2005年3月ハンギョレ21
551号
韓流, アジアの雑種料理として・・・ |
2005年03月15日 第551号 聖公会大 東アジア研究所 文化研究者たちの韓流診断… “国別に味が変わる雑種文化と認識するべき" □ シン・ユン・ドンウク 記者 syuk@hani.co.kr “韓流は雑種文化だ.” 韓流に対する ‘愛国的’解析が主流をなしている中で、韓流を国籍を超えた雑種文化として分析する研究論文が相次いで発表されている. シン・ヒョンジュン 聖公会大 東アジア研究所 研究教授は、さる2月22日ソウル 聖公会大 ピッツバーグホールで開かれた国際セミナーで論文を発表し, 24日には ペク・ウォンダム 聖公会大 中語中国学科 教授が、光州5・18記念財団が主催したアジア文化シンポジウムで韓流関連提案をした. イ・ドンヨン 文化社会研究所 所長もアジア文化シンポジウムで提案文を出し, <文化史会>に関連論文を発表した. 彼らは昨年から聖公会大 東アジア研究所で韓流研究を共にしてきていた. J-popの変種 K-popは‘日式韓流’だ? ![]() △ 韓流は日流(註:日本式)を'参照'しながら形成されて, 日本国内の利害関係を反映しながら商品化された.日本のスポーツ新聞に載ったペ・ヨンジュン.(写真/連合) シン・ヒョンジュン教授は大衆音楽を 中心として韓流の可能性と限界を分析した. シン教授は、アジアで人気を博している韓国音楽を‘歌謡’ではなく‘K-pop’と呼ぶ. 彼は“K-popという韓国の音楽産業を通して生産され、日本をはじめとするアジア圏域で消費される大衆音楽及び、それと関連にした文化を包括的に指し示す国際的固有名詞”と定義した. それによれば, K-popは生成から混成的だ. その名前からして‘J-pop’の変種だ. シン教授は、“(日本文化開放以前の)公式的禁止下でも韓国の文化生産物は日本の文化生産物を持続的に‘参考’してきたということは周知の事実”と指摘する. “‘参考’の痕跡は、韓流全般に残っている. K-popの “‘3人組美少女グループ’‘5人組美少年グループ’‘女性ソロシンガー+男性バックバンド’などのグループ形態の普遍化”から日本化の痕跡をさがすことができる. シン教授は韓流の雑種性を説明するために、日本文化研究者 モリ ヨシタカの‘日式韓流’の概念を批判的に引用する. モリの‘日式韓流’は、“日本文化でもなく、韓国文化でもなく、‘日韓工作文化’でもなく、その成立と起源から雑種的文化”だ. モリはその根拠として、“韓流ドラマの一部に日本ドラマの影響がそこはかとなく混在している”と指摘する. 1990年代中盤の韓国音楽産業は文化開放の波高に対抗しながら‘歌謡民族主義’を成立させる. 当時、音楽業界1位を占めたドレミレコード社の‘歌謡愛 愛国’という標語は、主流音楽産業の‘歌謡民族主義’を象徴した. おりしも事前検閲制度廃止など、韓国大衆文化が競争力を揃える条件が熟していた. シン教授は、“防御的な歌謡民族主義が韓流を通して攻勢的なポップアジア主義として再編されたことは、1997年末の経済危機以後”と指摘した. 現在、韓流は韓国を超えたアジアの大衆文化として走っているが, 韓国音楽産業は相変らず‘歌謡民族主義’の狭い枠組に閉じ込められている. シン教授は韓流の亜流文化純粋主義機能と愛国的解析を警戒して提案をした. 彼は“韓流とK-popが投げかける問題が‘韓国’と‘アジア’に対する批判的想像の材料になるならば, 私は韓流・K-popの陳腐で鬱陶しい美学的品質が恥かしくても、その文化的価値を認めることができる”とし、“しかし、韓流・K-popが‘民族のプライドの再確認’機能を繰り返すならば, 私は‘対案のない韓流批判’という汚名を聞いても何ら恥ずかしくない”と明らかにした. 中国では‘未来景’, 台湾では ‘代替物’ イ・ドンヨン 文化社会研究所 所長も、去る3月初めに文化連帯ニュースレター<文化史会>に寄稿した<今, 日本での韓流と限界>というタイトルの文を通して韓流の過大評価を警戒した. これに先んじ、イ所長は去る1月中旬に東京と横浜の韓流現場を見てきた. イ所長はこの文で“日本では韓流は明らかに存在する現状”とし、“今の日本での韓流は、80年代末香港の‘四天王’たちが日本の映画館とテレビを征服したことよりもはるかに強力なエネルギーを噴出していると見える”と評価した. 一方、彼は“日本での韓流は‘文化的優勢種’として受容されるよりは、日本が持っていない‘異文化’を立派に土着化してしまう日本の文化的特性から始まった点が多い”と指摘した. 例えばBoAは、日本人には韓国歌手として見えるよりは、歌が上手くてダンスも上手いグローバル歌手として受入れられるということだ. 彼もこのような現状を日本の必要によって活用される‘日式韓流’として説明する.
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ペク・ウォンダム氏(左側)とイ・ドンヨン氏は、韓流が愛国的視野を越えてアジア文化交流の通路にならなければならないと主張した.
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