[ 人の話 ] 2001年04月24日 第356号
スリーコードの粗い演奏で象徴されるパンクは、70年代英国の経済難と大量失業, 腐敗した社会相に対峙するなかで誕生した. パンク登場後のロックをモダンロックに入れる程、ロックの歴史に一線を引いたジャンルでもある.
最近、70年代後半に英国を揺るがし、全世界のロッカーを過激に武装させた伝説的グループ セックスピストルズのトリビュートアルバム<ネバー マインド>(Never Mind The SEX PISTOLS)が出された. セックスピストルズ唯一の正規アルバムを一曲一曲そのまま‘復元’した、このトリビュートアルバムは、国内インディパンクバンドの‘ノーブレイン’が単独で出したという点で意味が大きい.
ノーブレインのボーカル イ・ソンウ(25)氏は、“パンクの族譜(註:一族の家系を著した本)を整理しようという意味もあるが, 流行のように広がる国内トリビュートアルバム製作システムに釘を刺そうという意味もある”と話す. “本当にその音楽人を賛えるためというより, 適当に作られたものが入り乱れている程、商業的な目的のトリビュートアルバムがあふれている”というのが、ノーブレイン メンバーたちの問題意識だ. イ・ソンウ氏は、“90年代に登場したグリーンディやオフスプリングの売れ方に比較すれば、パンクの元祖のセックスピストルズは、人々がほとんど聞いていない”としながら、“再解釈とか解体とかという大層な意味よりは、ぼくたちの方法で消化して紹介したい気持ちが一番大きい”と話す.
‘朝鮮パンク’と自称するノーブレインは、96年、弘益大前で胎動したパンクバンドの代表株だ. 昨年、正規アルバム第1号の <青年暴徒猛進歌>を成功的に発表して、主流音楽界を驚かせたこのグループは、デビュー以来、インディ精神に粘り強く固執してきたいくつもないグループ中のひとつだ. インディ精神というのは, 企画から製作, 広報まで‘君一人でしなさい’(DIY: Do it yourself) 原則を守ること. 商業的主流音楽製作システムに対する抵抗でもある. しばしば、‘自主製作’と称するこの方式は、パンクというジャンルとは切っても切れない関係なわけだ. 第1集でパンクにポンチャックを加味したノーブレインは、現在準備中の第2集ではパンクの外縁を広げる多様な実験をする予定だという. 96年からファン・ヒョンソン(23・ドラム), チャ・スンウ(23・ギター), イ・ソンウ氏がそのまま走っていて、軍隊服務中のジョン・ジェファン氏の代りとしてキム・ジョンジュン(23)(写真左側から)氏が客員ベースで結合している.
キム・ソヒ記者 sohee@hani.co.kr
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