2002年12月ハンギョレ21 437号

戦闘・機動警察は警察棒が佗びしい
[ 特別企画 ] 2002年12月05日 第437号

戦闘・機動警察は警察棒が佗びしい

昼夜ない勤務に青春を萎ませる最前線の公権力… 細かい軍規・雑多な任務などに自殺・脱営倉相次いで


写真/戦闘・機動警察は定時には寝られなくて、移動車で雑魚寝をするのが常だ.

“暴力警察帰れ.”
今日もどこかで、デモ隊が叫んでいる.
“君達には父母兄弟もないのか.” 鉢巻きを巻いた労働者と老いた農民が憂憤を吐き出す.
鎮圧服と盾, 長警棒で武装したまま彼らの前に立っている若者達は口数が少ない.
いつでも命令が下されさえすれば、デモ隊に向かって走り込む準備がされている‘公権力’. 彼らの名前は 大韓民国 戦闘・機動警察だ.
彼らは警察官ではない.
国家の招請を受けて、国防の義務を果たすために警察服を着ただけだ.
陸海空軍に入隊した同年配たちが‘国防部時計’から目を離さないように, 彼らも‘自治行政部時計’に神経を尖らせる.
前面に‘陸軍兵長 満期除隊’, 後面に‘OO地方警察庁’と書かれた転役証を手に握る時まで.


‘暴力警察’代名詞, その疲れるレッテル

11月21日午後、京畿 東豆川 米第2師団‘キャンプケイシー’ 正門前.
米軍装甲車 女子中学生致死事件の裁判で無罪判決が下されたことに対する抗議デモの過程で、また再び見慣れた光景が演出された.
怒ったデモ隊ともみ合いを何回も反復した警察兵力が市民に向かって盾を振り回して, こん棒を突き出した. デモ隊の前の方にいたある女性がお下げをつかまれて警察兵力側に引っ張られていく姿が目撃された.

インターネットと放送に乗って警察の‘暴力鎮圧’消息が伝えられながら、各言論社と警察庁などのインターネット掲示板は憤怒した市民の声で沸き立った.
事態が大きくなると警察庁は、11月29日、一歩遅れて該当地方庁・警察署警備担当者と機動団 戦闘・機動警察など、10余名を調べていると明らかにした.
しかし、警察庁のこのような動きにも、警察の暴力に対する批判はとどまるところを知らない. 特定事件に対する監査及び責任者問責が、ともすれば反復される過剰・暴力デモ鎮圧の解決策になることができないためだ.
そして、批判の中心にはデモ鎮圧の第一線に出された戦闘・機動警察問題がまとわりついている.

警察庁が今年国政監査に提出した資料を見ると, 最近の3年間、各種集会・デモに動員された戦闘・機動警察は延べ人数を基準に、△2000年 1万7375中隊 191万1250人 △2001年 1万1536中隊 130万1960人に達した.
今年も、去る8月末現在までで、計5582中隊 61万4020人が鎮圧にたったことが現れた.

しばしば集会・デモ鎮圧に出る警察兵力を ‘戦警’と呼ぶが, 彼らの80%以上は機動隊や防犯巡察隊所属の機動警察だ.

機動警察 機動隊出身で、去る10月中旬に除隊したジョン・某(22)氏は、“今は定時に眠ることができるというのが一番の幸せ”と話した.
機動警察生活の終始、彼を最も苦痛にしたのは不規則な生活だった.

“デモ状況がすべて終わって、初めて部隊に復帰できるため、生活がいつも流動的です. 徹夜勤務も1週間に1〜2回は必らずあるため、寝床に横たわっている時にもなかなか寝付けません.
デモ状況が夜遅くまで続いても、翌日に米軍関連施設の警備業務が予定されていれば, 少ない時間でほんの少し眠った後、明け方に勤務地に移動しなければならなりませんでした.”


