2001年1月ハンギョレ21 342号

[文化] 試験は嫌いでもクイズは好き!

[ 文化 ] 2001年01月10日 第342号

放送社クイズ番組人気沸騰にクイズ専門サイトも熱気… 単純な娯楽ではなく、産業化の道に 


“残りは5問になりました. キム・ギョンウォン学生 ゴールデンベルを鳴らすことができるでしょうか? あ! 残念ですが脱落してしまいました.” 背景音楽にアンドレア・ボチェリの<タイム トゥ セイ グッバイ>が流され、“たとえゴールデンベルを鳴らせなくても、最善を尽くす姿が美しい”という字幕が浮かぶ. ある者は泣き、ある者は胴上げをするために観覧席から飛び出す. 教師は学生の肩をたたいて、学生達はお互い抱き合う. 台本のない現実がそのまままドラマになる番組, 教養番組ながらも視聴率が保証される番組. クイズ番組は放送社の静かな孝行息子だ. 



<挑戦! ゴールデンベル> 競争ではなく、共生 

写真/前に座った人と競争する既存のクイズ番組とは違い. <挑戦! ゴールデンベル>は、クイズと出演者が対決する形式だ.(韓国放送公社)

何といってもクイズ番組の代表株は、やはり<奨学クイズ>だった. 28年という長い歴史を誇る<奨学クイズ>は、数多くのスターと後日談を輩出し、クイズ番組の代表者であった. しかし、明朗で利口そうな4名の学生がブースの後ろに並んで立ってブザーを押して勝負していた形式からクイズ番組は分岐して進化した. <挑戦! ゴールデンベル>(韓国放送公社2TV, 金 午後 7時), <クイズ 天下統一>(教育放送, 月〜木 6時55分), <生放送 クイズが好き>(文化放送, 日 午後 5時10分), <クイズクイーン>(ソウル放送, 火〜金 午前9時)などの番組は、高校生, 小学生, 一般人, 主婦、と各々出演陣が分化されているうえに、クイズを解く方式もさまざまだ. 

このうちで <挑戦! ゴールデンベル>は、誕生から特異だった. 元来、この番組は1998年10月に始まった<接続! 新世代>という番組だった. この番組は、‘唯我独尊’‘わたしの心を受け入れて’ などのコーナーで構成されていたのだが, この中の1コーナーが‘挑戦! ゴールデンベル’だった. ところが、この‘挑戦! ゴールデンベル’ コーナーが強大な人気を博し、いっそのこと番組タイトルも変えて、1999年9月から‘挑戦! ゴールデンベル’だけで番組を起動したのである. 視聴者の欲求が番組を完全に改編したわけだ. 
この番組は、特に既存クイズ番組の形式をかなり変えた. 100人という莫大な出演者数もだが, 出演者たちがゴムの敷物を敷いて床に座り込んでいるという点もそうだ. 韓国放送公社でインターネットでTV評論をしているホン・ギョンスPDは、“机の前に立つ行為は、制度が持っている馴致させる行為の表象なのであるが, 床に座る行為は、人間が原初的な方法でコミュニケーションすることだと思う”と、評価する. 
進行方式も、やはり既存のクイズ番組とはかなり違う. 既存では、1 対 1 あるいは 2 対 2 での対決方式のクイズが多かったが、この番組は誰かと誰かが対決するという概念ではない. 一高等学校を指定して、その学校の高等学生100人が出演する. 彼らが50の問題を解くのだ. 50問すべてに正解すれば、ゴールデンベルが鳴る. したがって、他を蹴落として自分が生き残るという概念ではない. 一名でもよりたくさん残れば、ゴールデンベルを鳴らすことができるのだ. また、以前のクイズ番組がクイズを解く人と客席が分離されていたのに反し、<挑戦! ゴールデンベル>は、客席とクイズを解く青少年が特に区分されない. 出演者が100人であるから、問題を解いている途中で客席へ行ったり、客席にいながらも、<敗者復活戦>を通じて、また問題を解くこともある. 学生達が友人の名札をたくさんからだに付けて番組に出演するのも、以前の番組とは違う点だ. 
以前のクイズ番組では、きれいに着飾った学生達が予備エリートらしい姿を見せる反面, <挑戦! ゴールデンベル>では、好きな友人の名前がカメラに捕えられて、全国に少しの間でも知られるようにするために自身がかっこ悪くなることも辞さない. 名札を何枚もからだに付けている出演者の姿は、自身が一人ではなく友人たちの代表者だということを端的に見せている. この番組のナ・ヘギョンPDは、“賞品が現金ではなく、ノートブック, 時計などなのに、学生達の熱気は熱い. ゴールデンベルを鳴らすところに学校の名誉がかかっていると考えるためだ”と話す. 実際に50問をみな解決するのは容易ではなくて, 放送回数が68回に達する間に17人だけが成功した. 競争ではない共生, 友人と戦うことではなくクイズと対決するという概念のこの番組は、‘第3回 放送番組21賞’ 青少年部門 受賞作として選ばれた. 


