2003年11月ハンギョレ21 486号

あまり持たないほど未来がある!
[ 人と社会 ] 2003年11月26日 第486号

あまり持たないほど未来がある!

世界50余国が同時に進行した‘何も買わない日’キャンペーンの精神


私達が暮らしている社会で、‘消費’は生活それ自体だ.
食べて, 寝て, 仕事をして, 動く、あらゆる事にお金を支払っているわけだ.
このような世の中に向けて、11月26日の一日間‘何も買うのをやめよう’と 叫ぶ所がある.
11月22日、緑色連合はソウル大学路マロニエ公園で、‘消費中毒ウイルス’を抑えるための‘何も買わない日’(Buy Nothing Day) キャンペーンを繰り広げた.
世界50余国で同時に進行される‘何も買わない日’の意味は、単純に過消費を縮めようという程度ではない.
私達が過度に使う商品を作る過程で生じる環境汚染・労働問題・不公正な取り引きなどに関して省みる時間を持とうということだ.


写真/去る11月22日、ソウル 大学路で開かれた緑色連合主催の‘何も買わない日’キャンペーン.単純な過消費追放キャンペーンではなく、地球と環境汚染を考える場だった.(緑色連合提供)



携帯電話の‘コールタン’はアフリカを殺す

2001年、国内で消費された携帯電話は約1500万台.
この中の60%である9千余万台は、新型に換えるためだった. 一部リサイクルされたものを除くと、820万台は廃棄処分になった. 金額としては1兆5千億ウォンに達する.
実は、携帯電話過消費で捨てられる途方もない金額よりも、もっとひどいことはアフリカで行われる.
携帯電話の核心部品として使われるタンタルムの原料である‘コールタン’を採掘しようとアフリカの林が伐採され, 川底のあちらこちらに穴が掘られる.
コールタン価格が10倍にも上がりながら、コンゴ・ルワンダ・アンゴラなど、内戦国家の軍閥が互いにコールタン鉱山を占めるために戦争を繰り広げている. 1990年代、コールタン鉱山の利権争いの渦の中で、何と500万名の住民たちが死亡した.
世界コールタン埋蔵量の80%が埋まっているコンゴは、ゴリラの地球上最後の棲息地でもある. コールタン採掘熱風が吹き荒れながら、ゴリラの数が去る5年間で80〜90%減り, 象を含む野生動物90%が消えた.
来年1月から実施される移動通信番号移動性制度を控え、移動通信社は顧客を守るために加入者に高性能新型携帯電話を交換してくれるという戦略を建てている.
私達が正常な携帯電話ひとつを廃棄する瞬間、地球の反対側のアフリカの生命は‘悲鳴’をあげることになる.

アフリカが最先端製品原料のために呻吟しているならば、中国 関東省キユ村は最先端製品廃棄物で受難を体験している.
大型コンピュータから携帯電話まで、いわゆる‘e-ゴミ’は、莫大な量と有毒性のために、去る1989年‘バーゼル協約’(Basel Convention)を通して国際間移動が禁止された.
しかし、e-ゴミ最大放出国の米国は協約批准を留保したまま、莫大な量のe-ゴミをアジア、特に中国に輸出している.
そこで1年間受け入れるコンピュータゴミを積み上げると、自由の女神像の二倍の高さでキユ村全体を覆うことになる.
潰れたまま放置されたモニターから出てきた鉛と水銀で汚染された地下水のため、村の人々は30km以上離れた所からトラックで水を運んで飲んでいる.
典型的な農村だったここの住民たちは、一日1.5ドルを稼ぐためにマスク一枚も顔にかけないままうずくまって座って、プラスチックを積み上げ, モニターのガラスを破り, 部品の中の金・銅・鉄・パラジウムを分離している. この危険な作業に子供たちも例外ではない.
住民の大部分は、酸化鉛・水銀・鉛・カドミウム・砒素・クロムのような毒性物質に露出させられている.
コンピュータ普及台数1千万台を突破した我が国でも、現在、廃棄コンピュータ発生量と処理経路に関して明確に明るみになったことがない.
ただし、業界では廃棄コンピュータの60%以上が中国に輸出されていると推測している.