寝入れない日々, 週末もない

写真/彼らはタバコを吸う時も'軍規'がなければならない.

米国関連施設などの徹夜警備勤務に出て、普通は2時間40分ずつ3回に分けて勤めれば夜が明ける.
自分の勤務時間でなければバスで夜食も食べて、仮眠もする.

ソウル 光化門 米大使館の横で会ったある機動警察隊員は、
“外での勤務を終えてバスの中へ入ると奇異な臭いが鼻を刺します.
不規則な食事時間に窮屈な姿勢で仮眠していたら、自分でも知らないうちに‘ガス’を放出しているためです. これを‘戦闘・機動警察病’と呼ぶこともあります”と話した.

週末に休息を取る陸海空軍とは違い、戦闘・機動警察隊員は週末に労働強度がより一層高まる. 各種の集会・デモが集まっているためだ.
特に、デモ隊に阻止線を越えられた日には、雰囲気が膚寒くなる.
このような日には、部隊に戻るバスのなかでいわゆる‘尻の群れ’(走るバスのなかで、座席から腰を上げ、中腰で立っている姿勢)を始め、軍規を引き締めるための彼らだけのしごきが始まる.

事実、戦闘・機動警察では、いまだに殴打としごきなどの苛酷行為が残っているということは公然の秘密だ.

昨年6月には、部隊内の常習的な殴打に耐えられずに脱営したが捕まって拘置所に収監中だった京畿地方警察庁所属 機動警察隊員が部隊復帰を拒否して、矯導所行きを選ぶ珍しい風景が演出された.
また, 今年7月には、忠北 ウムソン警察署 デソ派出所 所属 シン・某(21)氏など、忠北地域だけで一ケ月の間に戦闘・機動警察隊員3人が相次いで自ら命を絶った.
警察庁が今年国政監査に提出した資料を見ると, 去る7月末まで部隊不適応などの理由で脱営した戦闘・機動警察隊員は計203人に達する. ほとんど一日に1名ずつ脱営者が生じたのである.
彼らの中で173人は服務期間12ケ月未満の身だった.


9段階位階序列….‘要人’を守る…、


写真/国防の義務を果たすために警察服を着た若者達が勤務地にある車両で食事をしている.


デモ隊がいる所には間違いなく戦闘・機動警察が粘っている.
去る5月、転役した機動警察出身 パク・ジェウン(23)氏が作ったインターネットサイト(http://user.chollian.net/~jwpark99/)に紹介された9段階に達する戦闘・機動警察の細かい位階序列は、彼らの間に固まっている‘軍規文化’の断面を見せている.

初めて戦闘・機動警察部隊に配置されれば、‘床機手’生活をしなければならない.
言葉そのままに雑巾を持って内務班の床を清掃する時期だ.
部隊生活に慣れ始めると、軍靴を磨く‘短靴機手’と機動服や勤務服にアイロンをかける‘アイロン機手’を次々に経る.
戦闘・機動警察生活を1年余り経れば、‘シッパン機手’または‘まとめ機手’と呼ばれる.彼らの親分をしばしば‘シッパンジャン’(あるいは、まとめジャン)という.
その上に勤務表や休暇日程を策定する‘三席’(または庶務), 無電兵である‘伝令’がある.

戦闘・機動警察部隊で最も強大な権力を享受しているのは“中隊長直下”と呼ばれる‘規律警’であり, 除隊までいくらも残っていなければ‘王古’(最高古参)の段階を経て、‘列古’(列外古参)の班列に上る.

デモ鎮圧専門担当部隊である機動隊に配置された戦闘・機動警察のとても大きな苦役は、上・下半期に分けて1年に二度ずつ実施される検閲だ.
重大検閲を始め、機動団, 地方庁, 本庁など、計4回実施される検閲準備のために、戦闘・機動警察は約2月間より強い鎮圧訓練をする.