<…クイズが好き>, クイズとお金の相性 

写真/賞が多ければクイズ番組の視聴率が高まることは事実だが, 名誉欲を適切に刺激すれば、少ない商品でも視聴者の熱い参加を引き出すことができる.(韓国放送公社)

小学生のためのクイズ番組 <クイズ 天下統一> もやはり<挑戦! ゴールデンベル>のように、視聴者の自発的な要求で作られた番組だ. 昨年秋改編当時、新しい番組を構想しながら、視聴者の意見を受け, “小学生のためのクイズ番組を作ってくれ”という要請が圧倒的だったという. ところが、小学生の場合、雰囲気の影響をかなり受けるため、個人戦だと実力発揮が難しいというのが製作陣の大半の意見だった. この放送のナム・ハンギルPDは、“子供なので、一度しょげれば実力発揮ができないこともあって, 終ってから図らずも傷つくだけのこともあった. ところが、友人と一緒に出てくれば、普段の実力もよく発揮して、良い成績をおさめることができなくても、共にやったことであるから、過ぎてしまってから楽しい思い出になるだろうと考えた”と明らかにする. それで、この番組は、36人 対 36人 の団体戦形式で進行されて, まず、10問のOX問題を出してずっと勝ち進んだ学生がいる学校がまず問題を解く権限を持つことになる. 
また、問題二つを連続して正解すれば、相手側の一名を指定し、また正解すれば, その学生の前後左右に座った学生達が問題を解くことができなくなる. したがって、一名が何人もなぎ倒すことも可能だ. これを‘十字砲火’という. 最高記録で、一名が相手側の三十五人をなぎ倒したこともある. 2000年最高のスターは、ソウル ダンヒョン小学校5年 イ・ドヒョンさんで, ‘十字砲火’を八回連続成功し、他の小学校の学生達から激励ハガキをもらうこともあった. この時イ・ドヒョンさんのニックネーム‘走れハニー’が紹介されたが, 彼女のの人気がどれくらい高いか、周辺の小学校でも‘走れハニー’とは誰なのかを知っている程だというのが、担当PDの話だ. 

低廉な賞品で名誉欲を刺激する <挑戦! ゴールデンベル> <クイズ 天下統一>とは違い、<生放送 クイズが好き>は、クイズとお金を結んで、‘知識がお金に変わる瞬間’を最大限楽しむことができるようにした番組だ. 
第1段階から第10段階まで、10個の問題を出して、合わせれば参加者が持ち帰れるお金の額が急増する. 10段階までをすべて合わせれば、恵まれない隣人助け合いに寄付する1千万ウォンを除く1千万ウォンを持ち帰ることができる. なによりも観る者を刺激するのは、花札賭博をする時のようにゴー・ストップが可能な形式だ. 第6段階から第7段階に移る時、司会を務めるイム・ソンフンが“挑戦なさいますか? やめますか?”を訊ねる. 万一、挑戦して間違えば、第5段階までの賞金だけが確保される. やめれば、その段階までの賞金が確保される. 
この番組は、問題を解いている途中でわからなくなれば、電話で他人に答を尋ねることができるという点, 問題をひとつ解くごとにお金の額が上がるという点で、英国の人気クイズ番組 <誰が百万長者になってみたいか>(Who wants to be a millionaire)と形式面で似ている. この番組は、ドイツで <百万長者 クイズ>(millionaire quiz)という類似番組を産む等、ヨーロッパ, 東南アジア, オーストラリア等の地まで有名な番組だ. <生放送 クイズが好き>は、現在 16〜20%の手硬い視聴率で、同じ時間帯の番組達より優位に立っている. それ以外にも、ソウル放送の朝番組 <クイズクイーン> も、やはり主婦を出演させて、朝に主婦たちの注目を捕えている. 


