2003年5月ハンギョレ21 459号

S.A.R.S危機, キムチで越える
[ 人の話 ] 2003年05月14日 第459号

S.A.R.S危機, キムチで越える


“S.A.R.Sは危機ではない. S.A.R.Sは機会だ.”

北京がS.A.R.S恐怖に占領されながら, 北京の通りで店を開いている食堂を探すのは容易なことではない.
韓国人が運営する食堂も、大多数休業していった.
このような渦中に, むしろ攻撃的マーケティングで、S.A.R.Sに挑戦状を差し出した韓国人外食事業家がある.
北京で特級韓国レストラン‘寿福城’を運営するオン・デソン(41)代表だ.
オン代表は、コンセプトを‘キムチ’と定めた. 韓国の固有食品をS.A.R.S予防の代表走者として素早く選抜したわけだ.
彼は、キムチの効能と効果を説明するビラを特別製作し、固定顧客1万2千名に送った.
VIP顧客1500人には、キムチをそれぞれ1000gずつ無料配達した.
S.A.R.S患者のいる病院2ケ所と公安局にもキムチ300箱を慰問品として届けた.

そして、一方では、特色あるキムチメニュー開発に入っていった.
キムチおかゆ, キムチときのこの炒めもの, キムチギョウザスープ, キムチビビンパ, もやしキムチスープ….

“韓国人の中には確実なS.A.R.S患者が一人も居ないではないですか、今回の機会に、キムチと韓国に対する確実な好印象を植え付けました.”

寿福城がただの一日も店を閉めなかったのは、衛生に対する自信のためでもある.
オン代表は、S.A.R.S拡散以後、100余名職員の個人的出退勤を禁止させた. 感染の危険を避けるために、通勤バスをレンタルして、職員を一度に運ぶのだ.
また、出退勤前に、オン代表が直接職員たちの‘頭検査’をした. 職員たちに必ず会社のシャワールームを経させるようにしたので, 頭が濡れていないと入ったり出ることができないのだ.

失意に陥った中国人たちのために、韓国人がもっとたくさん動かなければならないと信じる彼は, 困難な時であるほど、より一層素敵なサービスで信頼を積まなければならないと見ている.
彼の夢は、‘韓国の底力’を通して、中国外食業界の水準を一段階アップグレードさせるというものだ.

北京=文・写真 コ・ギョンテ記者 k21@hani.co.kr