2001年12月ハンギョレ21
389号
ミュージカルで企業を伸ばせ! |
[ 経済/経済人 ] 2001年12月19日 第389号 ミュージカルで企業を伸ばせ! 皮革衣類業者 ナジャインの異色企業PR… 送年行事に独自ブランド熱望を込めて ![]() 12月13日、ソウル廣津区グンジャ洞の皮革衣類業者 ナジャイン本社ビル. 午後3時を過ぎ、10余名の職員たちが1階ロビーに一人二人と集まる. バッグひとつずつを肩に担いで、会社を出た彼らが到着した所は、近くの建国大新千年館. 12月20日に舞台に上げる送年ミュージカル<ゴスペル>公演の最終リハーサルのために集まったのである. バッグを開けて服を着替え、音楽が鳴り響いて演出者ノ・ウソン氏の指導の下、リハーサルが始まる. アマチュアであるのに、ボディコントロールと歌の技術が普通ではない. 冷たい大講堂の空気は熱気でむんむんし、出演者等のからだも汗でぐっしょり濡れている. あたかも、専門俳優たちのように. 服を作る会社が、なぜミュージカル? こういう疑問が湧き上がると、イエス役を担う営業2部 パク・スチョル(28)さんが舞台から降りてきた. “私たちも、事がこんなに大きくなるとは思いませんでした. ただ、意義深い送年行事を持とうという意味でミュージカルを準備したのですが….” 有名ブランドを出す精鋭企業 ナジャインは革衣類を生産する中小企業だ. それも、サックス・ポロ・カルバンクライン 等、海外有名ブランドの名前で全量輸出するため、国内消費者は会社の名前さえ見ることが難しい. 時々、証券会社のニュース誌に投資有望種目として上がる場合を除いては. 本社職員も100余名にすぎない. しかし、彼らが繰り広げる事業は手強い. たとえ、注文者商標付着(OEM)方式輸出であっても、皮革衣類に関する限り、ナジャインは韓国を代表する業者だ. おかげで、不景気の中でも、9月末までで1034億ウォンの売上げに62億ウォンの純利益を出した. それのみではない. 投下資本利益率(ROE)14.9%, 負債比率115%, 売上げ増加率13.3%が物語るように、収益性・安全性・成長性をおしなべて揃えた、内容に富んだ企業だ. このような中堅企業の社員たちが業務時間中に会社を抜け出してミュージカルリハーサルに熱中するには、もちろん理由がある. ミュージカル公演が会社を大々的に広報するための野心的なイベントであるためだ. ナジャインは、最近、全職員が業務としてミュージカル広報を行っている. 出演陣は、午後3時退勤という‘特別な配慮’の中で、公演準備に汗を流し、他の職員たちも、ポスターを準備し、案内状を発送する等の準備に余念がない. 数多くの衣類会社中で、指折り企業として知られているナジャインの企業イメージを、一度は正しく知らせてみようという趣旨からだ. オ・サンドン専務は、“輸出だけをしている中小企業なので、会社名さえ知らない人が多い”としながら、“一時は縫製工場だと知りながら入社しようという人がなく、人材確保に困難を経験することもありました”と話した. 公演アイデアは、昨年末の浮かれた雰囲気の中から出てきた. “次からは意味のある送年行事をやってみよう”という提案が共感を得ながら事が本格化したのだ. 公演広報を受け持っているマーケティング1チーム パク・フンソク(29)さんは、“衣類会社の特性を考慮して‘ファッションショー’を しようという 意見が 多かったのですが、‘どうせなら、既往ならば、もっと面白いことを’という趣旨でミュージカルの結論が出ました”と話した. 公演に加速度がついたのは、イ・ギュヨン社長が、6千万ウォンを支援すると申し出たからだ. アイデアが良いと判断した会社側が、公演を外部関係者と共にする祝祭の場に拡大させたのである. また、公演を通じて1千万ウォンを募金し、国際児童救護基金(ユニセフ)に寄付することにした. そのような意味で、今回の行事は会社と職員たちが共に作っていく‘ミュージカル企業PR’であるわけだ. 7ケ月間汗を流してイメージ刷新 ナジャインは、20日夕方公演を控えて、会社全体が浮かれている. 7ケ月余の間、汗を流したリハーサルの結果を興奮した状態で待っているのだ. 用心深く独自ブランドの夢を育てている会社の立場でも、ミュージカル公演は重要だ. 企業イメージが、後でブランド価値に大きな影響をおよぼすためだ. 会社側は公演を最大限活用するために、取引会社はもちろん、株主, 投資者, 海外バイヤーまで招請した. もちろん、結果はふたを開けなければわからない. しかし、公演結果がいずれにせよ、ナジャインは準備過程を通じて、既に企業 イメージを一段階押し上げるのに半分は成功したものと見なされる. ジョン・ナムギ記者 jnamki@hani.co.kr
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