2003年4月ハンギョレ21 456号

汝矣島 運転技師様がいらっしゃる
[ 政治 ] 2003年04月24日 第456号

汝矣島(註:ヨイド.ソウルのマンハッタンと呼ばれる官庁街がある) 運転技師様がいらっしゃる
政治家と運転手たちの千態万象風俗図… 機密事項を続々知っていて政治生命を左右することも

政治家と運転手.
多くの事情と秘密を大事に保管しているような彼らの内密な関係が、最近また世間の関心を集めた.
最近、民主党 イ・フンピュン議員が飲酒運転を摘発されて免許停止を適用された事件は、政治家と運転手の関係の一断面を表した.
国会議員が飲酒運転をした点は、‘新鮮な衝撃’として美化されることではなく、批判を受けて当然なことだ. 摘発現場の放送社のカメラが廻っていなかったとしても、この議員が素直に飲酒測定に応じて警察調査を受けていただろうかという疑問を提起するネチズンたちもいる.
ただし、明け方になるまで運転手を待たせておく政治家たちの悪い慣行に照らしてみると、この議員が運転技師(註:韓国での運転手の尊称)を早く退勤させた部分は‘美談事例’だ.
また、‘チェ・ギュソン ゲート’の主人公チェ氏の運転手ベク某氏がイ・フェチャン 前ハンナラ党総裁とチェ氏が共に撮った写真を持ち出して巨額を要求して‘闇取引’を試みた事件は, やはり、運転手が最も多くのことを知っているという事実をもう一度立証した.
‘うまくやっていた’チェ氏の尻尾が捕えられたのも、ベク氏以前の運転手チョン・ホヨン氏との不和のせいだった.


特別職公務員として、秘密ファイル共有


写真/“私はあなたがしたことを全て知っている.”国会議員の運転手たちは、政治家の一挙手一投足を見通している.


政治家と運転手は、多くの秘密のファイルを共有せざるをえない. 政治家たちの肉体的生命を扱うことは基本で, 恥部や隠したい内幕を知っていて、政治生命まで左右できる彼らとは、まさに運転手たちだ.
そのため、彼らの関係は特別だが、外部にはよく現れない.

この部分を取材するために、前・現職 国会議員の運転手に会ってみた.

議員の運転手は、国家の禄を受ける特別職公務員の身分だ. 彼らは通常 6・7級の待遇を受けるが、議員の配慮によっては4・5級の良い待遇を受けたり、9級の冷遇を当てられることもある.
彼らが伝える議員と運転技師の間の風俗図は千態万象だった.
民主党 現職初当選議員に関する話だ.
この議員が初めて国会に入城した時、議員運転手たちはひどく怒って、くびきを返して無視しながら、挨拶さえもしなかった.
理由は、その議員が運転手を9級に待遇したのだが, 苦労して仕事をする運転手を冷遇する議員は議員の資格がないということだった.
このような事実を感知した、この議員は運転手を解雇して、自身の甥を連れてきて、彼には5級待遇している.
民主党 重鎮級議員たちの運転技師は、5級待遇を受ける場合が結構ある. ハンナラ党 ハン・スンス議員の運転手も4級だ.
ハン議員の運転技師は“運転手に高い職級を与えるのは良いことだが, 国会議員にはそれだけ隠さなければならない秘密が多いからだ”という異色の解析をした.
重鎮級議員の運転技師たちは、外部に知られると困る秘密をたくさん知るようになっていて, 議員が運転技師を収集するために良い待遇をしてくれるということだ.

運転技師たちが吐き出すもっとも大きな不満は‘非人格的待遇’だった.

“私たちにも家庭があって、生活があります. 相当数の議員が下男のように扱いますよ. 酒を飮みながら、明け方まで待たせておいても、‘ご苦労さま’という一言もなければ、むっとして運転が荒くならざるをえないんですよ.”

夜明けに出勤して夜明けに退勤する場合が茶飯事で, 日曜日もない疲れる生活だが、肉体的苦痛よりも耐え難いのは、人間的侮蔑や配慮の不足だということだ.

 

写真/ 政治家の運転手たちは‘横暴な’政治家に不満を感じる.運転手は随行秘書であり、車両管理人でもある.


