2003年1月ハンギョレ21 445号

対案学習の場‘都心軟着陸’
[ 人と社会 ] 2003年01月30日 第445号

対案学習の場‘都心軟着陸’
入試地獄の喉笛に噛みつこうという以友教育共同体… 9月の開校を控えて開いた冬キャンプ現場に行く

写真/“競争の無い教育が正しい教育”と話す ジョン・グァンピル 以友教育共和国胴体 代表.
彼は都市型オルタナティブ学校の全国化を期待している.

“子供たちはあなたを経て出てきただけ、あなたが出したわけではない.
また、彼らがあなたと一緒にあっても、あなたの所有物ではない….
子供たちに愛を与えることはできるが、あなたの考えまで押し付けるな.
子供たちには子供たちの考えがあるのだから….”
(カーリー・ジブランの<予言者>から)

明け方から降り始まった雪が少しずつ大粒になりながら, いつのまにか世の中が白く変わって行った.
1月22日、雪原を蹴散らして訪ねた江原道 原州市 チアク山裾の自然学習院では、子供たちのにぎやかな声が穏やかに鳴り響いていた.
以友教育共同体(www.2woo.co.kr)が用意した冬キャンプが開かれているこちらでは、予備中・高等学生55人と教師14人が集まって‘予備学校’が真っさかりだった.


予備学校教室で繰り広がる異色風景

写真/‘ひそひそ, ぼそぼそ’以友学校の授業は、学生が進行して学生が参加する.
教師は滑らかな授業進行のためのコンパニオン役をするだけだ.

最初の授業が終わった後、雪合戦を繰り広げて飛び回る予備中学生21人を追って講堂に入った.
哲学担当イ・ヒョンヨン教師が授業を始めたが、子供たちは相変らず友人たちとおしゃべりしたくて気が気でない.
“昼休み後にサッカーしよう”, “いや, 雪合戦勝負からだ”と絶えずささやく.

“今回の時間は‘からだの話’というタイトルで、哲学の勉強をします. 生きていくうえで一度くらいは考える問題を学ぶのが哲学なんです. 考える力を育てる時間ですよ.
グループ別に司会者をまず決めて, 司会者は発表者を選んでください.”

7名ずつ3グループに集まった子供たちは、先生の話を聞くと、傍らに座った友人たちと顔をあわせて話の花を咲かせる.
討論のテーマは‘贅肉落し熱風’だ.

“芸能人のように可愛く見えたいというのは、可愛い人の基準が芸能人であるためだよ.みんな芸能人のせいだ.”
司会者を選ぶ前から課題を解決しようという友人に
“敢えて芸能人だけのせいにすることはできないと思うよ. 他人の目を意識するからじゃないかな”と反論する.
まだ発表授業に慣れていないためか、互いに司会者をやれと押し付けあったり, 発表者として出ることを敬遠していたりする.
“痩せてでも美しくなろうというのは、無条件に可愛い女の子が社会的に認められるためだと思います.” まるで、国語教科書を読むかのようにすこし緊張した声で第1グループのパク・ヒョングン(12)君がまず発表に立った.
“モデルやタレントなど、芸能人が皆やせている女の子で, それが美の基準になったために痩せようとするのだと思います.”
第3グループのイ・ユンス(12)君は意外にも、ダイエット熱風に対する対策まで出した.
“やせるのに医師の許可を受けるようにすれば良いのです. 肥満でない人は痩せられないように すれば良いですよ.”
空笑いが出る一方で、授業進行を引き受けた教師はかなり真剣な表情だ.
子供たちの言葉を一つ一つぎっしりと黒板に書き込んだ.

“来る9月に開校したら, 以友学校の教室ではこういう方法で授業をする計画です.
今回のキャンプは一つの予行演習のようなものです.” 以友学校 ジョン・グァンピル常任代表は、“授業進行と参加は、全ての子供たちが自ら していくのが以友学校式教育方法です. 教師は傍らで円滑な授業進行のためのコンパニオン役をすることになります”と話した.