今年7月末現在、全国的に543名の戦闘・機動警察が業務と関連して負傷したと集計された.
この中でデモ鎮圧のためにケガをした戦闘・機動警察は64人に過ぎない 反面, 一般勤務過程でケガをした戦闘・機動警察は何と390人に達する.
機動警察機動隊出身で、最近転役したイ・某(23)氏は、“これらの大部分が訓練過程でケガをした人です”と話した.

写真/ソウル 光化門 李舜臣将軍の銅像前には、奇襲デモに対応して機動警察を乗せたミニバスがある.

常識的に納得するのが難しい勤務指示も、戦闘・機動警察を大変疲れさせる.
さる2月、ブッシュ米大統領訪韓反対デモなど、ソウル 光化門 李舜臣将軍の銅像附近で各種奇襲デモが引き続くと警察は銅像前になんと‘コンビ’ミニバスを置いて、機動警察8人を24時間配置している.

ある警察幹部は、
“ここの勤務者は食事時間を除いては交代もしません. 特に、夜間勤務者たちは通り過ぎる車両のために外へ出るのが難しく、いっそのこと小便用にペットボトルを持っていくこともあります”と伝えた.
彼はこれについて‘苛酷行為と言うべきでしょう’と話した.

‘要人警護’も、やはり省けない戦闘・機動警察の任務だ.
去る夏、ソウル 三清洞 大統領秘書室長公館附近で北派工作員たちが1人デモを繰り広げた後、機動警察10人が2ケ月余の間、毎日、朴智元秘書室長の出勤時間に合わせて警戒勤務に立った.
秘書室長公館近隣の金融研修院警備室職員は、“8月末に交代で1人デモを繰り広げたうちの誰かが服を脱いで、秘書室長が乗ったクルマに近づきました.
その日以後、毎朝、機動警察が来て私と立ちましたよ”と話した.
毎日午前6時から7時までの1時間余りの間、勤務に立った彼らは、<ハンギョレ21>が取材を始めた後、最近パトロールカー要員に替った.

警察庁は11月28日、米軍装甲車による女子中学生死亡事件の加害米軍人たちに無罪評決が下された後、米国関連施設警備を大幅強化した.
ソウル米第8軍周辺には警備人材を、普段の3中隊から7中隊に, 駐韓米大使館には2中隊を4中隊に増やした.
また、京畿 議政府 米第2師団, ソウル 光化門 米大使官邸, ソウル 乙支路 米工兵団などにも、1〜2中隊ずつ警備人員を増強した.

去る11月26日、全国の米国関連施設に配置された戦闘・機動警察は、現在計40中隊4400余名に達するというのが警察庁の説明だ.


拳銃を下げたMPの前で棒を持って守れと

去る8月23日、インターネット媒体‘民衆の声’(www.voiceofpeople.org) 自由掲示板で現職警察幹部だと自身を明らかにしたあるネチズンは、このような現実を鋭く叱責した.
“…米大使館や米第8軍を2重3重に取り囲んで落書を防ぎ, 垣根の彼方から石や火炎瓶を投げるのを防ぎ, 厚い垣根を突破したり拳銃で武装した憲兵が守る軍部隊入口を進入しようというデモ隊を遮断しろと言いました.
…そして、いつ来るかもわからないデモ隊を迎えるために無計画に一晩中待てと言いました.
率直に言って、落書をしたらなんですか、もっと言えば、垣根の彼方から石や火炎瓶を奇襲的に投げたらなんですか、軍部隊にちょっとでも進入すればどうなのか、百歩譲ってそれが法的に抵触すれば検挙して正式手順を踏んで処罰すればよいではないですか、…実弾が装填された拳銃を下げた憲兵が守る軍部隊の入口を警察が棒を持って守るとは、たぶん、犬が聞いても笑うでしょう….”


文 ジョン・インファ記者 inhwan@hani.co.kr
写真 パク・スンファ記者 eyeshoot@hani.co.kr