2005年1月ハンギョレ21 542号

‘手の中のTV’戦争が開始した
2005年01月05日 第542号

‘手の中のTV’戦争が開始した

迫る一大激突を準備する衛星DMBと地上波DMB… 空中波TVプログラム衛星再転送は論議沸騰
□ ジョ・ギェワン記者 kyewan@hani.co.kr

最近のSKテレコム企業広告には“テレビに私が出てきたら本当にいいのに〜”という歌を歌って飛び跳ねる幼稚園の子供達が登場する.
幼稚園の先生をうろたえさせるこの広告のコンセプトは‘衛星DMB’だ.
‘通信と放送の融合’と呼ばれるDMB(Digital Multimedia Broadcasting・デジタルマルチメディア放送) 時代の開幕を表現する広告なのであるが、2005年, もう一度モバイル革命がおきている.


携帯電話でTVを具現したサービスは世界初

DMBは移動電話端末器・個人携帯端末器(PDA)・専用端末器を通し, また、走る車の中でも車両端末器を通してテレビ・ラジオ放送を見聞きすることができる次世代マルチメディアサービスだ.
端末器だけあれば、いつ、どこででも鮮明な高画質映像とCD水準の音響を鑑賞できる.
次世代放送と呼ばれる‘手中のTV’時代が本格的に開くことになる携帯電話でTVを具現したDMBサービスは我国で世界最初に登場することになる.

△ 12月15日 KOEXで開かれた 'DMB Expo 2004'に現れた三星電子 衛星DMBフォンと地上波DMBフォン.
(写真/連合)


DMBサービスは電送手段によって衛星DMBと地上波DMBに分れる.
衛星DMBは、放送センターからプログラムを衛星へ送出すれば、衛星が電波を通して全国のDMB端末にばら撒いてくれる方式だ.
受信率が低い都心などの(衛星電波)陰影地域にはギャップフィラー(Gap Filler)という中継機器を設置して受信切れを防ぐ.
その反面、地上波DMBは現在空いている空中波VHF12番と8番チャンネルを活用してDMB放送をし, 送信塔が送ってくる電波を端末器を通して受ける方式だ.
地上波DMBは当初、主に車両オーディオ概念から始まったが、国内端末器製造業者が地上波DMBも携帯電話で具現できる商用チップ開発に成功しながら衛星DMBと同じように携帯電話端末器を中心に運営される予定だ.
衛星DMBと地上波DMBは、来る4月頃同じような時期に同時に始まる予定だ.
ただ一つだけである衛星DMB予備事業者はSKテレコム子会社であるTUメディア(SKテレコムと日本MBCoなどで構成された合弁法人)で, 地上波DMB事業者(6社)は3月頃に選ばれる.
衛星DMBサービスは全国をカバーするが、加入費とサービス料金が賦課されて, 地上波DMBは首都圏(一部地域除外)でだけとりあえず始まるけれが、無料で提供される.
DMB端末器は△2.2〜2.4インチの携帯電話兼用 △7インチ画面の車両用 △3.5インチ画面のDMB専用など、新しく開発, 市場に発表される予定だ.
三星電子は、昨年世界最初に衛星DMBフォン(SCH-B100)を開発したのに続き、携帯用6インチ地上波DMB受信機開発にも成功した.
LG電子も地上波放送を視聴しながら同時に携帯電話通話が可能な地上波DMBフォンと衛星DMBフォン(SB-100)開発を終えた.
どちらも“独歩的な先端技術力を土台として端末器の大きさと電力消耗問題を画期的に縮めた”と明らかにした.
もちろん、DMB用車両端末器とPDAフォンも共に市場に発表される.
DMB兼用移動端末器の価格は、ハイエンドの場合は100万ウォンに肉迫するが、普及型は70万〜80万ウォン台になるものと見られる.
政府がDMBフォンに対して補助金を許可すれば、価格はより低くなりうる.
TUメディアは、3移動通信社と提携し、全国代理店を通して4月から衛星DMBフォンを本格販売する計画だ.
衛星でも、地上波でも、DMB事業の成敗はDMB端末器が市場にどれくらい広がるかにかかっている.
TUメディア ホ・ジェヨン課長は、“今年の衛星DMB市場は草創期なので、全携帯電話利用者の中でアーリーアダプター(Early Adapter・新技術装備をいち早く購買して使用する層)と呼ばれる0.2〜0.3%, すなわち70万名程度が加入すると見ている”と話した.


