを下げた彼らは低価格航空を利用し、アジアの1-2都市と休養地を連結し、10日間の休暇を楽しむ.
アジア低価格航空を利用するためには、とにかく低価格航空のハブ都市へ行かなければならない.
エアアジアはクアラルンプールとバンコクを, タイガーエアとバリューエア, ゼットスターアジアはシンガポールを,
サビエアとワン・ツーゴーはバンコクをハブとしていろいろな都市と休養地に就航する.
とりあえずシンガポールまで行った後、低価格航空を利用してシンガポール-バンコク-プーケット-シンガポールを連結する日程や、クアラルンプールまで行って、アンコール・ワットがあるシェムリアップや休養地であるバリへ行くのも人気コースだ.
12月初めに予約した時、エアアジアの2月初めのシンガポール-バンコク往復運賃は7万ウォンで,
クアラルンプールからシェムリアップ往復運賃は9万ウォンだった. 三ヶ月前に予約すれば、総じて10万ウォンを越えない.
このようにすれば, 全く同じ区間で複数の一般航空券や経由便を買うよりも10-30%節約できる.
韓国就航便がなくて不便だが, ハブ都市を含む2ケ所以上に日程を絞る時には経済性があるわけだ.
低価格航空に乗るためには該当航空会社のインターネットサイトで予約をした後、直ちにクレジットカードで決済しなければならない.
返済と予約変更手数料が少なくはなく、頻繁な延着による不便は甘受しなければならない.
|
|