2001年9月ハンギョレ21 377号

518対1の平和的抵抗
[ 人の話 ] 2001年09月19日 第377号

‘518 対 1.’

さる9月14日、米国連邦議会が同時多発テロ事件を武力で懲罰するためのブッシュ政府の緊急予算案を承認する過程ででてきた表決結果だ. 上院 98 対 0, 下院 420 対 1. この圧倒的賛成票は、今、米社会がテロリズムに対して、どれほど断固とした雰囲気であるかを象徴的に見せてくれる.
しかし、私たちの目を引くのは、‘518’ではなく,‘1’だ. このような雰囲気のなかで、‘タマゴで岩を潰す’ような反対票を投げかけたただひとりとは、果して誰だろうか.

“今回の予算案が、議会権限のあまりにも多くの部分を大統領に渡すことだと信じるため、状況をより悪化させかねない武力使用の承認を拒否する.”民主党所属の黒人女性議員のバーバラ・リー(50・カリフォルニア州 オークランド・バークレー)は、この日、“テロが私たちを恐怖に陥れているけれど, 私は、軍事行動が追加的なテロリズムを防止しきれないと確信する”とし、“明確な標的もなしに無制限的戦争に突入しないように注意を傾けなければならない”と警告した.

リー議員のこのような‘突出行動’は初めてではない. これまでずっと国防予算削減を主張してきた彼女は、クリントン行政府期の1999年にもコソボ地域に対する米軍派兵法案に唯一反対票を投じた‘前科’がある. 特に、ブッシュ大統領就任式を個人的にボイコットするかと思えば, 京都議定書支持意思を表明し, 減税政策に反対し, ‘平和部’新設法案を提出する等、ブッシュ政府に対しては非常に断固とした立場を固めている.

1990年からカリフォルニア州上下議員を経てきた彼女は、1998年4月、ロン・ディラムズ 前連邦議員が引退すると、地方区を受け継いで残余任期を満たした後、その年の11月に再選された. 彼女は議会で、‘進歩会議’,‘黒人会議’,‘女性会議’会員として活発に活動する代表的女性進歩政治家だ. 政界進出前は、地域精神健康センターを設立したかと思えば、カリフォルニア黒人女性地位委員会を率いる等、社会的弱者のための運動を繰り広げてきた.

彼女の信念に沿った決断は、政界進出以前のこのような‘華麗な’社会活動歴と関係がなくはないように見える. しかし、彼女に決してひけをとらない履歴の所有者たちでぎっしり埋められた私たちの国会で、一度でも‘272 対 1’の表決結果を見ることができるどうかは疑問だ.


アン・ヨンチュン記者 jona@hani.co.kr