クイズ サイト, 計画的に会員集める 

写真/最近、クイズ番組は視聴者の自発的な要求と参加で作られることが一つの特徴だ.

以上見てきたように、視聴者をそれと無くTVの前に惹き付け, 時には視聴者の口から直接“番組をもっと良く作れ”という声まで出てくるようにするクイズの魅力は、しかしこれで終わらない. クイズ番組のもう一つのおもしろい点は、視聴者が番組を復習したがることだ. <生放送 クイズが好き> <挑戦! ゴールデンベル> 等は、“今まで出てきたクイズをインターネットに上げてくれ”という視聴者たちの激しい要求で、既出問題を公開している. 現在、1週間に8千件を超える出演申請が殺到しているという <生放送 クイズが好き>は、今まで出題したクイズを集めて出版しようという提案も受けた. クイズを解くことだけでなく、作ることもやはりお金になるのだ. 地下鉄車内で見る<パズルワールド> <マジックパズル> 等、5,6種に達するクイズ雑誌も、“クイズを作るのがお金になる”という傍証だ. 

クイズは放送では視聴率を通じて間接的にお金を儲けてくれる静かな孝行息子だが、よく知られていない金鉱は別にもある. インターネットがそれだ. 99年 10月 オープンしたクイズサイト クイズクイズ(www.quizquiz.com)は、代表的なサイトだ. 
国内最初にアバタ(インターネット上で 自身の分身の役割をするキャラクター)とクイズを結合させたこのサイトでは、クイズをたくさん解いて点数が上がるほどアバタに対して可愛いアクセサリーや服を買ってあげることができる. このサイトは、オープンして3ケ月で会員数160万名を突破した. 無条件に会員を受け入れるだけの大部分のコミュニティサイトとは違い, このサイトは会員管理を‘計画的に’する. 会員を無計画に増やさず、活動が振るわない会員を周期的にふるい落として160万名線を維持しているのだ. 会員があまり多ければアバタ数が多過ぎて管理が難しいためだ. このサイトを利用するためには、一ケ月に7700ウォンを出さなければならない. これは、広告を除外した純収益につながる. 無料サイトがあふれるネット世界で、お金を払いながらクイズを解くのだ. このくらいになれば、クイズは娯楽ではなく、産業だ. 

このサイトの最初の発案者のMプレーの開発2チーム イ・スンチャン(24)チーム長は、アイデアを出した理由をこのように話す. “幼い時、ゲームセンターでクイズを解く遊びをしたけど, 面白くてお金を使ってしまったものです. それで、お金を受け取ってクイズ問題を提供することができるんだなと、着想しました. ところが、ゲームセンターでするように周りから‘やー, 君はすごいなあ’と認めてくれるわけではないのです. それで、アバタを利用して、この人のアバタを見れば、‘クイズに優れている’と分かるようにすれば良いと考えました.” このサイトの他にも、クイズクラフト(www.quizcraft.com), アイクイズ(www.iquiz.co.kr), クイズショップ(www.quizshop.co.kr) 等、クイズを利用して収益を上げるサイトが続々生まれるなかで, 最近では、国政院までクイズ学習塾(www.nisquiz.cisoft.co.kr)というサイトを作って注目されている. また、携帯電話文字メッセージを利用してクイズ問題を出して電話で問題を解くようにする派生商品まで出現した. ‘2001年をゲーム有料化の元年にしよう’一歩遅れてサイト有料化にたったゲームサイトたちとは対照的な姿だ. 


自己顕示欲が商品価値に 

インターネットクイズゲームからTVクイズショーまで, 試験ならば嫌がる人々がクイズには熱狂する理由は何であるだろうか? アバタを利用したクイズサイトの成功事例とクイズショーに顔を出したい人々の心理を考えれば、すこしは察することができる. 単純に問題を解くことだけではない. “私はこのように常識が多い人だ”という自己顕示欲を満足させ与える時、はじめてクイズは商品価値を持つことになるのだ. 一例として、クイズサイト クイズクール(www.quizcool.com)は、点数が高い利用者をネット上 に公開することによって、このような効果を狙っている. 今後、クイズと関連したどんな奇抜なアイデア商品が出てくるかはわからない. しかし、今この瞬間にも“ああ, 私も一度行って実力発揮してみたい?”という誰かのつぶやきがあるかぎり, クイズ市場の熱気は冷めない展望だ. 

イ・ミンア 記者mina@hani.co.kr