△ 2004年8月、市民がバスに設置された地上波DMBサービス実験放送を見ている.(写真/連合)

モバイル環境に合うビデオコンテンツ

衛星DMB側から見よう.
衛星DMBは有料サービスなので、端末器購入の他にも別途加入が必要だ.
TUメディアは加入費2万ウォンに月定額使用料1万3千ウォンを受ける予定だ.
放送委員会から既に事業許可推薦を受けたTUメディアは、政府の事業権許可が出る1月から試験放送を送出することになる.
試験サービス期間中には、約3万〜4万台の三星電子衛星DMBフォンを市場に供給する予定だ.
TUメディアはTVのようなビデオチャンネル14(ドラマ・音楽・映画・報道・エンターテイメント・娯楽・スポーツ・ゲーム 等), ラジオのようなオーディオチャンネル24, 文字でニュースなどを送るデータ放送3チャンネルなどを運営することにした.
本放送商用サービスは5月1日に予定している.


△ LG電子の地上波DMB受信端末器.(写真/連合)

TUメディアは昨年3月、衛星DMB専用衛星である‘ハンビョル’を打ち上げた後、宇宙局及び地球局施設設置を完了して放送センターを構築する等、既に4千余億ウォンを投資した.
衛星信号が微弱な陰影地域のサービス提供のために、放送中継器であるギャップフィラーもあちらこちらに設置中だ.
TUメディアは △衛星DMBの特性に合う新しいコンテンツ開発に2562億ウォン △プログラム供給者(PP)の円滑なプログラム製作及び調達のための受信料分配金4420億ウォン等、今後5年間で総計7千億ウォンを衛星DMBコンテンツ開発に注ぎ込むと明らかにした.
TUメディアは40余チャンネルを自体チャンネルと賃貸チャンネルに分けて, 賃貸チャンネルはプログラム供給者に任せて、自体チャンネルのコンテンツは15独立製作社と提携して生産する方針だ.
これに伴い、SBSが民営放送を始める時に人気PD, タレントを連れてきたように, 衛星DMB事業関連製作社もプロデューサーと芸能人確保に飛び込んでいる ことが知られている.
TUメディア ホ・ジェヨン課長は“モバイル環境に合うように多様なビデオコンテンツを積極的に生産及び再加工して放送する計画”とし、“オーディオは既存ラジオと差別化するために広告とDJを最大限減らして音楽のターゲット及びジャンルを細分化する”と話した.
彼はまた、“移動TV市場はまだ誰もしたことのない事業なので、どれくらい成功できるのかは速断出来ないが, 韓国人が特にテレビを好むために成長性展望は高い”としながら“2008年頃、衛星DMB利用者が250万名に達すれば損益分岐点に達するものと見られる”と話した.
衛星DMBは全国的なシェア確保とモバイル専用コンテンツ開発がやさしい反面, 地上波DMBは空中波TV放送再送信及びサービス利用料無料のような長所を持っている.
一つだけである衛星DMB事業をSKテレコムが主導することによって、KTFとLGテレコムは相対的に地上波DMBに力を注ごうという動きを見せている.
しかし、KTFとLGテレコムも衛星DMBと地上波DMBサービスを顧客に対して均衡するように提供する方針だ.
衛星DMBは高級消費者が好むと見られるのだが, KTFとLGテレコムが衛星DMBサービスを無視する場合、相当数の加入者がSKテレコムに抜け出すことができるためだ.
これと関連し、KTFは最近TUメディアと衛星DMB事業収益配分原則(TUメディア 75%, KTF 25%)に合意した.
ソウル・首都圏で6事業者が最終的に選ばれる地上波DMBの場合、現在事業を準備中であるコンソーシアムは14だ.
空中波TV系列の地上波DMB予備事業者としては、韓国放送・文化放送・SBS・教育放送・京仁放送があるのだが、この中から3事業者が, また非空中波TV系列の地上波DMB予備事業者(韓国DMB・YTN・ネットエンティービー・ユーキューブメディア・ANTV・K-DMB・DMBコリア 等)の中から3事業者が選ばれる予定だ.
地上波DMBコンソーシアムは、各々ビデオチャンネル1〜2, オーディオチャンネル1〜3, データチャンネル1〜2を運営する計画だ.
このような地上波DMBコンソーシアムは、ドラマ・演芸・時事など、いろいろな分野にわたった独立製作社と業務提携を締結しながら事業権獲得のための熾烈な競争を繰り広げている.
地上波DMBコンソーシアム イ・ジョンウォン推進団長は、“中堅企業は事業性に魅力を感じず、特別な関心を見せずにいて, 非空中波系列コンソーシアムは数十の中小ベンチャー企業中心で構成されている”としながら“莫大な投資をする資本力が不足している状態であるが, 非空中波系列コンソーシアムには、政府が放送の公共性よりは商業性を最大限許容すべき”と話した.
地上波DMBの場合、加入者が100万〜150万名になってこそ広告主が地上波DMBに広告を執行すると発表されている.
一方で, 地域では、周波数確保が難しいため、圏域別地上波DMB事業者が選定されてサービスが提供されるなら相当な時間がかかる展望だ.
地方では当分衛星DMBサービスだけを利用しなければならないわけだ.