とても特別なコネクション… 非人格的待遇も

運転技師たちの間では悪名を駆せたいくつかの議員たちの事例が膾炙されている.
首都圏のある初当選議員は、花札賭博を繰り広げるために夜を明かしながらも運転技師を待機させる‘悪習’で悪名高かった.
首都圏のもう一人の初当選議員は、深夜や明け方にはしないという約束を破って、運転手が非常に健康を害した.
自民連のある議員は、正月と旧盆時にまで運転をさせることで有名だった.
民主党のある高位党役員も、公私混同をして顰蹙を買った.
ある議員は碁石を握ると夜が暮れることも忘れて運転技師を待機させ、同僚運転手たちが抗議することもあった.
ハンナラ党 キム某議員は、夫人と家族の運転を頻繁にさせて運転技師たちの‘ブラックリスト’に上がった.
14代時期の話だが、ある議員は自動車電話がかかってきた電話を受けた運転手が通話を終わらせてドアを開けてやる時まで車の中でびくともせずに、運転技師たちの雑音に上がった.
以前よりかなり減ったが、タクシーに乗れば済むことなのに, 2次会, 3次とつながる酒の席の終わりまで、運転技師を待機させた場合が多かった.

運転技師たちは“運転手が頻繁に変わる議員は問題があると思えば間違いない”と口を揃えた. 運転技師たちが我慢できずに離れていくということだ.

民主党 東橋洞系のある議員は、運転手が何度も変わると、金大中 前大統領が“君はなぜ、そんなに運転技師を頻繁に変えるのか”と叱ったという. 以後、その議員の運転手は今までいる.
ある女性議員も、運転技師をしばしば変えることで有名だ.

もちろん、自身の生命を扱う運転手と呼吸が合わないと、共に仕事をするのは難しい.
キム・テシク国会副議長は、以前は運転技師をしばしば変えたが、今の運転技師は‘ロングラン’している.
議員と運転技師の関係も、相性が合わなければならないという話だ.

国会議員の運転技師たちの間では、運転手に冷たく対して禍を蒙った議員たちの話が伝説のように語り継がれている.
キム某前議員(13〜15代)の運転手は、冷遇されたことに不満を抱いて、漢江の橋の上で車を停めて、“議員様, ここで一緒に死にましょう”と脅迫したが、翌日解雇された.
京畿道 地域のある重鎮級議員は、初当選時期、運転手たちにきつく対したが、再選に挑戦する時、前職の運転手2人が手弁当で落選運動を繰り広げたことによって結局落ちた.
弁護士出身であるソウルのイ某 前議員の運転技師は、過労で脳出血を起こして倒れたのに、特別な補償も無しで解雇されると、車両運行日誌を持って労働庁を訪れた. この議員は、結局、数百万ウォンの合意金を支給しなければならなくなった.
忠清圏のある議員の運転手は、昨年秋, オートバイと接触事故を起こしたが、自身が事故処理と補償を一手に引き受けさせられると、不満を 表した後、自ら命を絶った. 議員は喪家に足を向けられなかった.

運転技師に人間的で紳士的に対して好評を受ける議員が減っている.
民主党議員たちの運転技師の相当数が、イ・フンピョン議員を最高と選んだ.
イ議員の運転手は‘民秘協’(民主党 随行秘書協議会)の会長に就いているのだが, その理由の中のひとつが、定時出退勤が可能で、時間が多いということだった.
ジョン・ドンチェ、イム・ジョンソク議員も良い評価を得た.
ホン・ギフン 前議員も、運転技師に家族のように対して、他の運転技師たちが高く評価した.


それでも、運転手は議員とよく合ってこそ

運転手たちが事件を起こす場合も多い.
民主党 高位党役員であるある議員は、父親の葬式の時に入った弔問客の扶助金数千万ウォンを運転手が全部持ち逃げして、ひどい心痛をしなければならなかった.
民主党 議員たちの運転手たちがカラオケで酒に酔い、怒鳴り散らしながら、“私達が誰なのか知っているか”と、派出所の警察官に暴行した事件もあった.
昨年、ハンナラ党 クォン某国会議員宅 3人組強盗事件は、運転手が借金を返すために行った犯行だった.

運転手たちの賭博はまだ断絶出来ないと、ある運転技師が伝えた.
国会議員会館の地下控室や、党舎控室等で、賭博が頻繁に行われるということだ.
待つ退屈をなだめるための単純な遊び次元ではなく、4月に入ってからも、ある議員の運転手が2千万ウォンを失ったと伝えられた.
国会には自体警備団があり、所轄の永登浦警察署 警察官も自由に出入りできないため、賭博が根絶出来ないのだ.

経歴が10年を超えた古参運転手たちは、政治家の金に関する話を尋ねると口を硬く閉ざしたが、“知っている話を集めれば、本一冊は充分に作れる”と、余韻を残した.
しかし、“議員たちの運転技師に接し方は以前よりはよくなった”と口を揃えた.
議員と運転手の関係も、‘民主化’が進行しているということだろうか.

イム・ソッギュ記者 sky@hani.co.kr