2001年9月ハンギョレ21 378号

二〇種もの海産物による味の合唱
[ 料理の話 ] 2001年09月26日 第378号

写真/ 20種類もの魚介類が入っているヘムルタン.

既にコレラの勢いがなくなり、旬を迎えた刺身の材料が続々顔を出し始め、足を海産物側に向けても良いようだ(註:2001年夏にはコレラが発生し、海産物市場は打撃を受けた).
まだ気持ちが向かないのなら, コレラのおかげでむしろ賑わっている所を訪ねればよい. ほかでもない、ヘムルタン(註:海物湯)店だ. 粉唐辛子とニンニクをたっぷり入れ、唐辛子みそと味噌を解かしてぐつぐつ煮るので、コレラの心配なんか必要ない. その上、海産物価格が下がり、普段よりも内容がずっと豊富だという.

第一ヘムルタン(02-379-1774)は、最近、ソウルを中心に最も話題を集めている店だ.
1996年、こちらにヘムルタン店を出したミョン・サムレ(78) おばあさんは、ソウルの南大門市場とノリャンジン水産市場等, 水産物市場に通った人なら知らない人がないという、水産市場の名物おばあさんだ.
彼女は2ケ所の水産物市場でヘムルタンに入れる魚介類を50年以上扱って、ソウルと京仁(ソウル・仁川)地域にヘムルタン店と日本料理店を出した. それで、海産物ならば目をとじても新鮮度はもちろん、どの海岸に上がったものかまでも見分けて、味が最も優れたものを選別する.

写真/ 海産物の大母と言っても言い過ぎではないミョン・サムレおばあさんと嫁 ジャン・ソンエさん.

経営を受け持っている嫁 ジャン・ソンエ(44)さんも、やはり姑と一緒に10年 以上魚介類に触って, ヘムルタンに関する限り、誰にもひけをとらないという自信を持っている.
新鮮な旬の魚介類を18〜20種類以上も入れ、"ヘムルタンの味は、海産物の種類の数が物語る”という話を実感させる.
純粋に貝だけを煮てだしたスープは、それ自体だけでも淡泊でさわやかだ. ここに、せりともやし, 白ねぎ等の野菜類をたっぷり入れて、唐辛子みそと粉トウガラシ, ニンニク薬味を解いて、その場で煮あげる. 一言で、新鮮ながら深い味だ.

第一ヘムルタンは、ホンジェ3洞ソウル女子看護大学入口の住宅街にあって、初めて訪ねるには多少不便だ.
ミョンおばあさんは、料理を食べにきたのに席がなくてそのまま帰る事にならないように多くの席を用意するために、こちらに店をあけたという. ミョンおばあさんは、"料理がおいしいところは席が無い、ということはありません"と話す.

豊かな心で、2〜3人分でも3〜4人分でもそれほど大きな差をつけずに応えるというヘムルタンは、2〜3人分が2万5千ウォン, 3〜4人分が3万1千ウォン. その他に、昼食に会社員たちと近隣の若い主婦のために始めたという1杯4千ウォンの海産物うどんも、うどん寄せ鍋を彷彿させる程内容が豊富で、深い味がよい.

私も厨房長/海産物うどん

海産物だけでだすスープ

海産物うどんは、肉類を使わず、海産物を主材料にした、味がいっそう淡泊でさわやかなのが特徴だ.
第一ヘムルタンのスープは、旬のハマグリやしじみを煮て塩味をつける. チョゲ(貝)のスープでうどんを煮るが、一度沸騰したらイガイとしじみ, 海老などを入れて、スープがより一層濃密になる.

濃厚なスープの味はもちろん、中の貝の味も良い. 大きなうつわを人数通り揃えて、食べるだけずつ盛って食べるのだが, まず、豊富なのが長所だ. そして、イガイと貝, 海老, かぼちゃなどが交わり、あたかもうどん寄せ鍋を彷彿させる. イガイと貝の味は、同行した子供たちや若い女性顧客が特に好むらしい.

家で海産物うどんを煮る時は、敢えてあさりを開くほどの準備はしなくてもいい. 旬のハマグリやしじみ, 中海老2〜3匹あればいい. ぐつぐつ沸いたお湯に貝と海老を入れて煮るが、スープが濁り出して貝に日が通った時に貝をすくっておく. 沸騰したスープにうどんを入れて煮るが、煮上がる直前に貝をまた入れれば、味が大きく落ちずにもう少し簡便に海産物うどんを楽しむことができる.

 

文・写真 キム・スンギョン/ 料理 コラムニスト www.OB-green.com