地上波DMB, 中継網構築が問題

地上波DMBは無料サービスなので短期間に多くの加入者を引き込み、2010年に850万加入者を上回る途方もない市場を形成すると占われている.
韓国放送など、空中波放送社とKT, KTF, LGテレコムなどは、最近地上波DMB活性化のための相互協力了解覚書調印式を持った.
TUメディア側の衛星DMBに対抗して競争を本格化しているものだ.
しかし、地上波DMBが当面した最大課題は、都心・地下鉄区間などの陰影地域解消のための送信網構築だ.
すぐに4月から地上波DMBサービスがなされるなら、数百億ウォンがかかる送信塔・基地局などのインフラを敷かなければならないのだが、誰が事業性を信じて投資するかは問題が浮び上がっている.
LGテレコム側は、“既存空中波TV系列放送社と新規地上波DMB事業者のあいだの理解が交錯しているのだが, 移動通信社が既存基地局網を活用して共同中継網を構築する方案が台頭している”としながら“地上波DMBサービスが無料ではあるが, このような中継網構築に地上波DMB端末器を代理店を通して市場に普及するのにかかる費用を移動通信社が補填を受ける程の付加サービス概念の料金賦課は必要だ”と話した.
2004年10月から車両用中心にDMBサービスを始めた日本の場合、独自のDMBコンテンツ無しで既存TV放送をそのまま送りだしているうえに、中継器が設置されていなくて、空が見えなければ受信が断絶する現状が現れている.

新しいライフスタイルになるか

DMB市場をめぐる衛星DMBと地上波DMBの角逐は、既存空中波TVプログラムの衛星DMB再転送をめぐった対立として克明に現れている.
放送委員会は、2004年10月、衛星DMBを通して韓国放送・文化放送・SBS 等、空中波TVを見ることができるようにする再送信をとりあえず許さないと発表した.
韓国放送など、地上波DMB予備事業者は、衛星DMBの空中波TV再転送に強く反対してきた.
放送委は、3月に行う地上波DMB事業者許可推薦時に空中波TV再送信許容問題をまた検討する予定だ.
TUメディア ホ・ジェヨン課長は、“私達が独自のコンテンツを開発しないということではなく, 空中波TVが放送を掌握している現実で空中波TV再転送がなければ、衛星DMB加入者が大きく減るのだ”とし“既存空中波TV放送は、家で見る大きい画面に合わせて製作されたものであるので、衛星DMBでは小さな画面に合うように修正して送り出す”と話した.

△ 衛星DMB事業者であるTUメディアの中央放送センター.TUメディアは独自のモバイルコンテンツ開発に積極的に投資することにした.(写真/パク・スンファ記者)

DMBサービスが果して、今年のモバイル世代の新しいライフスタイルとして登場するだろうか? DMBは10〜30代層だけをターゲットとすることであり、大多数の年配者は小さな携帯電話端末器で放送を見ることに興味を持てないという指摘もある.
KTF関係者は、“今後、顧客が商業性・娯楽性が強ければプレミアム級の衛星DMB中心に取り替えるか, 相対的に公共性が強調されるけれど無料サービスである地上波DMBへ行くのか、わからない状態”とし、“関連企業もどちら側がお金になるのかとりあえず見守って投資を決定するという態度を見せている”と話した.