5年余の準備期間… 各界人士参加

以友学校は 1997年11月、教育運動家たちが中心になって、“都心の中にオルタナティブ学校を建てよう”という同意を集めながら開始した.
ガンジー学校(慶尚南道 サンチョン)・青い夢高校(全羅北道 ムジュ)・ハンビッ高校(全南 タムヤン)等、既存のオルタナティブ学校11校は、皆農村に位置を占めているのだが、敢えて都心に学校を建てようという理由が気になった.
“大多数の学生が都市にいるためですよ.”
開校後に国語科目を担当するイ・グァンホ 以友学校事務局長は、
“都市で学校に通う絶対多数の中高生が変わらない限り、私たちの教育の現実はいくつかの成果さえ‘孤立した島’としてしか残らないことになります.
以友学校を始め、各地方都市周辺に都市型オルタナティブ学校が入ることを期待しています”と話した.

1998年4月から首都圏地域に敷地を探し出して, 2001年1月には‘明日を開く学校準備の集い’を結成しながら、都心の中のオルタナティブ学校設立のための本格的な準備作業に入っていった.
学校の名前もこの時にできた.
各学生達の個性と人格を尊重し, 互いに競争ではなく協力関係をなすという確認の意味で付けられた以友という名前は、シン・ヨンボク聖公会大社会教育院長が“天地万物を友とする人だけが真の自由を享受することができると期待する”としながら つけてくれた.
昨年5月、京畿教育庁で学校設立計画の承認を受けて結成された学校法人には、イ・ミョンヒョン前教育部長官とチェ・ギュチョル ドゥミリ自然学校長, カン・ジウォン前青少年保護委員会委員長, イ・セヨン全国学父兄連帯副代表など、各界人士87人が参加した.

“現在、私たちの教育は、極端な競争論理によって崖ぶちに追いやられています.
共に生きる生で競争を克服しなければなりません. 代表的なことが教育です.
競争論理が最も克明に立っている. このような教育現実を変えることが、私達の社会を変える道です.”
ジョン代表が伝える以友学校の設立趣旨だ.
彼は、
“そのためには、授業方式から差別化するべきです. 入試のためなら、よく整理された内容を伝えてあげて, それに熟達すればそこまでですが, 以友学校ははじめから終わりまで、学生自らが答えを探すようにします” と話した.

学級の規模も、教師が学生個々人を十分に配慮することができるように20人に定めた. 3年連続担任制を実施するようにしたのも同じ理由からだ.
学生の興味・適性・進路などを考慮し、学生課教師が緊密に協議して、個人別教育過程を絞る計画だ.
個性が異なる学生達にパンを焼くように全く同じ教育過程を適用するのは、創意力と多様性を尊重する21世紀には溶け合わないためだ.

ジョン代表は、
“国語・社会・科学・哲学・芸術 科目は、分期別に‘主題’を定めて集中式授業をします. これを通じて学生達はいろいろな科目を同時に学習する負担から脱し, 該当科目を深みをもって学習できます” と伝えた.

セミナー式授業も導入し、学生達が個人やグループ単位で研究して、その結果を発表・討論する方式中心に授業を進行することにした.
教師は知識の伝達者ではなく、学生達の探求過程を適切に案内・助言・評価する‘道案内や触媒’の役割をしてこそ、学生達が授業の主体になることができるという判断のためだ.


学生個人に適合した教育過程準備

このため、既に各分野で多くの経験を積んだ教師が集まった.
慶尚南道 ガンジー学校教頭からソウル大 入学処諮問委員を経た チェ・ヨンジュン教師(科学)から、米国ニューヨーク州立大で英文学を専攻したピーター・ヤン教師(英語), 放送社の教養製作室で企画PDの仕事をしている美術教師を引き受けた ノ・ギルサン教師(美術)と原州地域 生活協同組合常務理事として働いてきたキム・ヨンウ教師(生態・NGO)まで、多様だ.
しかし、以友教育共同体の目標は、そのような望ましい中等教育次元にとどまるのではない.
教育機関から出発し、生の共同体として走ることが、彼らの窮極的目標だ.
ジョン代表は、“学校を始め、生活協同組合と放課後プログラムなど、近隣地域の青少年と成人を対象に、多様な教育・文化プログラムを実施する計画です.
合わせて、生活協同組合, 生態的住居団地, 医療生協, 信用協同組合運動を活発に繰り広げて、城南地域に共同体文化を広く拡散するつもりです”と話した.

彼らはこのような希望を込めて、昨年12月22日、京畿 城南市 ブンダン区 ドンウォン洞山 13-1で、学校建築のための初めてのシャベルが振り上げられた.


ジョン・インファ記者 inhwan@hani.co.kr, 写真 キム・ジョンス記者 jongsoo@hani.co.kr