写真/デパートのショッピング客. 資本主義は消費をそそのかし, 過度な消費は全地球的人間関係を破壊する.(イ・ヨンホ記者)


しつけられる‘所有の欲求’

コーヒー, 砂糖, チョコレート, 紙一枚が、私達の手に入ってくるまで、目に見えない自然の破壊と貧しい国の人々の犠牲はいちいち列挙するのが難しい程だ.
‘何も買わない日’の目的は、消費に関して‘罪の意識’を持とうということではなく, 十分に持っていても‘満足’出来ないということなのか、そうでなければ、何か消費を助長する構造的な問題があるのか、原因と解決法を探そうということだ.

“ウィルは68ドル25セントのナイキのスニーカーを買うために貯金をしている. ウィルが週3ドル25セントを稼ぐとしたら , 何週間お金を集めればいいか?” 米国16州で使われている小学校数学教科書に載った問題だ.
韓国の平均的な子供たちは、二十歳になる前に100万回の商業広告に接するという統計もある. 幼い時から‘所有’の欲求にしつけられるのだ.
ディズニー 漫画映画 <101 ダルメシアン>が大人気を呼ぶと、子供たちのおねだりに耐えられなかった米国家庭では、先を争ってダルメシアンを購入し, その後、米国全域で捨てられたダルメシアンであふれた.
最近、アニメ映画<ファインディング ニモ>が成功しながら、熱帯魚需要が急増し、南太平洋バヌアツ珊瑚礁一帯の熱帯魚の種が滅びかけているという報告も出てきている.
私たちの子供達がポケットモンスターパンに入っているステッカーを集めようと、パンは捨ててステッカーだけを集めたことと同じ事例だ.

1992年、カナダ バンクーバーで‘何も買わない日’キャンペーンを初めて始めたカレーラスの職業は広告企画者だった.
彼は自分が作る広告が絶えることなしに人々に何かを消費しろと強要するという事実を悟り, 広告を批判するために広告を作る ‘アドバスターズ’(Adbusters)という団体を作った.
そして、年毎に‘何も買わない日’と‘TVを観ない日’キャンペーンを共に繰り広げている.
作家 ジョン・ウイク先生は、現代人を“死ね、と仕事をして, 死ね、と貯え、また、死ねと捨てる”と表現した.
最近の新聞紙面を飾る殺人・拉致・誘拐・自殺のような荒々しい事件の原因は、遊興費とブランド品を購入するために使ったカード費用のためだった.
韓国のクレジットカード発給は世界4位水準で、18歳以上の経済活動人口ひとり当たり平均4.5枚のクレジットカードを所持している.
韓国銀行発表によれば、2003年8月末現在、信用不良者数は341万名で, 決済日になると不安に思う‘クレジットカード決済日症候群’という新種疾患まで生まれている.


インフルエンザほどにものすごい ’アフルエンザ’

ショッピング中毒症は‘不必要な物をむやみに買った後、何を買ったのかを正確に記憶もできなく, ショッピングできなければ、なぜか不安に思う症状’をいう.
1999年、社会精神健康研究所が20歳以上の成人700人を対象に調べた結果、ショッピング中毒症にかかっていた人は6.6%であった.
2001年、韓国消費者連盟の調査によれば、TVホームショッピングチャンネルを通して製品購入経験がある人10人中1人は一週間に平均二回以上ホームショッピングを利用するショッピング中毒症状を見せていた.
米国社会ショッピング中毒をものすごいインフルエンザウイルスに比喩し‘アフルエンザ’(Affluenza)という新造語を作りだした ゾーン・ザ・グラフはアフルエンザを“苦痛で、伝染性があり、社会的に伝播する病気で, 絶えずより多くのことを追求する態度から始まる過大な業務, 借金, 憂い, 浪費などの症状を持っている”と定義した.
グラフがショッピング中毒に対して下す処方は簡単だ.
“消費に対する欲求を縮めなさい.” 自然資源が速い速度で枯渇することだけでなく、これ以上ゴミを捨てる所もいくらも残っていないため、‘消費’が美徳である経済発展社会に未来はないということだ. ‘他の人と絶えず比較して競争しながらもっと持つか’そうでなければ、‘自然の中で家族と共に自己省察をする質素で単純な生活を送るか’.
彼の問いかけは、すでに私たち皆の問題だ.


イ・ユジン | 緑色連合 政策協力室 次長 leeyj@greenkorea.org